この記事の要点
- 「なんか違う」で終わらせず、残したい部分と直したい部分を分けて伝えます。
- 違和感を「位置」「量」「言葉」「順番」「目的」などに分解すると、修正の精度が上がります。
- 何度も繰り返す修正は、CLAUDE.mdやプロンプトの型へ残すと、次回から説明を減らせます。
どうも岩崎です。
今日は、AIへのダメ出しの仕方についてです。
今週最後のテーマになります。
AIに文章や画像を作ってもらった時、「んー、なんか違うんだよな」と感じることありますよね。
大きく間違っているわけではありません。
頼んだ内容も、だいたい入っている。
文章として読めないわけでもないし、画像もそれなりにきれいです。
でも、自分が欲しかったものとは少し違う。
こういう時が、一番説明しづらいんですよね。
明らかな間違いなら、「数字が違います」「商品が別物になっています」と指摘できます。
ところが、全体的に違和感があるだけだと、どこから説明すればいいのかわかりません。
なので、つい「なんか違います」「もう少し自然にしてください」「もっと良い感じにしてください」と伝えてしまいます。
でも、AIからすると「何が違うのか」がわかりません。
こちらが曖昧なまま伝えると、AIも曖昧な方向へ修正するしかないんですね。
たとえば、料理を作った人に「もう少しおいしくしてください」と伝えても、塩を足すのか、甘さを減らすのか、焼き方を変えるのかわかりません。
文章や画像も同じです。
違和感を感じること自体は、悪くありません。
むしろ、自分の中に判断基準があるから「違う」と気づけるわけです。
問題は、その判断基準がまだ言葉になっていないことです。
なのでAIへのダメ出しは、単に間違いを指摘する作業ではありません。
自分が何を良いと思い、何を違うと感じているのかを、見える形にする作業なんですね。
今回は、「なんか違う」という感覚をどう分解して伝えるのか、修正を早くする伝え方、そして同じ指摘を次回から減らす方法について話します。
「なんか違う」は、立派な出発点です
まず、「なんか違う」と感じたこと自体を無視しない方がいいです。
うまく説明できないからといって、そのまま使ってしまうと、違和感が残った成果物になります。
しかも、その小さな違和感は、見る人にも伝わります。
文章なら、誰が書いたのかわからないような口調になる。
広告なら、商品の良さは書かれているけれど、お客さんが自分に関係ある話だと思えない。
画像なら、きれいだけれど、商品より背景の方が目立っている。
ひとつずつは小さなズレでも、積み重なると「よくできているけど、なぜか響かない」という状態になります。
なので、違和感は消すものではなく、調べるものです。
「なんか違う」と感じたら、まずは自分にこう聞いてみます。
- どの部分を見た時に違和感を感じたのか
- 期待していたものと、何が違ったのか
- 残したい部分はどこか
- このままだと、読む人や見る人に何が伝わらないのか
この4つを考えるだけでも、漠然とした違和感が少しずつ具体的になります。
「全部違う」ではなく、残す部分を先に決める
修正を頼む時に、いきなり悪い部分だけを伝えると、良かった部分まで変わってしまうことがあります。
たとえば、文章の内容は良いけれど、口調だけが固いとします。
この時に「全体的に違います。もっと自然にしてください」と頼むと、構成や具体例まで変えられるかもしれません。
画像も同じです。
商品の位置は良いけれど、背景だけを変えたい。
それなのに「もっとおしゃれにしてください」と伝えると、商品の角度や大きさまで変わってしまいます。
なので、修正する前に、残す部分を固定します。
文章の構成と具体例は、このまま残してください。
修正するのは、口調と一文の長さだけです。
画像なら、次のように伝えます。
商品の形、位置、大きさ、カメラの角度は変えないでください。
背景だけを、明るい室内へ変更してください。
先に「何を変えないか」を伝えると、修正範囲が明確になります。
これはダメ出しというより、作業範囲を指定する感覚ですね。
違和感を5つに分ける
それでも「何が違うのかわからない」という時は、違和感を5つに分けて考えると見つけやすくなります。
1.位置や構成が違う
どこに何が置かれているか、話がどの順番で進んでいるかの違いです。
文章なら、結論が早すぎる、説明の前提がない、具体例が離れすぎているといったズレです。
画像なら、人物の位置が違う、商品が小さすぎる、視線誘導が崩れているといった問題です。
結論を先に出すのではなく、読者が困っている場面を説明してから解決策へ進めてください。
人物は中央ではなく、商品の左奥へ小さく配置してください。
2.量が違う
多すぎる、少なすぎる、大きすぎる、小さすぎるという違いです。
「もっと自然に」ではなく、「見出しが多すぎる」「説明が短すぎる」「背景の小物が多すぎる」と伝えます。
見出しが細かく分かれすぎています。現在の半分程度に減らし、一つの話をある程度まとめてください。
