いじめは、心だけでなく「脳の形」まで変えてしまう

どうも、岩崎です。

今日は「いじめが脳の“かたち”を変えてしまう」という、ものすごく深い研究の話をします。

正直、これを読んだとき、背筋がぞっとしました。

単に心の傷とか、ストレスの問題じゃないんですよね。

脳そのものが、時間をかけて変わっていく。

目に見えないところで、確実に痕跡を残していく。

そんな現実が、はっきりとMRI画像で示されました。

Bullying and Early Brain Development: A Longitudinal Structural Magnetic Resonance Imaging Study from Adolescence to Early Adulthood

この研究を発表したのは、アイルランド王立外科医学院を中心とした国際研究チーム。

欧州の「IMAGENプロジェクト」という、脳の発達を10年以上にわたって追跡している大規模研究のデータを元にしています。

対象は14歳〜22歳の若者2094人。

3回に分けてMRIを撮影し、脳の発達を観察しました。

 

その結果、いじめを長期的に経験していた子たちに、明らかな脳の変化が見られたのです。

具体的には、

  • 扁桃体、海馬、側坐核、尾状核、被殻などの“感情や動機づけに関わる部位”が肥大
  • 一方で、小脳、エントリナル皮質、島皮質といった“感覚・記憶の統合に関わる部位は萎縮傾向

つまり、一部は大きくなり、一部は痩せてしまうという、脳のバランスがゆがむような変化が起きていたんです。

これ、けっこう異例な話です。

 

さらに興味深いのは、男女で影響を受ける部位が違っていたということ。

  • 女性は「感情処理」の領域に大きな変化
  • 男性は「感覚・運動」の領域での変化が顕著

これ、ただの統計の話ではなくて、性別によって“何に傷つきやすいか”が脳にも反映されるということですよね。

そして、これは一時的な変化ではなくて、

青年期から成人初期にかけて、ずっと蓄積されていくものだという点が、ものすごく重たい。

 

じゃあ何が起きてるか?

研究チームは「脳の構造的なゆがみが、その後の情緒や行動面に影響を与えている可能性がある」と指摘しています。

  • 人を信じるのが怖い
  • 感情をうまく言語化できない
  • 周囲の刺激に過敏に反応する

これって、思春期をこえてから出てくるふるまいだけど、

実は、もっと前のいじめ経験がきっかけになってるのかもしれない

私はこの点が、いちばん深刻だと思っています。

 

子どものときに受けた継続的なストレスは、

後々のコミュニケーションにも、仕事にも、そして人生そのものにも影を落とす可能性がある。

それが、脳レベルで証明されはじめている。

これはもう、社会全体で捉え直さなきゃいけないことだと思います。

 

じゃあ、大人として何ができるのか?

たぶん、いじめ対策って「学校の問題」じゃなくて、

社会的なリテラシーとサポートの仕組みの話なんですよね。

今は電話相談、LINE相談、SNSでの通報も整備されてきてますし、

「声をあげる手段」は増えました。

でも、声をあげてもいいんだって思える環境をつくるのは、やっぱり大人の役目。

 

私も含めて、

「小さな違和感」に気づける側でいたいなと思います。

そして、この記事を読んでくれたあなたが、

次に誰かの話を聞くときに、

その背景にあるかもしれない“脳の変化”を、ほんの少しでも思い出してくれたら嬉しいです。

 

P.S.

脳の中で、黙って傷ついている部位がある。

そう考えると、「時間がたてば忘れるよ」は、もう通用しませんね。

できる大人から、まず変わっていきましょう。


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いわさきじゅん

1998年に広告制作会社で写真が始まり、アートイベント会社の広報として活動していました。まだあまりウェブマーケティングが普及していない2006年からSEO(検索エンジン対策)・リスティング広告(PPC広告)・LPO(ホームページ対策)・コピーライティングなど、サポートをしています。