なぜノウハウを知りたい人ほど狙われるのか?焦りが生む情報ビジネスの罠

どうも岩崎です。

最近、ネットを見ていると「たった3日で売上が2倍」「自動で集客が回り出す」といった広告をよく見かけます。 正直、こういうのを見るたびに、なんとも言えない気持ちになります。

別に私は、そんなに急いで売上を伸ばしたいと思ったこともありません。 検索したときに自分のサイトが1ページ目に出たら嬉しいな、くらいの感覚です。 SNSで有名になりたいとも思っていないし、フォロワーを増やすことに執着したこともない。

だって、有名になった結果どんな未来があるのか?って考えたことってあるんですかね?

でも世の中には、「今すぐ変われる」「たった一つのノウハウで人生が激変する」という言葉に惹かれてしまう人がたくさんいます。 そして、そういう焦りの心理を狙って動いているビジネスがある。

今日はその構造の話をします。

ノウハウそのものより、「焦り」が商品になっている

多くの情報ビジネスは、知識を売っているようで、実は「焦り」を売っています。 人は不安を埋めたくなる生き物だからです。

「何かを知らない自分」よりも、「知っている自分」の方が安心できる。 だから“学ぶ”という行動に対して、心理的な報酬を感じてしまうんですね。

でも、そこで得たノウハウの多くは「型」や「手順」だけ。 本質的な思考や検証の方法までは、教えてくれません。 だから、手順を学んでも応用がきかない。 結果、また次のノウハウを探してしまう。

情報ビジネスの構造は、まるでジムの年会費のようなものです。 行っていない人が多いほど、儲かるようになっている。

オプチュニティシーカーという罠

アメリカのマーケティング業界では、こうした人たちのことを「オプチュニティシーカー」と呼びます。 直訳すればチャンスを探す人。 もう少し踏み込むと、本質よりも近道を探す人です。

こうした人たちは、新しいノウハウや流行に非常に反応が早い。 でも同時に飽きるのも早く、結果が出る前に別のものへ飛びついてしまう。 そして、また「新しいチャンスがあるらしい」と次の情報を探す。

つまり、行動しているようで、実は逃避なんですよね。 目の前の課題に向き合う代わりに、別のチャンスで気を紛らわせているだけ。

この構造を知っている人たちは、そこを狙ってビジネスを設計します。 だからこそ、ノウハウ商材の世界は終わらない。 買い手の「焦り」と「依存」が、供給側の永遠のビジネスモデルになっているんです。

数字の魔法にだまされない

それにしても、「売上2倍」「反応率3倍」といった数字をよく見ますよね。 でも私はいつも思うんです。 どこからの2倍なのか?どの期間の3倍なのか?と。

例えば、もともと1件しか問い合わせがなかったのが2件になった場合も「2倍」です。 広告費を10倍にした結果、売上が2倍になっても「成果2倍」と書けてしまう。 数字は見せ方次第でいくらでもストーリーになります。

だから、数字を疑うよりも「文脈を見る」ようにしています。 どんな背景で、どんな前提で、その結果が出たのか。 それを読み解けるようになると、数字のマジックに振り回されなくなる。

結局、焦って数字ばかり追う人ほど、マーケティングを見誤ります。 数字は目的ではなく、設計の結果にすぎませんからね。

本当に学ぶ人は、ノウハウを使って確かめる

私の周りで結果を出している人は、例外なく「検証型」です。 教えられた通りにやるのではなく、 自分の現場で試して、データを見て、反応を観察して、そこから学ぶ。

つまり、ノウハウを学ぶのではなく、ノウハウを使って学ぶ。

この違いが、実はとんでもなく大きい。 前者は常に「正解を探す人」、後者は「正解を作る人」です。

本質的な学びは、手順を覚えることではなく、 仕組みを理解して、自分なりに再現できるようになることなんですよね。

焦らない人ほど、ちゃんと積み上がっていく

不思議なことに、焦らない人ほど結果が出ます。 ノウハウを学んだ後、ゆっくり試し、修正し、改善を繰り返す人が最終的に一番強い。

学ぶスピードではなく、考える深さ。 結果の速さではなく、再現できる構造。 それが積み上がっていく人の共通点です。

ノウハウを探すより、「焦らず考える時間」を確保する。 それがいちばんの差別化になる時代です。

ではまた。

P.S.
この前、ある講座の広告で「あなたにもできる!」と書いてあったんですが、 ふと「いや、やるかどうかは本人次第でしょ」と思わず突っ込んでしまいました。 結局、ノウハウよりもやる力の方が何倍も価値があるという話です。


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いわさきじゅん

1998年に広告制作会社で写真が始まり、アートイベント会社の広報として活動していました。まだあまりウェブマーケティングが普及していない2006年からSEO(検索エンジン対策)・リスティング広告(PPC広告)・LPO(ホームページ対策)・コピーライティングなど、サポートをしています。