子どもの勉強に関する悩みの中でも、よく聞かれるのが「子どものやる気がない」というものです。
親としては、子どもに勉強をさせたいのに、子どもは全く興味を示さないという状況に苛立ちを感じることもあると思います。

しかし、子どものやる気を引き出すには、単に叱ったり、褒めたり、ご褒美や罰を与えたりするだけでは効果的ではないんですね。
それは、子どもの勉強に対する動機付けが、内発的なものか外発的なものかによって、脳の活動が異なるからです。
動機付けとは、行動の目的や意味を与えるもので、勉強において、
「勉強することが楽しい」
「できないことができるようになりたい」
という自分からの意志に基づく「内発的動機付け」と、
「親や先生に叱られたくない」
「志望校に合格するため」
という外からの要求や期待に応える「外発的動機付け」があります。

これらの動機付けは、脳の中心部の近くにある「線条体」という領域に影響を与えます。
「線条体」は、運動機能だけでなく、意志決定にも関わっており、やる気のスイッチとなっています。
さらに、「内発的動機付け」は右半球の前頭前野が、「外発的動機付け」は前頭葉下面の眼窩前頭回が、それぞれ刺激されることがわかっています。
では、どちらの動機付けが学力にとって有効なのでしょうか。
東北大学加齢医学研究所と仙台市教育委員会が行った調査研究によると、「内発的動機付け」が高く「外発的動機付け」が低い子どもの成績が最も高かったという結果が出ています。
逆に、「内発的動機付け」「外発的動機付け」ともに低い子どもや、「内発的動機付け」が低く「外発的動機付け」が高い子どもの成績は低かったということです。

つまり、子どものやる気を引き出すには、「外発的動機付け」ではなく、「内発的動機付け」を高めることが重要だということです。
子どもが勉強することに自分の意味や価値を見出せるように、親はどのようにサポートすればいいのでしょうか。
次回の記事では、その方法について紹介します。お楽しみに!
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