広告は「見てもらえない」前提で作る。Google・Meta・Yahoo!で訴求を変える理由

この記事の要点

  • 広告は、まず「積極的には見てもらえない」ことを前提に作る必要があります。
  • 検索広告は解決策を探している人、SNS広告は別の目的で見ている人に届くため、同じ訴求では噛み合いません。
  • 媒体を選ぶ前に「相手はいま何をしていて、どんな状態で広告を見るのか」を整理すると、広告の作り方が変わります。

どうも岩崎です。

街中でロケ撮影をしていると、毎回おもしろいことが起きます。

三脚を立てて、レフ板を広げて、機材を並べていると、通行人がきれいに避けていくんですね。

単純によけて通るというより、なるべくこちらを見ないようにして、少し早足で通過していく感じです。

たぶん目が合ったら、アンケートでも勧誘でも何か話しかけられると思うんでしょうね。

こっちはただ写真を撮っているだけなんですが、そんなことは向こうには分かりません。

これを何度も見ていて思うんですが、人って「自分に何かしてきそうなもの」を、内容を細かく確認する前に避けることがあります。

考えてから避けるというより、先に「あ、関係ない」「面倒そう」と判断して、その後は見ない。

で、今日の話は広告です。

広告は「まず見てもらえない」から考える

広告を作ろうとすると、多くの場合は「商品の魅力をどう伝えるか」から考えます。

もちろん、それも大事です。

ただ、その前にもう一段階あります。

そもそも見てもらえるのか、という問題です。

広告を見るためにInstagramを開く人は、ほとんどいません。

ニュースサイトへ広告を見に行く人もいません。

検索広告でも、広告そのものを探しているわけではなく、自分の問題を解決してくれる情報やサービスを探しています。

つまり広告は、最初から相手の目的の中心にいるとは限らないんですね。

なので、魅力を説明する前に、

「この人はいま何をしているのか」

「どんな状態で、この広告を見るのか」

ここを考えた方がいいです。

そして、この状態が媒体によってかなり違います。

Google検索広告は「探している人」に出る

まず分かりやすいのが、Googleなどの検索広告です。

例えば「新宿 商品撮影」「浄水器 PFAS」「渋谷 美容室 縮毛矯正」みたいに、自分で言葉を入力して検索している人がいます。

この人は、すでに何らかの情報や解決策を探しています。

なので、この場面では広告が完全な邪魔者とは限りません。

むしろ、「自分が探しているものかもしれない候補」です。

だから検索広告では、変に面白いことを言うより、何を提供しているのかを分かりやすく返した方がいい場合が多いです。

「何かすごそう」ではなく、

「あ、自分が探していたのはこれだ」

と思ってもらう方が先です。

Instagram・Facebookは「探していない人」に割り込む

次がInstagramやFacebookなどのMeta広告です。

こちらは検索広告とはかなり状況が違います。

友達の投稿を見る。料理を見る。旅行の写真を見る。動画を見る。

その流れの途中に、広告が入ります。

つまり相手は、あなたの商品を探しているとは限りません。

しかもスマホでは、指がすでにスクロールしています。

これ、結構重要なんですよね。

検索広告は「止まって探している人」に答える場面ですが、SNS広告は「動いている人を一度止める」ところから始まります。

なので、いきなり、

「当店は創業20年。確かな技術と丁寧な接客で……」

と説明を始めても、その前に流されてしまうことがあります。

まず「これは自分に関係がありそう」と感じてもらう必要があります。

悩みだったり、意外な変化だったり、見た瞬間に意味が分かる写真だったり。

説明は、その後なんですね。

Yahoo!も、見る場所によって相手の状態が変わる

Yahoo!の場合は、検索広告もあれば、ニュースやコンテンツ面に表示される広告もあるので、一括りにはできません。

Yahoo!検索で何かを探している人なら、考え方はGoogle検索に近くなります。

一方で、Yahoo! JAPANのトップやニュースなどを見ている途中に表示される広告なら、相手はその商品を探しているとは限りません。

この場合は、SNS広告と同じように「まず興味を持ってもらう」という工程が必要です。

ただしInstagramを見ている時と、ニュースを読んでいる時では、人の気分も注意の向け方も違います。

同じ「探していない人」でも、どこで何をしている時に広告へ接触するのかまで考える必要があるんですね。

同じ広告を全部の媒体へ入れるとズレやすい

ここを考えずに広告を始めると、よく起きるのが「1個作って全部へ入れる」です。

Googleでも同じ。

Instagramでも同じ。

Yahoo!でも同じ。

写真も同じ。見出しも同じ。説明文も同じ。

管理する側としては楽なんですけど、相手の状態が違うので、どうしてもズレが出ます。

検索している人には、何の商品なのかをもっと具体的に言った方がいいかもしれない。

SNSでは、商品説明より先に「自分のことだ」と思ってもらう必要があるかもしれない。

ニュースを読んでいる人には、その文脈で違和感なく目に入る見せ方が必要かもしれない。

つまり商品は同じでも、入口の言葉は変わるんです。

検索広告では「欲しい答え」を返す

例えば、商品撮影を探している人が、

「Amazon 商品撮影 東京」

と検索したとします。

ここで、

「写真の力で、あなたの未来を変えます」

