この記事の要点
- お客さんに聞かれてから答えるより、聞かれる前に必要な情報を見せておく方が不安を減らしやすくなります。
- 何度も聞かれる質問は、他のお客さんも同じ場所で迷っている可能性を示す重要な情報です。
- 最近聞かれた質問を3つ書き出し、そのうち1つを「聞かれる前に目に入る場所」へ移してみましょう。
どうも岩崎です。
子どもの撮影をしたことがある人なら、たぶん一度は経験があると思います。
「あ、いい顔で笑った」と思ってシャッターを押す。でも撮れた写真を見ると、もう真顔なんですよ。
何度やっても同じ。こちらが「あ、笑った」と気づいて、それから指を動かしている間にも、相手の表情は次へ変わっています。だから、見てから押したのでは間に合わないことがあるんですね。
じゃあどうするかというと、笑った瞬間だけを見るのではなく、その前から見ておきます。
この人、そろそろ笑いそうだな。ここで手を伸ばしそうだな。そういう次の動きを予測しながら撮るんですね。
で、この予測って、勘だけでやっているわけじゃありません。
観察です。
撮り始める前からその人を見ていると、笑う前に少し表情が変わるとか、話しかけると一度目線を落としてから顔を上げるとか、その人なりの動きが少しずつ見えてきます。
それを先に見ているから、次に起きそうなことへ少し早く準備できる。
で、今日の話は商売です。
お客さんに言われてから動くと、少し遅い
商売でも、似たようなことが起きています。
- 「これ、できますか?」と聞かれてから説明する
- 不満を言われてから改善する
- 他店へ移られてから「あれ?」と気づく
- 予約が減ってから慌てて原因を探す
対応すること自体は間違っていません。でも、もう少し前に気づけていたら、そもそも問題にならなかったこともあります。
例えば初めてのお客さんから、「駐車場ってありますか?」と聞かれたとします。
「はい、ありますよ」と答えれば、その人は安心します。
でもホームページを見た時点で「無料駐車場3台」と書いてあったら、そもそも質問する必要がありません。
やっていることは同じです。駐車場があるという事実を伝えているだけ。でも、伝える順番が違うんですよね。
言われる前にあると「分かってくれている」に変わる
私は、この順番ってけっこう大事だと思っています。
言われてからやると「対応してくれた」になります。
でも、言う前から用意されていると「分かってくれている」と感じてもらえることがあります。
例えば予約ページに、こんな情報が最初から書いてある。
- 初めてでも利用できるか
- 料金はいくらか
- 所要時間はどのくらいか
- 何を持っていけばいいか
- キャンセル時はどうなるか
お客さんが聞こうと思っていたことが、聞く前から分かるわけです。
これって派手ではないんですけど、安心しますよね。逆に何も書いていなければ、お客さん側が一つずつ確認しなきゃいけません。
質問してくれた人しか、こちらには見えていない
で、ここで大事なのが、実際に質問してくれた人しかこちらには見えないということです。
「駐車場ありますか?」と聞いてくれた人は、その疑問をわざわざ解消しようとしてくれた人です。
でも同じ疑問を持った人全員が、問い合わせてくれるとは限りません。
- 「駐車場があるか分からないから、別のところにしよう」
- 「初めてでも大丈夫か分からないから、やめておこう」
- 「何分かかるか分からないから、今日は予約できないな」
こうやって、何も言わずにページを閉じる人もいます。
この人たちは問い合わせとして記録されないので、こちらからは見えません。だから同じ質問を何度か受けたら、その人だけの疑問ではなく、他にも同じところで迷っている人がいるかもしれないと考えた方がいいんですね。
質問って、単なる質問じゃないんですよ。
お客さんが一度止まった場所を教えてくれているんです。
よくある質問は「離脱の理由」を探すヒントになる
FAQって、ホームページの最後にとりあえず置くものだと思われがちです。
でも私は、それだけじゃもったいないと思っています。
何度も同じ質問をされるなら、お客さんが行動する直前で、そこに引っかかっている可能性があるからです。
- 「追加料金はありますか?」→ 料金表示に不安が残っているかもしれない
- 「初めてでも大丈夫ですか?」→ 初めての人向けだと伝わっていないかもしれない
- 「どのくらい時間がかかりますか?」→ 予約後の予定が立てにくいのかもしれない
だったらFAQの一番下に答えを書くだけではなく、その人が迷う場所より少し前に答えを置いてしまえばいいんですよね。
- 料金の不安なら、料金ページや料金表の近く
- 初めての不安なら、予約ボタンやサービス説明の近く
- 所要時間なら、メニューや予約枠の近く
- 場所の不安なら、アクセスページや予約確認メール
質問されてから答えるのではなく、質問が生まれる場所に先に答えを置くわけです。
先読みは「勘」ではなく、記録からできる
じゃあ、お客さんが次に何を気にするのか、どうやって予測するのか。
これも写真と同じで、特殊な勘が必要なわけではありません。観察して、残しておけばいいんです。
例えば、こんなものを記録しておきます。
- 何度も聞かれる質問