背景の小物を減らし、商品以外に目が散らないようにしてください。
3.言葉や雰囲気が違う
文章の口調、言葉選び、画像の明るさや空気感などです。
「AIっぽい」という違和感も、細かく見ると原因があります。
- 短い文が続きすぎている
- 同じ言い回しを繰り返している
- 説明が整いすぎていて、話し言葉に見えない
- 普段使わない専門用語が多い
- 断定が強すぎる
短い文が連続しているため、箇条書きのように見えます。関係の近い文をつなぎ、普段話しているような流れにしてください。
高級感よりも、朝の生活に自然になじむ清潔感を優先してください。
4.事実や前提が違う
商品、読者、目的、過去の経緯などの理解が違っている場合です。
ここは好みではなく、前提の修正です。
Amazon向けではなく、Yahoo!ショッピングで使う画像です。購入画面や見られ方の前提をYahoo!ショッピングへ合わせてください。
今回の読者はAIに詳しい人ではなく、使い始めたばかりのひとり経営者です。専門用語から説明してください。
5.目的に合っていない
文章や画像そのものは悪くなくても、何のために作ったのかとズレている場合です。
たとえば、説明としては正しいけれど、読んだ人が自分に関係あると思えない。
画像としてはきれいだけれど、商品より雰囲気が主役になっている。
この場合は、見た目の修正よりも、目的をもう一度伝えた方が早いです。
この記事の目的は、機能を詳しく説明することではありません。
読者に「自分も同じことで困っている」と気づいてもらい、まず一度試してもらうことです。
「なんか違う」と感じた時は、この5つのどこがズレているかを考えると、言葉にしやすくなります。
「もっと良く」ではなく、比較して伝える
感覚を言葉にしにくい時は、比較すると伝えやすくなります。
「こうしてほしい」だけでなく、「こちらではなく、こちら」と示す方法です。
専門家が解説する口調ではなく、経験した本人が隣で話しているような口調にしてください。
高級ホテルの広告ではなく、朝の台所で自然に使っている生活感に近づけてください。
商品の機能を並べるのではなく、使う前と使った後の違いが伝わる構成にしてください。
人は、何もないところから理想を説明するより、二つを比べる方が判断しやすいです。
AIへの指示も同じです。
過去に自分が書いた文章や、好みに近い画像があるなら、見本として渡す方法もあります。
ただし、「このまま真似してください」ではなく、どの部分を参考にしてほしいのかまで伝えます。
この文章の内容を真似するのではなく、冒頭で読者の状況を具体的に描く流れと、話し言葉の温度感だけを参考にしてください。
見本を渡しても、参考にする場所が曖昧だと、不要な部分まで似せてしまうからです。
一度に全部直そうとしない
違和感が多い時に、全部まとめて直そうとすると、どの指示がどの変化につながったのかわからなくなります。
文章なら、まず構成を直す。
次に口調を直す。
最後に細かな言葉を整える。
画像なら、まず構図。
次に商品の形や位置。
その後に背景や明るさを調整する。
重要な部分から順番に直した方が、結果を確認しやすくなります。
たとえば文章の構成が大きく違うのに、語尾や漢字の細かな修正から始めても、あとで全体を書き直すことになります。
家を建て直すのに、先に壁紙の色を決めているようなものです。
まず、目的や全体の方向が合っているか。
次に、構成や位置が合っているか。
最後に、言葉や色などの細部を整える。
この順番で見た方が、修正の往復を減らせます。
修正理由まで伝える
直してほしい内容だけでなく、その理由も伝えると、意図を理解してもらいやすくなります。
たとえば、「見出しを減らしてください」だけでも修正はできます。
でも、なぜ減らしたいのかまで伝えると、その後の判断にも使えます。
見出しを減らしてください。
話が細かく区切られすぎると、読者が一つの流れとして読みにくくなるためです。
「人物を小さくしてください」だけではなく、次のように伝えます。
人物を画面の奥へ小さく配置してください。
今回は人物ではなく、商品と使用場面が主役だからです。
理由がわかると、単に数値や位置を直すだけでなく、全体を同じ目的に合わせやすくなります。
ダメ出しは人格ではなく、成果物に向ける
AIに感情はありませんが、修正の伝え方は人間の仕事にもそのまま使えます。
「センスがない」「全然わかっていない」という言い方では、何を直せばいいのかわかりません。
評価ではなく、観察した事実を伝えた方が修正できます。
- 人物が前回と同じ位置にいる
- 商品の形が元画像から変わっている
- 一人称が「私」ではなく「僕」になっている
- FAQが3つではなく2つになっている
- 前提説明がないまま設定方法へ進んでいる
このように、目で確認できる違いへ変えます。
「良くない」ではなく、「どの条件と違うのか」を伝えるということですね。
直った内容は、その場で終わらせない
