この記事の要点
- ホームページやSNSごとに印象が違うと、接触回数が増えても同じ人として覚えてもらいにくくなります。
- 一貫性を作るなら「誰に何を伝えるか」「言葉づかい」「写真の見せ方」の3つを先に決めます。
- 毎回その場で考えるのではなく、撮影場所や文章のトーンまでルール化すると、担当者が変わっても揃いやすくなります。
どうも岩崎です。
あるお店のInstagramを見せてもらった時、思わず聞いてしまったことがあります。
「これ、全部同じお店ですか?」
別にいじわるで言ったわけじゃなくて、本当に分からなかったんですね。
1枚目は電球の下で撮ったオレンジっぽい写真。2枚目は蛍光灯の下で撮った青白い写真。3枚目はフラッシュを使って影がくっきり出ている写真。
同じ商品を撮っているのに、3軒の別のお店に見えました。
これって、撮影が下手という話ではないんです。
1枚ずつ単体で見れば、そこまで悪くありません。
問題は、撮るたびに条件が変わっていることです。
なので私がお店の撮影に入る時は、その店用の「撮り方」を先に決めてしまうことがあります。
この場所で撮る。このくらいの時間帯で撮る。光はこの方向から入れる。背景はここまで入れる。
最初に決めて共有しておけば、次からスタッフさんがスマホで撮っても、だいたい同じ雰囲気に揃います。
センスのある人が毎回頑張るんじゃなくて、頑張らなくても揃う仕組みにしておくんですね。
で、今日の話は写真だけじゃありません。
発信する場所ごとに「別人」になっていませんか
ホームページは、ものすごく丁寧でかしこまった文章。
Instagramは、やたらテンションが高い。
チラシを見ると、値引きの数字がドーンと出ている。
LINEになると、急にそっけない業務連絡になる。
こういうことって、結構あります。
ひとつひとつを見れば間違ってはいないんですよ。
ホームページだから丁寧に書く。SNSだから少しくだける。チラシだから目立たせる。
媒体によって見せ方が変わるのは普通です。
ただ、全部見た時に「同じ人がやっている」と感じられる範囲には収めておいた方がいいと思っています。
そこが崩れると、接触するたびに印象がリセットされるからです。
信頼には「この人ならこうする」が必要です
私が仕事をする中で感じているのは、信頼には「ある程度の予測ができること」が大事だということです。
この人にお願いしたら、こういう対応をしてくれそう。
この店なら、こういう商品を出してきそう。
何かあっても、たぶんこう対応してくれるだろう。
そういう予想ができるから、人は安心して問い合わせたり、お金を払ったりできます。
反対に、見る場所によって印象が毎回違うと、どれが本当なのか分からなくなります。
高級感のあるホームページを見て問い合わせたのに、Instagramでは安売りばかりしていたら、「あれ、思っていたのと違う」となりますよね。
その違和感って、小さいようで結構大きいんです。
発信しているのに積み上がらない理由
これが地味にもったいないところなんですが、一貫していないと発信量を増やしても、印象が積み上がりにくくなります。
本来なら、何度か見かけるうちに、
「あ、この人また見た」
「この人って、こういうことをする人だよね」
と徐々に覚えてもらえます。
ところが、毎回写真も言葉もテーマもまったく違うと、前回見た印象とつながりません。
毎日投稿しているのに、「誰だったっけ?」の状態が続いてしまうんですね。
逆に揃っていれば、一回の発信自体は小さくても、同じ印象が少しずつ重なっていきます。
半年、1年と続けていると、「あの人といえば○○」という状態が作られてきます。
私は、発信ってこの積み重ねがかなり大事だと思っています。
まず揃えるのは3つだけでいい
では、具体的に何を揃えるのか。
私は、まず3つでいいと思っています。
- 誰に、何を提供するのか
- どんな言葉づかいで伝えるのか
- どんな見た目で見せるのか
一つずつ見ていきます。
1.誰に、何を提供するのか
ここが一番大事です。
昨日は「初心者向け」と言っていたのに、今日はプロ向けの話をする。先週は高品質を売っていたのに、今週は安さを売る。
これだと、言葉や写真だけ揃えても意味がありません。
まず、
「誰の、どんな困りごとを解決するのか」
ここを一本決めておきます。
別に、それ以外のお客さんを断るという意味ではありません。
発信の中心をどこに置くかを決めるということです。
前にも書きましたが、全部に向けて話そうとすると、結局誰にも強く届かなくなりますからね。
2.言葉づかいを揃える
次が言葉です。
丁寧に話すのか。少しくだけるのか。専門用語をどのくらい使うのか。文章のテンションはどのくらいなのか。
これも媒体ごとにまったく同じにする必要はありません。
ホームページとSNSでは、当然少し変わります。
でも「同じ人が話している」と思える範囲にしておく。
例えば普段ものすごく穏やかな文章を書いている人が、キャンペーンになると突然、
「今すぐ申し込まないと損です!!!」
みたいになったら、ちょっと怖いですよねw
売る場面でも、その人らしい言葉の範囲を保つことが大事です。
3.写真のトーンを揃える
そして3つ目が見た目です。
写真の明るさ、光の方向、背景、色味。
ここが揃うと、文章を読む前でも「あ、このお店だ」と分かるようになります。
これはロゴを大きく入れるという話ではありません。
写真そのものに、その店らしい癖を作るんです。
明るく自然な写真を使う店なら、毎回その方向へ寄せる。暗めで重厚感を出すなら、それを崩さない。
