この記事の要点
- 相手の話を途中でまとめると、「理解された」ではなく「話を切られた」と感じさせることがあります。
- 会話では、自分の答えを考えるより先に、相手が何を伝えようとしているのか最後まで受け取ることが大切です。
- 仕事では「つまり○○ですよね」と断定するより、「○○という理解で合っていますか?」と確認する方が認識のズレを減らせます。
どうも岩崎です。
今日は「会話のキャッチボール」の話です。
話していて、なんとなく「この人とは話しづらいな」と感じる人っていますよね。
別に乱暴な言葉を使っているわけでもない。怒っているわけでもない。それなのに、なぜか話していると疲れる。
こういう時って、会話の途中で勝手に結論を出されていることが結構あると思うんです。
こちらがまだ話しているのに、「あー、要するに○○ってことでしょ」とまとめられる。「それはね」と、すぐ自分の話が始まる。「本当はこう思ってるんじゃない?」と、こちらの気持ちまで勝手に決められる。
言っている本人は、たぶん悪気がないんですよね。むしろ「話を理解してあげよう」としている場合もあります。
でも言われた側からすると、「いや、まだ話終わってないんだけど」となる。
これが何度も続くと、だんだん話す気がなくなってきます。
「要するに」は便利だけど、使う順番が大事
「要するに○○ですよね」という言葉自体が悪いわけではありません。
仕事では、相手の話を整理して確認することは大事です。むしろ認識のズレを防ぐためには必要ですよね。
問題は、いつ言うかです。
相手がまだ説明している途中なのに、「つまりこうですね」と結論を出してしまう。
これをやると、こちらとしては要約したつもりでも、相手には「話を終わらされた」と受け取られることがあります。
同じ「つまり○○ですね」でも、相手が全部話し終わったあとなら意味が違います。
最後まで聞いてから、「私の理解では○○ということなんですが、合っていますか?」と確認する。
これなら相手も、「そうそう」と言えるし、「いや、そこが少し違う」と修正できます。
結論そのものより、この順番が大事なんですよね。
会話は「答えること」より「受け取ること」が先
コミュニケーションって、よくキャッチボールに例えられます。
相手がボールを投げる。こちらが受け取る。それからこちらが投げ返す。
当たり前の話なんですが、会話になると、これが意外とできなくなります。
相手が話している最中から、「次に何を言おうかな」と考えてしまうんですね。
すると、相手の話を聞いているようで、実際には自分が話す順番を待っているだけになってしまいます。
ボールを受け取る前から、次のボールを投げようとしているような状態です。
これだとキャッチボールにならないですよね。
「分かったつもり」が一番危ない
特に仕事では、「分かったつもり」が怖いです。
相手が説明している途中で、「あー、分かりました。こういうことですね」と自分の中で話を完成させてしまう。
でも、本当に相手が伝えたかったことは、その後に出てくるかもしれません。
例えばクライアントが、「もっと高級感のある写真にしたいんです」と言ったとします。
そこでこちらがすぐに、「じゃあ背景を黒くして、光を強めにしましょう」と決めてしまう。
でも相手が言う高級感って、本当は黒い背景のことではなく、「安売りの商品に見せたくない」という意味かもしれません。
ここを聞かずに、自分の知っている「高級感」で勝手に完成させると、写真は作れても目的からズレます。
だから私は、相手が使った言葉そのものより、「その言葉で何を伝えようとしているんだろう」と考えることが大事だと思っています。
撮影の打ち合わせで、途中でまとめて失敗した
私も撮影の打ち合わせで、これをやって失敗したことがあります。
クライアントが撮りたい写真について話している途中で、私は「なるほど。要するにこういうイメージですよね」とまとめました。
自分では「ちゃんと理解していますよ」という意味で言ったつもりだったんです。
でも、その瞬間に相手の表情が少し曇ったんですね。
まだ話したかったんです。
こちらとしては理解を示したつもり。でも相手からすれば、「もう分かったから話さなくていい」と言われたように感じたのかもしれません。
それ以来、なるべく相手が話し終わるまで結論を出さないようにしています。
最後まで聞く。そのあとに、「私の理解ではこういうことですが、合っていますか?」と確認する。
同じ内容をまとめるにしても、この順番だけで会話はずいぶん変わります。
仕事ができる人ほど、すぐ答えたくなる
これ、知識や経験がある人ほど注意した方がいいと思っています。
経験があると、相手が少し話しただけで、「あー、それならこうすればいい」と答えが見えてしまうんですよね。
相談されることが多い人なら、過去にも似たようなケースを何度も見ています。
だから、つい先回りして答えたくなる。
でも相手は、正解だけを欲しがっているとは限りません。
「まず自分の状況を分かってほしい」と思っていることもあります。
ここを飛ばして正論を出すと、内容は正しくても「なんかこの人とは話しづらい」となります。
正しいことを言っているのに信頼されない人って、もしかするとここで損しているのかもしれません。
