この記事の要点
- Amazon AdsとChatGPT Adsの連携は、現時点では米国の一部広告主向けで、日本国内向けの施策ではありません。
- ただし、顧客理解の単位が「検索キーワード」から「質問文・会話文脈」へ広がるという変化は、日本の広告やLP改善にも応用できます。
- 問い合わせ・レビュー・検索語句を「顧客がAIへ聞きそうな質問文」に変えると、不安・比較軸・購入条件が見えやすくなります。
どうも岩崎です。
今日は最初に、大事な前提からです。
2026年9月10日、Amazon AdsはOpenAIとの提携を発表して、Amazon AdsのキャンペーンをChatGPT上の会話型広告へ広げるパイロットを開始しました。
ただし、これは現時点では米国の一部広告主向けの話です。日本国内の広告主が、今すぐ同じ仕組みを使えるという話ではありません。
なので今日は「日本でもChatGPT広告が始まりましたよー」という話ではないです。
私が気になったのは、もっと手前の変化なんですね。
海外で広告の接点が会話型AIへ広がり始めたことで、顧客の購買意図を「キーワード」だけで見る時代から、「質問文」まで見る時代へ少しずつ変わっている。
ここは、日本の小規模事業でも今から考えておいて損はないと思います。
米国では「AIとの会話」の中にも広告が入り始めている
Amazon AdsとOpenAIの今回の取り組みでは、Amazon Adsを利用する一部の米国広告主がChatGPT Adsへキャンペーンを広げるパイロットに参加しています。
その直前の8月31日には、OpenAIがChatGPT Adsの年換算収益ランレートが10億ドルに達し、数万社の広告主が利用していると発表しました。ChatGPT自体も週間アクティブユーザー10億人超の規模となり、広告の展開地域も広がっています。
つまり海外では、検索結果やSNSのタイムラインだけではなく、AIとの会話そのものが広告接点になり始めているわけですね。
ただ、ここで「じゃあ日本でもChatGPT Adsを出そう」と考える必要はありません。今回の話で見るべきなのは、媒体ではなく顧客がどんな言葉で商品を探し始めているかだと思います。
これまで広告では「単語」から顧客の意図を推測してきた
例えばGoogle広告だったら検索語句を見ますよね。
「浄水器」「浄水器 PFAS」「浄水器 おすすめ」みたいな検索語句を見て、この人は何を探しているのかを考える。
Meta広告なら興味関心や行動データ、ECなら閲覧履歴や購入履歴なども使います。
つまりこれまでは、いろいろな断片的な行動から顧客の意図を推測することが多かったわけです。
でも会話型AIだと、ちょっと事情が変わります。
AIへの質問には「なぜ欲しいのか」まで入りやすい
例えば「浄水器」という検索語句だけだったら、浄水器を探していることしか分かりません。
でも、その裏にはいろいろな事情があるはずです。
- 価格を一番気にしている
- PFASが心配
- 赤ちゃんの飲み水に使いたい
- 賃貸なので工事できない
- カートリッジ交換費用が気になる
「浄水器」という一語から、ここまで正確に読み取るのは難しいですよね。
ところがAIへ相談する時は、例えばこうなります。
「東京都でPFASが心配ですが、賃貸でも使えて、交換費用が高くない浄水器はありますか?」
これなら、一文の中にかなりの情報があります。
- 地域=東京都
- 不安=PFAS
- 住環境=賃貸
- 比較軸=交換費用
つまり質問文になると、単なる商品カテゴリだけではなく、「何に困っていて、何が条件なら選ぶのか」まで見えやすくなるんですね。
日本では「広告媒体」ではなく「顧客理解」に先に使えばいい
ここが今日一番伝えたいところです。
今回のAmazon AdsとChatGPTの連携は日本向けではありません。でも、「顧客がAIへ相談する時のような質問文で考える」という方法は、日本でも今日から使えます。
別にChatGPT Adsへ広告を出さなくてもいいんですね。
Google広告の検索語句、Amazonや楽天のレビュー、問い合わせメール、LINEで届く質問などを見て、「この人がAIに相談するとしたら、どう聞くんだろう?」と文章にしてみる。
そうすると、今まで単語だけでは見えていなかったものが出てきます。
- 何を不安に思っているか
- 何と比較しているか