写真を見ただけで誰の投稿か分かるようになってくると、かなり強いです。
一貫性は、意志ではなくルールで作る
ここが今日一番伝えたいところです。
一貫性って、根性で維持するものじゃないんですよね。
毎回、
「今日はどんな感じで書こうかな」
「今日はどこで撮ろうかな」
「今日はどんな色にしようかな」
とゼロから考えていたら、その日の気分で変わって当然です。
なので先に決めておきます。
撮影場所はここ。
写真はこのくらいの明るさ。
文章はこの口調。
誰に向けて話すかはこの人。
書き出しもある程度決めておいていいです。
一度決めたら、そのたびに判断しなくて済みます。
毎回の判断を減らすから、結果として揃うんですね。
誰が担当しても揃う状態を作る
この考え方は、スタッフがいるお店だとさらに重要です。
店長が撮る日はきれい。でも別のスタッフが撮ると色も構図も全然違う。
これだと担当者によって発信の雰囲気が変わってしまいます。
なので「センス良く撮ってください」ではなく、
「この場所に商品を置いて、この時間帯に、この方向から撮ってください」
まで決めます。
文章も同じです。
「親しみやすく書いてください」では、人によって解釈が違います。
それより、
「敬語を基本にする」「専門用語には説明を入れる」「過剰な煽り表現は使わない」
というように、実際の行動まで落とした方が揃います。
つまり、人を教育するというより、迷わない状態を作っておくんですね。
AIを使う時ほど、決めごとが効いてくる
これ、今はAIを使う時にもかなり重要です。
AIに「Instagramの投稿を書いて」とだけ頼めば、そのたびに違う雰囲気の文章が出てきます。
でも、誰向けなのか、どんな口調なのか、使わない表現は何か、どういう価値を中心にするのかを先に決めておけば、かなり揃いやすくなります。
以前書いたCLAUDE.mdやプロンプトの型の話も、結局ここにつながっています。
毎回指示するのではなく、毎回守ってほしいものは先にルールとして置いておく。
人でもAIでも、同じです。
全部を一度に揃えようとしない
ただ、ここでホームページも全部直して、Instagramも全部作り直して、チラシもLINEも揃えようとすると、大抵止まります。
やることが大きすぎるんですよね。
なので今日は、3つ全部やらなくていいです。
「誰に何を伝えるか」
「言葉づかい」
「写真の見せ方」
このうち一つだけ決めます。
20点でも決まっていれば、毎回ゼロから考える状態よりずっと揃います。
まず紙1枚に書いてみてください
ということで、今日やってほしいことはかなり地味です。
紙を1枚出して、まずこれを書いてください。
「うちは、誰の、どんな困りごとを解決する店なのか」
そして、その下に写真を撮る場所と、だいたいの時間帯を書いておきます。
例えば、
「撮影場所:入口右側の窓際」
「撮影時間:午前10時〜11時」
これだけでも構いません。
その紙を、レジの裏でもパソコンの横でもいいので、発信する時に目に入る場所へ置いておきます。
そして次に何か投稿する時は、その紙を一度見てから作る。
派手な話ではないですが、こういう小さな決めごとの方が、半年後には効いてくるんですよね。
毎回頑張って揃えるのではなく、揃ってしまう状態を先に作る。
私は、その方がずっと続きやすいと思っています。
それでは!
よくある質問
-
ホームページとSNSで、まったく同じ表現にしないといけませんか?
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まったく同じにする必要はありません。ホームページは詳しく、SNSは少しくだけるなど、媒体に合わせた調整は必要です。ただし「誰に何を提供しているのか」「どんな考え方の人なのか」という中心部分は揃えておくと、別の媒体を見ても同じ人として認識されやすくなります。
-
写真の雰囲気を揃えるには、何から決めればいいですか?
-
まず撮影場所と光を固定するのが簡単です。「この窓際で、午前中に撮る」というように場所と時間を決めるだけでも、毎回の明るさや色味が揃いやすくなります。その後に背景や構図などを少しずつ決めていけば十分です。
-
途中で方向性を変えたくなった場合はどうすればいいですか?
-
変えても問題ありません。一貫性は「一度決めたら一生変えない」という意味ではなく、一定期間は同じ方針で伝えるということです。お客さんやサービスが変わったならルールも更新し、その後の発信を新しい方針へ揃えていけば大丈夫です。
P.S.
スマホ1台でも、撮影場所を固定すると写真はかなり揃います。
まず店内で、自然光が入りやすい場所を1か所だけ決めてください。窓に近すぎる必要はなく、窓から1〜2歩くらい離れた場所から試せば十分です。
次に、なるべく同じ時間帯に撮ります。自然光は時間によって向きや色が変わるので、「午前中に撮る」くらいでも決めておくと揃いやすくなります。
窓の光は、真正面から当てるだけでなく、横や斜め前から入る位置も試してみてください。被写体の立体感を残しながら、片側が暗すぎる時は反対側に白いボードや紙を置くと光を少し戻せます。
室内照明と自然光を混ぜると、光源によって色味が揃いにくくなる場合があります。自然光だけで十分な明るさが取れるなら、室内照明を消した方が管理しやすいこともあります。
場所、時間、光の方向。この3つだけでも先に決めておいてください。
写真が得意な人を毎回探すより、誰が撮ってもそこそこ同じ写真になる状態を作る。その方が、お店の発信には使いやすいんですよね。
センスより、まずセットです。
