この記事の要点
- 広告が続かなくなる原因の一つは、広告費ではなく「次に出す素材がないこと」です。
- 同じ撮影でも、縦・横・正方形、寄り・引き、人あり・人なしを少しずつ撮っておくと、後から使える広告素材が増えます。
- 広告素材は必要になってから作るより、1回の撮影でまとめて「作り置き」しておく方が続けやすくなります。
どうも岩崎です。
撮影の仕事をしていると、納品してしばらく経ってから連絡が来ることがあります。
「あの写真の縦ってありますか?」
Instagramのストーリーズに使いたいとか、新しい広告が縦型だったとか、そういう話です。
で、無いんですよ。
横でしか撮っていないのでw
じゃあもう一度撮りましょうか、となるんですけど、これがけっこう大変です。日程を合わせる。機材を用意する。現地へ行く。セッティングして撮影して、また片付ける。
写真そのものは1枚でも、その1枚を撮るために半日使うことがあります。
何度かこれをやって、さすがに私も学習しました。
今は撮影へ行く時に、必要になりそうな素材をある程度リストにしておきます。
同じ場所に立っているうちに、横だけじゃなく縦も撮る。少し寄る。少し引く。人を入れる。人なしも撮る。
その場なら数十秒でできるんですね。
でも後日やろうとすると半日かかる。
この差、かなり大きいです。
撮影って、シャッターを切っている時間より、その場所へ行って準備する時間の方が長かったりしますからね。
で、今日の話は広告です。
広告が止まる原因は「次に出すものがない」こと
広告を始める時って、最初の1本にはけっこう力を入れます。
写真を撮って、キャッチコピーを考えて、デザインを作って、ようやく広告を出す。
ところが、その広告をしばらく出した後に問題が起きます。
「次、何を出そう?」
なんですよね。
同じクリエイティブを同じような人へ何度も見せていると、最初ほど反応しなくなることがあります。
一度見た広告を、また見る。
さらにまた見る。
最初は気になった画像でも、何度も見れば新鮮さはなくなりますよね。
そこで別の広告へ差し替えたい。
でも素材がない。
じゃあ撮らなきゃ。
選ばなきゃ。
切り抜かなきゃ。
文字を入れなきゃ。
本業をやりながら毎回これをやるのは、けっこうしんどいです。
結果、そのまま同じ広告を出し続けるか、面倒になって広告自体を止めてしまう。
広告費以前に、「作り続けられない」という問題が出てくるんですね。
広告は「良い1本」より「次がある状態」を作る
これ、広告を継続するうえではけっこう大きな問題だと思っています。
最初の1本だけなら頑張れるんですよ。
でも広告は、その1本が永久に使えるわけではありません。
画像を変えたい。
違う訴求を試したい。
縦型動画も試したい。
検索広告なら、新しい見出しも試したい。
前回お話ししたように、広告って最初から1本の正解を当てるというより、いくつかの仮説を試しながら「何に反応するのか」を探していく面があります。
ところが素材が1種類しかなければ、試したくても試せません。
だから広告を始める時に考えたいのは、
「最高の1本を作る」
だけじゃなくて、
「次に出すものまで持っている状態を作る」
ことなんですね。
素材は必要になってから作らない
そこで私がおすすめしているのが、広告素材の作り置きです。
といっても、大げさな話ではありません。
1回撮影するなら、その場で後から必要になりそうなものまでまとめて撮っておく。
これだけです。
例えば商品写真を1枚撮ったら、そのまま縦でも撮る。
寄りを撮ったら、少し引いたものも撮る。
商品だけを撮ったら、人が使っているところも撮る。
写真を撮ったついでに、同じ場面を数秒だけ動画でも残しておく。
撮影中なら、それほど時間は増えません。
でも、その数十秒が数週間後にめちゃくちゃ助かるんですよ。
媒体ごとに必要な素材は少し違う
広告素材を作り置きするなら、「後からどこで使うのか」を先に考えておく必要があります。
例えばGoogleの検索広告なら、中心になるのは見出しや説明文です。
画像アセットが表示される場合もありますが、検索した人へ何を伝えるかという意味では、言葉の素材を持っていることが重要です。
