この記事の要点
- まだ商品を探していない人と、すでに比較している人では、広告で伝えるべき内容が違います。
- SNS広告ではまず「自分に関係がある」と気づいてもらい、検索広告では選ぶための具体的な判断材料を渡します。
- 広告媒体ごとに役割を分けると、「知る→調べる→比較する→決める」という流れを作りやすくなります。
どうも岩崎です。
撮影の打ち合わせで、私がほぼ毎回する質問があります。
「この写真、誰に見せますか?」
そうすると、けっこうな確率で「できるだけ多くの人に見てほしいです」と返ってきます。気持ちはめちゃくちゃ分かります。でも、これだと撮り方を決めにくいんですね。
というのも、同じ商品でも「誰に見せるのか」で撮る写真そのものが変わるからです。
例えばパン屋さんのパンを撮るとします。
すでにパンを買うつもりで、「どれにしようかな」と迷っている人へ見せるなら、パンそのものをしっかり見せます。断面へ寄って、生地の層や具の量、焼き色なんかを見せる。もう買う気があるので、欲しいのは判断材料だからです。
でも、そもそもパンを買う予定がない人へ見せるなら、同じ写真が効くとは限りません。
休日の朝、コーヒーと一緒にパンを食べている場面を撮る。「こういう朝、いいな」と思ってもらうところから始めた方がいいかもしれません。
同じパンを売っているのに、片方はパンを撮っていて、もう片方は生活を撮っているんです。
で、今日の話は広告です。
広告は「誰に言うか」だけでは足りない
広告を考える時に「ターゲットは誰ですか?」という話はよくしますよね。
でも、もう一つ考えた方がいいことがあります。
その人は、今どの段階にいるのか。
まだ問題に気づいていないのか。なんとなく困っているのか。解決方法を探し始めているのか。すでに数社を比較しているのか。
同じ人でも、この段階が違えば必要な言葉は変わります。
ここを無視して、全員に同じ広告を出すとズレるんですね。
検索している人は、もう問題を知っている
例えばGoogleやYahoo!の検索広告です。
「新宿 商品撮影」「縮毛矯正 渋谷」「浄水器 PFAS」などと、自分で検索窓へ言葉を入れている人は、少なくともそのテーマについて何かを知りたい状態です。
場合によっては、もう解決方法まで分かっていて「どこへ頼むか」を比較しています。
この人に、
「こんなことで困っていませんか?」
と延々説明しても、少し遅いんですよね。
「うん。それはもう知ってるから検索してるんだけど」となります。
この段階で欲しいのは、選ぶための情報です。
比較している人には「決め手」を渡す
検索して数社を見比べている人なら、知りたいのは「ここは他と何が違うの?」です。
料金はいくらなのか。どこまで対応してくれるのか。納期はどのくらいなのか。自分と同じような事例があるのか。失敗する心配はないのか。
つまり、比較するための基準ですね。
ここで「高品質です」「丁寧に対応します」「お客様第一です」だけだと、他との違いが分かりません。
違いが分からなければ、結局一番比較しやすい価格を見ることになります。
なので検索段階では、「なぜここを選ぶのか」が分かる具体的な条件や証拠を見せた方がいいんです。
SNSを見ている人は、まだ探していない
一方で、InstagramやFacebookなどを見ている人は状況がかなり違います。
友達の投稿を見ている。旅行の写真を見ている。動画を見ている。その途中に広告が出てきます。
この人は、あなたの商品を探しているとは限りません。
それどころか、自分が困っていること自体をまだ問題として認識していない場合もあります。
例えば、商品の売上が伸びない。でも本人は「景気が悪いから仕方ない」と思っている。
そこへ突然、
「商品撮影を今すぐご予約ください!」
と出しても、話が飛びすぎていますよね。
これ、道端ですれ違った人にいきなり「結婚してください」と言っているようなものですw
相手からすると、良い人か悪い人か以前に「いや、まず誰?」なんです。
まだ知らない人には、まず問題へ気づいてもらう
なので、まだ探していない人へ最初から売り込む必要はありません。
まず「もしかして、これって自分のこと?」と気づいてもらいます。
例えば、
「良い商品なのに、写真で損していませんか?」
「広告を出しているのにクリックされない原因、商品ではないかもしれません」
みたいな入口です。
そこで初めて、「え、どういうこと?」となる。
そして理由を知り、解決方法を知り、そこで初めて「じゃあ誰に頼もう」と次の段階へ進みます。
まだ初対面なのに、予約ボタンだけ押しつけても動かないのは当たり前なんですね。
広告は「知る→調べる→比較する」で役割が変わる
ここまで整理すると、広告の役割が見えやすくなります。
まだ知らない人には、まず知ってもらう。
問題に気づいた人には、解決方法を知ってもらう。
解決方法まで分かった人には、自分を候補に入れてもらう。
比較している人には、選ぶ理由を渡す。
全部同じ「広告」なんですが、やっている仕事は違います。
だから一つの広告で、全部の人を動かそうとすると無理が出るんですね。
同じ商品でも、段階によってコピーを変える
例えば商品撮影というサービスなら、まだ問題に気づいていない人には、
「商品の良さ、写真で半分になっていませんか?」
という入口が使えるかもしれません。
すでに商品撮影を探している人なら、
「Amazon・楽天向け商品撮影|東京都内対応」
の方が分かりやすい。
さらに数社を比較している人なら、
「撮影だけでなく、広告・LPで使う比率まで考えて納品」
のように、他との違いを伝える。
同じ商品撮影の話なのに、入口が全部違いますよね。
大事なのは「一番うまいコピーはどれか」ではありません。
今その人に必要なコピーはどれか、なんです。