- どんな制約があるか
- 何が分かれば購入できるか
これなら日本のGoogle広告でもMeta広告でも、LPでも商品ページでも使えます。
これを意識すると、広告・写真・LPを1本の話にできる
例えば、顧客の質問が「賃貸でも使えて、PFASに対応していて、維持費が高くない浄水器は?」だと分かったとします。
そうすると、広告で何を言うかもかなり具体的になりますよね。
- 広告文では賃貸でも使えることを伝える
- 写真では設置方法やサイズ感を見せる
- LPではPFASに関する検査結果を説明する
- 商品ページでは交換時期と年間コストを分かりやすくする
広告、写真、LPを別々に作るのではなく、ひとりの顧客が持っている質問に、全部で答える形になります。
私はこの方が自然だと思うんですね。
知らないままだと「ターゲットは合っているのに売れない」が起きる
逆に、キーワードだけで顧客を理解したつもりになると、こんなズレが起こります。
例えば「浄水器を探している人」にはちゃんと広告が届いている。でもその人が本当に知りたいのは「賃貸でも使えるか」なのに、広告では除去性能しか話していない。
つまり商品カテゴリとしては合っている。でも、相手がいま解決したい問いに答えていないんですね。
そうすると、
- ターゲットは大きく外していない
- 商品も悪くない
- 広告費も使っている
- でも反応が弱い
という状態になります。
ニーズは合っているけど、質問に答えていない。
ここはけっこう見落としやすいと思います。
検索キーワードが不要になるわけではない
もちろん、検索キーワードが古くなったとか、もう要らないという話ではありません。
検索語句は今でも重要です。日本国内でGoogle広告を運用するなら、実際にどういう言葉で検索されているかを見ることは普通に必要です。
今回の話は、それを捨てるのではなく、検索語句を入口にして、その向こう側にある質問まで考えるということです。
「浄水器 PFAS」という検索語句を見つけたら、そこで止まらず、
「この人は何を心配していて、何と比較して、何が分かれば買えるんだろう?」
まで考えてみる。
海外で会話型広告が始まったからこそ、日本ではまずこの考え方を先に取り入れればいいと思います。
今日の実務調整は「10件を質問文にする」だけ
ということで、今日は直近の問い合わせ、レビュー、検索語句から10件だけ選んでください。
そして、そのまま単語として分析するのではなく、「この人がAIへ相談するとしたら、どんな質問文になるだろう?」と文章に変えてみます。
例えば、
検索語句:浄水器 PFAS
だったら、
「PFASが心配なのですが、家庭用浄水器を選ぶ時は何を確認すればいいですか?」
くらいまで広げてみる。
10問作ったら、見るのは3つです。
- 共通している不安は何か
- 何と比較しているか
- 何が分かれば購入を決められそうか
今日はChatGPT Adsへ出稿する必要はありません。そもそも今回のAmazon Ads連携は、まだ日本国内向けではありません。
でも、海外で広告の形が変わり始めているなら、私たちは先に「キーワードではなく、質問文で顧客を見る」癖を作っておく。
ここからで十分だと思います。
それでは!
よくある質問
-
Amazon AdsとChatGPTの連携は日本でも利用できますか?
-
今回発表されたパイロットは、現時点では米国の一部広告主向けです。日本国内の広告主が同じ仕組みを利用できるという発表ではありません。
-
日本の事業者にも関係がありますか?
-
広告サービス自体は現時点で直接の対象ではありませんが、「顧客がAIへどんな質問をするか」という視点は、日本のGoogle広告、Meta広告、EC、LP改善にも応用できます。
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質問文で顧客を見るには何から始めればいいですか?
-
直近の問い合わせ、レビュー、検索語句から10件だけ選び、「この顧客がAIへ相談するならどう質問するか」を文章にしてみてください。その10問から共通する不安、比較軸、購入条件を探します。
参考情報
P.S.
海外の新しい広告機能を、そのまま日本へ当てはめる必要はありません。でも「その変化から何を先に学べるか?」を見ると、今すぐ使えるヒントはけっこうあります。