- 予約前によく確認されること
- 同じ時期になると増える相談
- 会計時によく聞かれること
- 季節ごとに繰り返される質問
こういうものを残しておくと、少しずつパターンが見えてきます。
逆に記録していないと、その場では「はい、大丈夫ですよ」と答えて終わります。次の人にも同じことを聞かれて、また答える。5回聞かれても、5回答えて終わる。
これ、もったいないですよね。
2回、3回と同じ質問が続いたら、「これ、先に書いておいた方がいいんじゃない?」と一度考えてみる。そのくらいで十分です。
後手に回るほど、できることが減っていく
先回りするメリットは、問い合わせを減らすことだけではありません。
問題って、大きくなる前の方が簡単に対応できることが多いんですね。
例えば「場所が分かりにくい」という問題でも、段階によって対応が変わります。
- 来店前なら、予約メールに地図や写真を付けられる
- 道に迷った後なら、電話で案内する必要がある
- 予約時間に遅れた後なら、後ろの予定まで調整する必要が出るかもしれない
同じ問題なのに、後になるほど作業が増えます。
先回りって、お客さんのためだけじゃないんですよ。
自分の仕事を減らすためにも使えます。
「対応を速くする」より、対応しなくていい状態を作る
先読みをしない状態だと、仕事が全部「起きてから」になります。
- 問い合わせが来たから答える
- 不満が出たから対応する
- 予約が減ったから慌てて広告を出す
これだと、ずっと相手のタイミングで仕事が発生します。
もちろん素早く対応することも大事です。でも、同じ質問を毎日のように受けているなら、それに毎回素早く答えることだけが改善ではありません。
ホームページに先に書いておけば、その問い合わせ自体が減るかもしれない。
毎回答える速度を上げるより、そもそも答えなくても済む状態を作る。
私はこっちの方が大事だと思っています。
今日やることは「最近聞かれた質問を3つ書く」
ということで、今日やってほしいことです。
最近、お客さんから聞かれた質問を3つ書き出してください。予約の電話でも、メールでも、接客中でも構いません。
- 最近、何度か聞かれたこと
- 予約前によく確認されること
- 説明すると「あ、そうなんですね」と言われること
その中から1つ選んで、次にこう考えてみてください。
「この質問をしなくても分かるようにするなら、どこへ書けばいいだろう?」
置き場所はFAQとは限りません。
- ホームページ
- 料金ページ
- 予約ページ
- 店頭の案内
- SNSのプロフィール
- 予約後に送るメール
お客さんが疑問を持った後ではなく、疑問を持つ少し前に目へ入る場所へ置くのがポイントです。
写真では、いい表情を見てからシャッターを押したら間に合わないことがあります。
だから、その前の動きを見る。
商売も同じで、お客さんが離れてから原因を探すんじゃなくて、その前に出ている小さなサインを見る。
言われてから動くより、言われる前に用意しておく。
その積み重ねが「この店、ちゃんと分かってくれているな」につながっていくんだと思います。
それでは!
よくある質問
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よくある質問は、すべてFAQに載せればいいですか?
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FAQだけでなく、その疑問が生まれる場所の近くにも答えを置く方が分かりやすくなります。料金への不安なら料金ページ、予約方法なら予約ページというように、お客さんが迷う前に情報が目に入る状態を作ります。
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お客さんが離脱した理由は、どうすれば分かりますか?
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離脱した本人の理由をすべて知ることはできません。ただ、実際に寄せられた質問、予約前によく確認されること、問い合わせ内容などを記録すると、行動を止めている可能性のある不安や疑問を見つける手がかりになります。
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同じ質問を何回されたら、ホームページを直した方がいいですか?
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「○回なら修正」という決まりはありません。ただ、同じ質問が繰り返されているなら、その情報が見つけにくい、説明が分かりにくい、または掲載されていない可能性があります。回数だけで判断せず、どこで迷っているのかを確認してみてください。
P.S.
動いている人を撮る時も、見てから反応するより「次にどこへ動くか」を先に見ておく方が撮りやすいです。
コーヒーを注ぐなら、注ぎ終わってからではなく、手の動きを見ながら少し早めから構えておく。人が歩いてくるなら、通りそうな場所を先に決めて待っておく。
商売も同じで、起きてから素早く反応するだけじゃなく、起きる前に準備しておくと仕事はかなり楽になります。