と言われても、少し遠いですよね。

それより、

「Amazon向け商品撮影|東京都内対応」

くらいの方が、「これだ」と判断しやすい。

検索広告では、相手がすでに頭の中で使っている言葉を、そのまま返すのがかなり重要です。

以前お話ししたYOUメッセージにも近いですね。

こちらが言いたいことより、相手が探していることを先に見せる。

SNS広告では「検索する前の悩み」を見つける

一方でSNSでは、まだ検索すらしていない人も対象になります。

例えば本人は「商品写真を頼もう」とまだ考えていない。

でも、

「広告を出しているのにクリックされない」

「商品の良さが伝わっていない気がする」

というモヤモヤは持っているかもしれません。

だったらSNS広告では「商品撮影します」と最初に言うより、

「良い商品なのに、写真で損していませんか?」

の方が止まる可能性があります。

つまり検索広告は「解決策の名前」から入れることが多い。

SNS広告は、その一歩前にある「悩み」や「違和感」から入ることが多い。

ここを分けて考えると、かなり作りやすくなります。

広告が効かないのではなく、入口が合っていないこともある

私が一番もったいないと思うのは、広告を少し出して反応が悪かった時に、

「やっぱり広告は効かない」

で終わってしまうことです。

もちろん、本当に商品や条件に問題がある場合もあります。

でも広告媒体と訴求が噛み合っていないだけのこともあります。

検索している人へ、ふわっとしたイメージ広告を出している。

SNSを眺めている人へ、いきなり長い商品説明をしている。

これで反応が悪くても、「商品が悪い」とはまだ言えないですよね。

入口が違えば、同じ商品でも反応は変わります。

広告は「時間を買う」ためにも使える

私は、少人数で仕事をしている人ほど、広告をうまく使えると楽になると思っています。

毎日SNSを更新する。毎日営業する。毎日新しい人とつながる。

全部自分でやれば、お金はあまりかからないかもしれません。

でも時間はかなり使います。

広告は、その代わりに費用を使って、一定数の人へ情報を届けてもらう方法です。

なので「広告費を使う」というより、「集客へ使っていた時間の一部を買い戻す」と考えることもできます。

もちろん、出せば自動的に売れるわけではありません。

だからこそ、媒体と相手の状態を合わせることが大事なんですね。

広告を作る前に2つだけ書いてみる

ということで、今日やってほしいことは2つです。

まず、

「自分の商品をすでに探している人は、検索窓に何と入れるか?」

を書いてください。

次に、

「まだ自分の商品を探していない人が、SNSを見ていて手を止めるとしたら、どんな悩みや写真に反応するか?」

を書きます。

この2つは、たぶん同じにはならないはずです。

検索している人と、検索すらしていない人では、頭の中にあるものが違いますからね。

商品は一つでも、入口は変える。

ここが分かるだけでも、広告の作り方はかなり変わると思います。

広告は、こちらが見せたいものを見せる作業ではありません。

相手がいま見られる状態に合わせて、入口を作る作業なんですよね。

それでは!

よくある質問

Google広告とInstagram広告で、同じ画像を使ってはいけませんか?

同じ画像が使える場合もあります。ただし、広告を見る人の状況が違うので、少なくとも見出しや訴求は見直した方がいいです。検索では探している答えが分かる表現、SNSではスクロール中でも自分に関係があると感じられる入口を優先します。

検索広告とSNS広告では、どちらから始めればいいですか?

商品やサービスによります。すでに検索されている商品なら検索広告から始めやすいです。一方で、まだ商品名やサービス名を知られておらず、悩みから知ってもらう必要がある場合はSNS広告が向くことがあります。まず「見込み客はすでに解決策を探しているのか」を確認すると判断しやすくなります。

広告が反応されない時は、何から見直せばいいですか?

まず、広告が表示されている相手の状態と訴求が合っているかを確認します。検索している人に抽象的すぎる表現をしていないか、SNSで長い説明から始めていないか、写真を見た瞬間に何の話か分かるかなどです。そのうえでクリック後のページや商品条件も確認します。

P.S.

広告写真が一瞬で意味を伝えられるか確認したいなら、簡単な方法があります。

写真をスマホに表示して、家族でもスタッフでもいいので、一瞬だけ見せて隠してください。

そして、「何の写真だった?」と聞きます。

ここで「えーと、何か色々写っていた」となるなら、主役が少し分かりにくい可能性があります。

反対に「ハンバーガー」「浄水器」「髪のビフォーアフター」というようにすぐ答えられるなら、最低限何を見せたい写真なのかは伝わっています。

広告写真では、画面の中に情報を入れれば入れるほど良いわけではありません。

主役を一つにする。背景の情報を整理する。必要なら主役へ少し寄る。

この3つだけでも、スクロール中に意味を理解してもらいやすくなります。

写真も広告文も、詳しく説明する前に「何の話なのか」が分かることが先なんですよね。

いわさきじゅん

1998年に広告制作会社で写真が始まり、アートイベント会社の広報として活動していました。まだあまりウェブマーケティングが普及していない2006年からSEO(検索エンジン対策)・リスティング広告(PPC広告)・LPO(ホームページ対策)・コピーライティングなど、サポートをしています。