Yahoo!も検索とディスプレイでは役割が違う
Yahoo!も一括りにしない方が分かりやすいです。
Yahoo!の検索広告なら、検索している人へ出るので、考え方はGoogle検索広告に近くなります。
一方、Yahoo!ニュースなどのコンテンツ面に表示されるディスプレイ広告なら、まだ商品を探していない人へ接触することもできます。
つまり「Yahoo!だからこの訴求」というより、「検索中なのか、コンテンツを見ている途中なのか」で分けた方がいいんですね。
さらに、一度サイトへ来た人へ再び広告を見せるような設計もできます。
最初に知ってもらう広告と、一度見た人に思い出してもらう広告では、当然言うことも変わります。
1つの媒体だけで売れたとは限らない
ここも広告を見る時に注意したいところです。
例えばInstagramで初めて商品を知った人が、その場では何もせず、数日後にGoogleで会社名を検索して申し込むことがあります。
この場合、最後だけ見れば「検索から申し込みが来た」となります。
でも最初に存在を知ったのはInstagramかもしれない。
もちろん毎回そうなるわけではありませんが、人が一回の広告だけを見て、その場ですぐ買うとは限らないんですね。
知る場所と、調べる場所と、決める場所が違うことがあります。
だから私は、広告を一つずつ独立したものとして見るだけではなく、前後の流れも見た方がいいと思っています。
表現を変える前に「相手の段階」を確認する
広告の反応が悪いと、まず画像を変えたくなります。
色を変える。見出しを変える。ボタンを目立たせる。写真を変える。
もちろん、それで改善することもあります。
でも、その前に「今この広告を見ている人に、この話をしていいのか」を確認した方がいいです。
まだ問題に気づいていない人へ、いきなり料金表を見せていないか。
すでに比較している人へ、ずっと問題提起だけしていないか。
ここがズレていたら、見た目だけを変えても根本はあまり変わりません。
直す場所を間違えないことが大事なんですね。
今日は2種類の一言を書いてみる
ということで、今日は紙に2つだけ書いてみてください。
一つ目は、
「まだ自分の商品を探していない人へ、最初に何と言うか」
です。
二つ目は、
「すでに何社か比較している人へ、最後に何を決め手として伝えるか」
です。
この2つが、全然違う文章になればOKです。
まだ知らない人には、まず振り向いてもらう。
比較している人には、最後の判断材料を渡す。
初対面の人へいきなり結婚を申し込まず、まず話して、知ってもらって、そこから関係を進める。
広告も、たぶんそのくらいの順番で考えた方が自然なんですよね。
それでは!
よくある質問
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検索広告とSNS広告では、広告文を変えた方がいいですか?
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基本的には、広告を見る人の状態に合わせて変えた方が設計しやすくなります。検索広告では何らかの情報や解決策を探している人が多いため、商品・条件・違いなど判断材料を明確にします。SNS広告では商品をまだ探していない人もいるため、悩みや気づきから入る方法があります。
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まだ商品を知らない人へ、いきなり価格を見せるのはダメですか?
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価格を見せること自体が悪いわけではありません。ただ、商品がなぜ必要なのかをまだ理解していない人にとっては、価格だけを見ても判断できません。まず自分に関係がある問題だと理解してもらい、その後で商品や価格を見せる方が自然な場合があります。
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SNS広告を見た人が、後から検索して申し込むこともありますか?
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そうした行動は起こり得ます。広告で存在を知った後、その場では申し込まず、後から会社名や商品名を検索して比較する人もいます。そのため各媒体の数字だけでなく、指名検索やサイト訪問、最終的な問い合わせまで含めて流れを見ることが大切です。
P.S.
商品を主役にするか、人を主役にするかで迷った時も、相手の段階から考えると決めやすいです。
すでに商品を比較している人へ見せるなら、商品や仕上がりをしっかり見せます。寄って撮って、素材や質感、違いが判断できる写真にする。もう興味はあるので、判断材料を渡すんですね。
反対に、まだ探していない人へ見せるなら、人が使っている場面や、その商品によって生まれる生活を見せる方法があります。「この商品が欲しい」より先に、「こういう状態はいいな」と感じてもらうためです。
人物を入れる時も、必ずしも顔を大きく見せる必要はありません。手元や横顔、後ろ姿くらいでも、その場面を想像してもらえることがあります。
そして商品へ視線を集めたいなら、人物の視線も使えます。写真の中の人が商品を見ていると、見る側もその方向へ注意を向けやすくなるので、モデルに商品を見てもらうだけでも構図の意味が変わります。
なので一つの撮影で、商品の寄りと、人が使っている場面の両方を撮っておく。
同じ商品でも、比較している人と、まだ知らない人では必要な写真が違います。広告文と写真を別々に考えるのではなく、「今この人はどの段階にいるのか」から両方決めると、かなり作りやすくなりますよ。