なので撮影現場でも、写真だけ集めて帰らない方がいいです。
お客さんが何と言ったか。
スタッフさんが商品をどう説明していたか。
「それ、分かりやすいな」と感じた言い回しがなかったか。
こういう言葉もメモしておくと、後で広告見出しやLPを作る時に使えます。
現場って、実はめちゃくちゃ良い言葉が出ているんですよ。
ただ、誰も記録していないので消えているだけだったりします。
画像広告は「比率違い」をその場で押さえる
GoogleやYahoo!のディスプレイ広告では、複数の画像素材を登録して、配信面に合わせて表示する形式があります。
InstagramやFacebookでも、フィードとリール・ストーリーズでは使いやすい画像の形が違います。
なので撮影では、最低でも「横だけ撮って終わり」にしない方がいいです。
横長。
正方形。
縦長。
実際に必要な比率や入稿条件は媒体やキャンペーン形式によって変わりますが、この3方向を想定して元素材を残しておけば、後から対応しやすくなります。
さらに元写真は、できるだけ大きなデータで残しておきます。
あとから小さく切ることはできますが、最初からギリギリで撮ってしまうと、別の比率へ変更する余地がありませんからね。
比率だけでなく「訴求違い」も撮っておく
もう一つ用意してほしいのが、見せる内容の違いです。
前回の記事で、まだ探していない人と、すでに比較している人では必要な広告が違うという話をしました。
写真も同じです。
比較している人なら、商品そのものをしっかり見せる。
質感、形、仕上がり、細部など、選ぶための判断材料になる写真ですね。
一方で、まだその商品を探していない人なら、人が使っている場面や、その商品がある生活を見せる。
つまり同じ撮影で、
「商品を主役にした写真」
と、
「人や場面を主役にした写真」
の両方を持って帰るんです。
これだけでも、後から作れる広告の幅がかなり変わります。
動画は「完成品」ではなく素材だけでも撮っておく
さらに、写真を撮っているなら、ついでに短い動画も何本か残しておくと便利です。
ちゃんと編集した動画をその場で作る必要はありません。
商品を手に取る。
水を注ぐ。
料理から湯気が出ている。
スタッフが作業している。
そういう短い動きだけ撮っておきます。
前回お話しした動画の1カット目を変えたい時も、こういう素材が手元にあれば、全部撮り直さずに済みます。
写真を撮るために、もう照明も作っている。商品も並んでいる。人もいる。
だったら、その状態で動画も10秒撮っておく。
後日ゼロから撮ることを考えたら、圧倒的に楽です。
広告媒体のAIも「素材があるから」試せる
今の広告媒体には、複数の画像や文章などを登録しておくと、配信面や相手に応じて組み合わせを調整する仕組みがあります。
これは便利なんですけど、大前提があります。
試せる素材があることです。
商品だけの写真1枚しか入っていなければ、「人が使っている写真の方が反応するか」は試せません。
同じような見出ししかなければ、「別の悩みを入口にした方が反応するか」も分かりません。
機械が組み合わせを考えてくれる時代だからこそ、人間側は「違う選択肢」を用意する必要があるんですね。
全部を完璧に揃えようとしなくていい
ここまで読むと、
「横、正方形、縦、商品、人、動画、言葉……めちゃくちゃ撮らなきゃいけないじゃん」
と思うかもしれませんw
でも、最初から全部やる必要はありません。
むしろ、全部完璧に揃えようとすると撮影自体が面倒になります。
これは以前お話しした完璧主義と同じですね。
100点を目指して0のままになるより、まず20点分だけ増やした方がいい。
最初は、同じ写真を縦と横の両方で撮る。
これだけでもいいです。
慣れてきたら、寄りと引きを撮る。
次に人あり、人なし。
その次に短い動画。
少しずつ増やせば十分です。
撮影リストを作ると「現場で考える」が減る
そして、これを毎回その場で思い出そうとしないことです。
私は撮影リストを作っておく方がいいと思っています。
現場って、撮り始めると目の前の1枚に集中するんですよ。
光を見て、表情を見て、商品の位置を見て、「よし、撮れた」となる。
そして帰ってから気づきます。
「あ、縦がない」
とw
