どうも岩崎です。
この前、娘がテレビを見ながら宿題をしていたんですね。 私が「集中できないからテレビ消しなさい」と言うと、 「大丈夫、聞きながらでもできるから」と返ってくる。
まあ、子どもあるあるですよね。 私も学生の頃、よく音楽聴きながら勉強してました。 だから強く言うのも違うなと思って、こう言ってみたんです。
「じゃあ、私も今からあなたが書いてる字を見ながらニュース聞いてみるね」
娘は一瞬止まって、「え、それ無理じゃん」と笑いながらテレビを消しました。 指摘しなくても、自分で気づいたんです。 その時、あらためて思いました。
人は、正されるよりも気づかされることで変わるんだなと。

人は「正論」よりも「実感」で動く
心理学では、人の行動を変えるには自己説得が最も効果的と言われています。 誰かに説得されるより、自分で納得したときに初めて行動が変わる。 つまり、人は“自分の中での気づき”によってしか、本質的には動けないんです。
だから、相手に何かを伝えたい時、 正しさを押しつけるよりも、気づくための余白を与える方がうまくいく。 これを私は習慣指摘の心理効果と呼んでいます。
「それダメ」より「こう見えるけど、どう思う?」
たとえば職場でも、「そのやり方間違ってますよ」と言うより、 「これって、ちょっと遠回りに見えるけどどう思う?」と聞いた方が、 相手は自分で考え始めます。 つまり、相手の習慣に“光を当てる”だけで、行動が変わるきっかけが生まれるんです。
人は、否定されると守りに入り、気づかされると動き出す。 指摘よりも気づき。これが、心理的な“促し”の基本です。
デザインも同じ。気づかせる設計が、人を動かす
これはデザインや広告でも同じです。 「買ってください」よりも、「これ、気づいていましたか?」の方が人は反応する。 つまり、押すよりも“気づかせる仕掛け”の方が行動を誘発する。
ビジュアルでも同じで、 直接的なメッセージよりも、見る人が「あっ」と気づく構成が印象に残ります。 言葉を減らして、空白を残す。 その余白に、受け手が自分の気づきを重ねてくれるんです。
結局のところ、行動を変えるのは言われたことではなく、“自分で気づいたこと”。 だから、伝える側の役割は「教える」ではなく、「気づかせる」。 そこにコミュニケーションの本質があるんだと思います。
P.S.
娘はそのあと、「テレビ見ながらやると計算間違えるんだよね」と笑ってました。 そう言いながら、また翌日もテレビをつけてたんですが、 その時には自分で「あ、まただ」と気づいて消したんです。 たぶん、人が変わる瞬間って、ああいうふとした気づきなんですよね。教えるより、気づかせる。 それが一番長く残る学びだと思います。
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