一度指摘して直った内容は、その場限りで終わらせない方がいいです。
次の仕事でも守ってほしい内容なら、CLAUDE.mdやプロンプトの型へ追加します。
たとえば、次のような内容です。
- 一人称は「私」に統一する
- FAQは必ず3つ作る
- タイトルで同じ言葉を重複させない
- 画像内に文字を入れない
- 商品を元画像と違う形に変えない
- 記事は前提や困りごとから書き始める
同じ指摘を2回したら、ルールへ追加するくらいでいいと思います。
ただし、その案件でしか使わない修正まで、すべて共通ルールに入れる必要はありません。
たとえば「今回は人物を左側に置く」という指示は、その画像だけの話です。
一方で、「元画像の商品形状を変えない」は、今後の画像制作でも共通して守ってほしいルールです。
その場限りの修正と、今後も使うルールを分けて残すことが大事です。
AIは会話をまたいで必ず覚えるわけではない
ここは少し注意が必要です。
今の会話で具体的に指摘すれば、その後のやり取りでは修正内容を踏まえやすくなります。
ただし、新しい会話へ移った時にも、自動的にすべての指摘を覚えているとは限りません。
だから、今後も守ってほしい内容は、会話の中だけに残さない方がいいです。
CLAUDE.md、プロンプトの型、制作時のチェックリストなど、次回も参照できる場所へ移します。
会話の履歴を記憶として使うのではなく、自分の判断基準を外へ出しておくということですね。
そうしておけば、会話を新しくしても、同じ条件から始めやすくなります。
うまく言葉にできない時は、AIに分解させる
とはいえ、違和感を自分だけで言葉にするのが難しい時もあります。
そんな時は、AIに一緒に分析してもらえばいいです。
この文章に違和感がありますが、まだうまく言葉にできません。
内容、構成、口調、文の長さ、言葉の重複、読者との距離感に分けて、違和感の原因になりそうな部分を挙げてください。
勝手に修正せず、まず原因の候補だけを示してください。
画像なら、次のように聞けます。
この画像が商品広告として弱く感じる理由を、構図、視線誘導、商品の見え方、背景、光、使用場面に分けて分析してください。
修正案を出す前に、現在の問題点だけを整理してください。
先に原因を整理してから、どれを直すか自分で選びます。
いきなり作り直させるより、違和感の正体を確認してから進めた方が、修正の方向を決めやすくなります。
実際にやってみて
記事の冒頭が短く、いきなり説明へ入っていたら、「先に読者が困っている状況と、用語の定義を書いてください」と伝える。
事実関係が曖昧なら、「現在の公式情報を検索して確認してください」と直す。
最初は、一つひとつ修正する必要がありました。
でも、指摘した内容をルールとして残すと、次の記事では最初から反映されやすくなります。
もちろん、完全に修正がなくなるわけではありません。
テーマが変われば、新しいズレも出ます。
ただ、同じ説明を何度も繰り返す回数は減らせます。
最初から完璧な指示を作ろうとするより、一度出してもらい、違いを確認し、具体的に直す。
そして、繰り返したくない修正を次回のルールへ変える。
この流れの方が、自分の好みや仕事の基準も見えてきます。
AIを育てるというより、自分の中にある曖昧な判断基準を、少しずつ言葉にしている感覚に近いです。
「なんか違う」と思った時に、そのまま諦める必要はありません。
まず、残したいところを決める。
次に、違う部分を位置、量、言葉、前提、目的に分ける。
そして、何をどう直すのか、理由と一緒に伝える。
この順番にすると、感覚的な違和感を、修正できる指示へ変えられます。
成果物に違和感があったら、「なんか違う」で終わらせず、もう一段だけ掘り下げてみてください。
それでは!
よくある質問
-
うまく言葉にできない違和感はどうすればいいですか?
-
好みに近い実例と比較する方法があります。また、AIに「構成、口調、言葉、量、目的に分けて、違和感の原因候補を挙げてください」と頼み、先に問題点だけを整理してもらう方法も有効です。
-
毎回細かく指摘するのが手間です。減らす方法はありますか?
-
同じ指摘を繰り返したら、CLAUDE.md、プロンプトの型、チェックリストなどへ移してください。ただし、その案件だけの修正と、今後も共通して守ってほしいルールは分けて管理します。
-
修正したい部分が多い場合は、一度に全部伝えても大丈夫ですか?
-
大きな修正は、目的、構成、口調、細部の順に分けた方が確認しやすくなります。最初に全体の方向を合わせ、その後に言葉や色などの細かな部分を整えると、やり直しを減らせます。
P.S.
今週1週間、心理学、コピーライティング、AIの使い方と、いろいろなテーマで書いてきました。振り返ると、どの話も最後は「頭の中にあるものを、相手が判断できる形にする」というところへ戻ってきます。写真も文章もAIへの指示も、見えない感覚を実体化できるかどうかが大事なんだと思います。
