どうも岩崎です。
先日、打ち合わせのあとにクライアントさんから「岩崎さん、今日いつもより優しかったですね」と言われました。
いや、最初から優しかったですよ?
でも思い返してみると、最後にちょっと笑い話をして終わったんですよね。つまり「最後の印象」が優しかっただけで、最初の厳しい話は全部チャラになったわけです。
ありがたいけど、ちょっと納得いかない(笑)。
けどこれがまさにクライマックス法。 人は最後の数秒で、全体の印象を塗り替えるんです。

人は「最後の感情」で全部を判断する
心理学ではピーク・エンドの法則といいます。 一番強い感情の瞬間(ピーク)と最後(エンド)が、その出来事の全体評価を決める。
たとえば、美容室。 カット中にちょっと雑でも、最後に丁寧に見送られたら「また行きたい」と思う。 接客でも広告でも、最後の3秒が強く残る印象です。
人は情報ではなく「余韻」で動く
LPや広告も同じです。 最後まで必死で説得しようとするより、ふっと心に余白を残す方が強い。 「次に何をするか」は情報で決まらない。「どう感じたか」で決まる。
たとえば、最後に「今すぐ購入!」ではなく 「あなたならどう使いますか?」と問いを置く。 その一行で行動率が上がるのは、終わり方の心理が働いているからです。
ビジュアルも、最後の一枚で記憶される
動画広告やスライドでも、 最後のカットが雑だと、どんなに中身が良くても印象が霞みます。 逆に、静かな一枚や間を取った終わり方の方が、心に残る。 これは視覚のクライマックス効果です。
特にブランドムービーでは、最後のロゴを出すタイミングで印象が決まる。 早すぎても押しつけになるし、遅すぎても薄れる。 最後の2秒で信頼の温度を届けるのが大事なんです。
終わり方は「信頼のデザイン」
ブランドにとってのクライマックスは、感動ではなく信頼の余韻です。 だから、LPやプレゼンのラストも「すごいでしょ?」ではなく「また話したい」と思われる終わり方が理想。
人は、完璧な説明よりも「この人、誠実だったな」という感情で記憶します。 それを残せたら、もう勝ちです。
強いブランドほど、去り際が静か
本当に印象的なブランドって、最後が静かなんですよね。 バン!と売り込むより、スッとフェードアウトする方が信頼される。 その静けさが「このブランドは本物だな」と感じさせる。
広告もプレゼンも人間関係も同じ。 最後の一言に余裕がある人やブランドは、次にまた呼ばれます。
クライマックス法の本質は「続きが見たくなる終わり方」
人は完結よりも続きに惹かれます。
だから、強いコピーやビジュアルほど、すべてを言い切らない。 少しだけ想像を残して終わる。 そのもやっとした余白が、心の中で再生され続けるんです。
つまり、クライマックス法とは終わりではなく始まりをデザインする技術なんです。
P.S.
打ち合わせで「最後に何か質問ありますか?」って聞くの、 実はあんまり良くないんですよ。代わりに「今日の話で、一番印象に残ったのはどこでした?」って聞くと、 ほとんどの人が笑顔で帰ってくれます。それがまさにクライマックス法。終わり方で、すべてが変わるんですよね。
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