だから記憶に任せない。
撮る前に紙かスマホへ書いておいて、一つずつ消していけばいいんです。
広告を続ける力は「撮る前」に作れる
ということで、今日やってほしいことです。
次に写真を撮る予定を一つ思い浮かべてください。
来週でも来月でも、自社でスマホ撮影する日でも構いません。
そして、その時に追加で撮るものを3つだけ書いておきます。
例えば、
「縦も撮る」
「人が使っているところも撮る」
「10秒の動画も撮る」
これだけです。
必要になってから再撮影するのと、その場で追加のシャッターを何回か切っておくのでは、かかる時間が全然違います。
広告って、センスのある1本を作れる人がずっと有利に見えるんですけど、実務では「次に出せるものがある」という状態もかなり強いんですよね。
1本出して終わりじゃなくて、次がある。
その次もある。
だから試せるし、前回の結果を次に生かせます。
広告を続けるために、気合いを増やす必要はありません。
次に必要になるものを、今ついでに撮っておく。
それだけでも、かなり続けやすくなると思いますよ。
それでは!
よくある質問
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広告用の写真は、1回の撮影で何パターンくらい用意すればいいですか?
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最適な枚数は媒体や商品の種類によって変わります。最初から大量に撮ろうとせず、まず縦・横などの比率違い、寄り・引き、人あり・人なしといった使い道の違う素材を少しずつ増やすと実践しやすいです。同じ構図の似た写真を大量に撮るより、用途の違う素材を残すことを意識します。
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同じ広告素材を長く使い続けるのはよくないですか?
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長く使うこと自体が悪いわけではありません。反応が安定しているなら、そのまま使える場合もあります。ただし同じ人へ繰り返し表示されることで反応が変化することもあるため、数字を見ながら差し替えられる予備素材を持っておくと運用しやすくなります。
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写真撮影と一緒に動画も撮っておいた方がいいですか?
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動画を使う可能性があるなら、短い素材だけでも残しておくと便利です。完成した動画を撮る必要はなく、商品を使う手元、動いている場面、仕上がりなどを数秒ずつ撮っておくだけでも、後から縦型動画や広告の冒頭素材として使える可能性があります。
P.S.
次の撮影でそのまま使えるように、私なら1つのシーンでこんな感じに撮ります。
まず、商品や結果がはっきり分かる寄りの写真。
次に、少し引いて周囲の雰囲気まで入れた写真。
それを縦でも撮ります。
次に、人が使っている場面。
そして人を外して、商品や場所だけの状態。
最後に、同じシーンを数秒だけ動画で撮っておく。
このくらいなら、同じセッティングのまま少しカメラの向きや距離を変えるだけなので、それほど時間は増えません。
ただし「1シーンで必ず6枚」「動画は必ず10秒」みたいに数字をルール化しすぎなくてもいいと思います。
商品によって必要な写真は違いますし、縦に切り出せる引きの写真なら、正方形にも横長にも使える場合があります。
大事なのは枚数ではなく、後から使い道を選べる状態にしておくことです。
私は撮影前に「寄り・引き・縦・人あり・人なし・動画」くらいをスマホへメモしておくだけでも十分だと思っています。
撮影が終わってから「あれも撮っておけばよかった」と気づくと半日かかる。
現場にいるうちなら、もう1回シャッターを切るだけです。
広告素材は必要になった時に作るのではなく、必要になりそうな時に先に残しておく。
この考え方だけでも、広告はかなり続けやすくなると思いますよ。
