どうも岩崎です。
まず前提として、ノウハウとは何か。 これは、ある目的を最短で達成するための再現性のある手順のことです。 言い換えれば、こうすればこうなるという因果の型。
たとえば、料理のレシピもノウハウです。 その通りに作れば、誰がやってもだいたい同じ味になります。 でも、同じようにマーケティングの世界では、それが通用しにくくなってきている。
なぜなら、相手が人だからです。 しかも、その人が持つ前提・状況・目的がみんな違う。 同じ手順でも、届き方も響き方も変わってしまう。 だからこそ、ノウハウを真似るだけでは結果が出なくなったんです。
朝、娘がこれ書けないと言ってプリントを持ってきました。 見てみると、名前欄が小さくて、しかもマス目がズレている。 これじゃ、どんなに丁寧に書いてもはみ出すに決まっています。
なるほどなぁと思いました。字の上手い下手の問題じゃない。 書く以前に、書きやすい欄のデザインになっていないんです。
これ、ビジネスや集客もまったく同じです。 どんなに良いノウハウを学んでも、土台の設計が歪んでいたら結果も歪む。 一見うまくいっているように見えても、どこかでひずみが出ます。
にも関わらず、多くの人はもっと良いやり方があるはずと次のノウハウを探しに行く。 でも実際は、やり方じゃなくて考える順番がズレているだけなんです。

ノウハウより前に見るべき3つの土台
成果を出す人と出せない人の違いは、努力量やスキルの差ではなく、どの順番で考えているかにあります。
- 誰に届けるか──属性ではなく、行動や価値観で切る。
- 何を感じてほしいか──機能ではなく、感情の順番を描く。
- どこへ導くか──迷わない導線を用意する。
この3つが整っていれば、普通のノウハウでも結果が出ます。 逆に、整っていなければ、どんな最先端ノウハウでも空回りします。
知っているだけでは結果にならない
SNS投稿のテンプレートを覚える。広告の入札戦略を変える。 でも、それは弾の種類を変えているだけなんです。
標的がぼやけている。照準がズレている。射線がふさがっている。 この状態でいくら弾を撃っても、当たりません。
なのに、多くの人は撃ち方を増やそうとする。 本当は、狙う順番をデザインするほうが先なんです。
感情を動かすデザイン思考
集客が得意な人ほど、意外と冷静です。 感情から納得、そして行動へ。この順番を淡々と整えています。
デザインとは、伝えるではなく届くをつくること。 ノウハウを線とするなら、デザインは紙の質です。 滑らかな紙に変えるだけで、同じ鉛筆でも線がスッと通る。 つまり、結果を変えるのは筆圧ではなく下地なんです。
たとえば、Instagramでリーチはあるのに反応がないという相談。 投稿内容を見せてもらうと、写真もきれい、文章も丁寧。 でも、どれも伝える努力ばかりで、届く仕組みがない。 言葉の順番が感情の流れに逆らっているんです。
きれい、上手い、よりも、読んでいて気持ちいいのほうが人は動きます。 コピーライティングでもデザインでも同じ。行動を引き出すのは情報ではなく、感情のリズムです。
今日からできる3つの見直し
- 1. 見出しを一行で言い換える
専門用語をゼロにして、比喩を一つ加える。 例えばズボラでも続く夜ストレッチ。この一行があるだけで、人は読む気になります。 - 2. 写真を情報ではなく感情で選ぶ
商品そのものよりも、使っている瞬間、笑っている表情。感情の証拠を置くと、写真が語り出します。 - 3. ボタンの直前に次に起こることを書く
人は不確実性が嫌いです。 このあと1分で完了します、登録後に動画が届きます。たった一行で行動率が変わります。
これらはすべて、相手の思考負荷を減らすためのデザイン。 人は考えることより、感じることを優先します。 だから、考えさせない構造をつくることが、最も強いマーケティングなんです。
ノウハウは点、デザインは線、信頼は面になる
ノウハウは点です。点と点を線にするのがデザイン。 そして、その線が積み重なると、やがて信頼という面になります。
点を集めることに疲れている人は、一度線を見直してみてください。 どんなノウハウでも、土台のデザインが整えば武器に変わります。 逆に、デザインが整っていなければ、いくら弾を撃っても当たりません。
つまり、ノウハウが無意味に見えるのは、才能のせいじゃない。 順番を間違えているだけなんです。
ではまた。
P.S.
娘のプリント、欄外に小さく罫線を引いただけで、するすると書けるようになりました。 字の上手さはそのままでも、下地を整えるだけで結果が変わる。 ビジネスもまったく同じで、努力の量より準備の質。 今日も、まずは罫線から、ですね。
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