相手の話を奪う4つのパターン
会話で気をつけたいのは、例えばこんな時です。
- 相手が話し終わる前に「要するに○○でしょ」とまとめる
- 「それ知ってる」と言って、自分の知識の話へ変える
- 「私の場合はね」と、すぐ自分の経験談へ持っていく
- 「本当は○○なんでしょ」と、相手の気持ちまで決める
どれも一回やったから人間関係が壊れるという話ではありません。
私だって普通にやりますw
ただ、これが毎回になると、相手は「この人に話しても結局この人の話になる」と思うようになります。
そうなると、だんだん本音を話してもらえなくなります。
「聞く」は黙っていればいいわけではない
じゃあ相手が話している間、ずっと黙っていればいいのかというと、それも違います。
無表情でずっと黙っていたら、「本当に聞いてる?」となりますからね。
相づちを打つ。「なるほど」「それでどうなったんですか?」と返す。分からなければ質問する。
つまり、相手が投げたボールをちゃんと受け取ったことを返すんです。
ここでも前回のレスポンスの話と同じですよね。
相手は、自分が投げたものが届いたのか分からないと不安になります。
会話も同じで、「ちゃんと受け取っていますよ」という反応があるから、安心して次の話ができます。
「つまり」ではなく「合っていますか?」まで付ける
私は仕事の打ち合わせでは、要約そのものをやめる必要はないと思っています。
むしろ最後に要約して、お互いの認識を合わせることは大事です。
ただ、
「要するに○○ですね」
で終わらせず、
「私の理解では○○ということなんですが、合っていますか?」
まで聞く。
たったこれだけで、自分の結論ではなく、相手と一緒に認識を作る会話になります。
「違います」と言える余地をちゃんと残しておくんですね。
聞く力は、相手の中にあるものを引き出す力
これって写真にもすごく似ています。
私が人物を撮る時に、こちらのイメージを押しつければ、写真そのものは作れます。
「ここに立ってください」「こういう顔をしてください」「こういうポーズをしてください」と全部こちらで決めればいい。
でも、それだと私の頭の中にあったものしか写真になりません。
相手の話を聞いて、その人が何を大事にしているのか、どんな人なのかを知ると、自分では最初に考えていなかった写真が見えてくることがあります。
私は写真家って、目に見えないものを実体化する仕事だと思っています。
だったら、その目に見えないものを知るためには、まず聞かなきゃいけないんですよね。
カメラを向ける前に、相手の中に何があるのかを受け取る。
だから「聞く力」って、撮る力とかなり近いところにあると思っています。
自分の答えを出す前に、相手の話を終わらせる
ということで、会話が苦手だと感じているなら、面白い話をしようとしなくてもいいと思います。
気の利いたことを言わなくてもいい。
まず相手の話を最後まで受け取る。
それから自分のボールを返す。
これだけでも、かなり会話は変わります。
特に「要するに○○ですよね」と言いたくなった時は、一回だけ待ってみてください。
相手がもう一言話すかもしれません。
その最後の一言に、本当に伝えたかったことが入っているかもしれませんから。
話す力より、まず受け取る力。
会話のキャッチボールは、ボールを投げるところではなく、受け取るところから始まるんだと思います。
それでは!
よくある質問
-
相手の話を要約するのは良くないのでしょうか?
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要約そのものが悪いわけではありません。仕事では認識を合わせるために役立ちます。ただし相手が話している途中で結論を出すのではなく、最後まで聞いてから「私の理解では○○ですが、合っていますか?」と確認する方が、相手も修正しやすくなります。
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人の話を最後まで聞くには、どうすればいいですか?
-
相手が話している間に自分の答えを完成させないことです。「次に何を言おう」ではなく、「この人は何を伝えようとしているんだろう」と考えながら聞きます。結論や提案は、相手が話し終わってからでも遅くありません。
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仕事の打ち合わせでは、聞くだけより提案した方がいいのではありませんか?
-
もちろん提案も必要です。ただ、相手が何を求めているのかを十分に理解する前に提案すると、的外れになる可能性があります。まず聞く、認識を確認する、そのうえで提案する。この順番にすると、提案そのものも相手に合わせやすくなります。
P.S.
撮影の打ち合わせって、こちらが良いアイデアを出す場だと思われがちですが、その前に相手の頭の中にあるものを引き出す場なんですよね。こちらが話しすぎると、結局こちらが最初から知っていた写真しか作れません。相手の話をちゃんと聞くと、自分では思いつかなかった答えが出てくる。だから私は、聞くことも撮影技術の一つだと思っています。
