【単純接触効果】なぜ「顔を合わせる人」を好きになってしまうのか

どうも岩崎です。

家の近所に、特別安いわけでも、特別うまいわけでもない定食屋さんがあるんですね。

冷静に考えたら、もっと安くてボリュームある店はいくらでもあるのに、 気づくとその店に入ってしまう。

店長さんがいつも同じテンションで「おつかれさまです」と声をかけてくれるからか、 特別な会話をしているわけでもないのに、なんとなく落ち着くんです。

で、ふと思ったわけです。

あれ、これ完全に単純接触効果(mere exposure effect)だよなと。

人は「何度も会う人」に勝手に安心していく

単純接触効果というのは、かんたんに言うとこんな心理です。

  • 何度も接するものを、だんだん好きになる
  • 理由がわからなくても、見慣れている方を選びやすくなる

人は、はじめてのものには警戒します。

でも、何度も見ると「まあ大丈夫だろう」と感じ始める。

この警戒心が少しずつ下がっていくプロセスが、 そのまま「信頼の土台」になっていきます。

だから、好かれる人は特別トークがうまい人ではなく、 接触の回数をちゃんと作っている人だったりするわけです。

内容より回数。好かれる人のシンプルな共通点

経営者の相談を聞いていると、

「何を話したらいいかわからない」 「発信するネタがない」

という声をよく聞きます。

もちろん内容は大事なんですけど、 単純接触効果という観点で見ると、実はもっとシンプルで、

  • 完璧な一回より、
  • そこそこな十回の方が、信頼を作りやすい

という現実があります。

雑談でもいいし、近況報告でもいいし、 うまくまとまっていなくてもいい。

「この人、よく見るなあ」

「いつも何かしら発信してるなあ」

こう思ってもらえるだけで、心理的な距離はかなり縮まります。

経営者が使える「接触の設計」

中小企業の経営者が、この単純接触効果をどう使うかってことなんですけど、難しく考えずに、接触の入り口をざっくり分けておくとわかりやすいです。

  • 対面での接触
  • オンラインでの接触
  • ビジュアルでの接触

対面なら、

  • 既存客への近況連絡
  • 取引先へのちょっとした顔出し
  • 経営者仲間との定期的な雑談

オンラインなら、

  • 月数回のメルマガやニュースレター
  • 週数回のSNS投稿
  • たまの近況レポート動画

大事なのは、どれも「うまくやる」より「続ける」ことです。

最初から100点を目指すと、だいたい続きません。 内容が微妙でもいいので、とにかく回数を作る。

接触回数の設計は、 「何を言うか」より前に「どれくらいの頻度で現れるか」を決める、 くらいの感覚でちょうどいいです。

ビジュアルでも「何度も見てもらう」設計をする

単純接触効果は、もちろんビジュアルにも効きます。

一度だけ完璧な会社案内を作るより、 少しずつでも同じ世界観の写真やデザインを繰り返し見せる方が、 「この会社、なんか安心するなあ」という印象を作りやすいです。

たとえば、

  • 経営者のポートレート
  • オフィスや現場の様子
  • 一緒に働く仲間の表情

こういったビジュアルを、 ホームページだけでなく、SNSやニュースレター、資料などにも ちょこちょこ登場させていく。

特別ドラマな写真である必要はありません。

「前にもどこかで見たな」

「この会社、こんな雰囲気だったよな」

と、記憶のどこかに引っかかっていることが大事です。

単純接触効果をビジュアルに使うというのは、 言い換えると「同じ空気感を、何度も見てもらう」ということなんですね。

P.S.
最初に書いた近所の定食屋さん、 正直、味だけで言えばもっと上はたくさんあります。

それでも通ってしまうのは、 店長さんの顔と「おつかれさまです」の一言が、 もう生活の一部になっているからなんだろうなと思います。

結局、人は理屈よりも、 何度も会ってきたという事実に安心する生き物なんですよね。


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いわさきじゅん

1998年に広告制作会社で写真が始まり、アートイベント会社の広報として活動していました。まだあまりウェブマーケティングが普及していない2006年からSEO(検索エンジン対策)・リスティング広告(PPC広告)・LPO(ホームページ対策)・コピーライティングなど、サポートをしています。