どうも、岩崎です。
仕事をしていると、電話をしながらメールを打ったり、会議中に話を聞きながら資料をまとめたりと、マルチタスクを求められるシーンが多いですよね。私自身、こういった場面は日常茶飯事ですし、「同時にいろいろできる方が仕事ができる」と思いがちです。
でも実は、脳科学的にはマルチタスクは逆効果で、パフォーマンスを下げることがわかっています。今回は、マルチタスクが脳に与える影響について、詳しく掘り下げてみたいと思います。
脳は本当に「同時進行」できている?
まず、そもそも脳は同時に複数の作業を処理できるのでしょうか?実は、脳は一度にひとつの作業しか集中して行えないと言われています。ですので、2つ以上の作業を同時にこなしているように見えても、実際には脳が高速で作業を切り替えているだけなんです。
これにより、脳がスイッチするたびに集中力が落ち、結果的にどちらの作業も中途半端になりやすい。パフォーマンスが低下してしまうというのが本当のところです。
マルチタスク時の脳の活動とは
最近、明治大学と北海道大学の研究グループが、マルチタスク時の脳活動について興味深い結果を発表しました。34名の若年成人に「連続する足し算」と「非利き手で渦巻きを描く」という2つの作業を同時に行わせ、その時の脳の動きを測定しました。
その結果、右前頭葉が活発に働いていることが確認されました。特に、右前頭葉の活動が強い人ほど、単一の作業時よりも成績が低下することがわかったんです。つまり、「右前頭葉の活動増加」は、マルチタスクで頭がオーバーヒートしそうな状態を示しているのかもしれません。
さらに興味深いことに、この現象は高齢者だけでなく、若い人でも同様に発生することが確認されました。これまで、マルチタスクの影響が主に高齢者に見られると考えられていましたが、若年層でも同じように脳に負担がかかることがわかったのです。
仕事の現場でマルチタスクを避けるべき理由
仕事の場面ではどうしても「効率」や「生産性」を求められがちです。そのため、会議中にメールを確認したり、他の業務を同時進行で進めようとすることもあるでしょう。でも、マルチタスクによって集中力が分散されることで、かえって効率が落ちることが多いんです。
例えば、会議中にメールをチェックすることで、どちらの作業も中途半端に終わってしまい、重要な情報を見逃したり、判断を誤るリスクもあります。
一見効率的に見えるマルチタスクの落とし穴
マルチタスクは、一度にいろいろなことをこなせて効率的に見えるかもしれません。しかし、実際には、脳にかかる負荷が大きく、パフォーマンスが低下する可能性が高いんです。集中力が散漫になることで、全体的な作業の質も落ちてしまうんですよね。
特に、重要な作業や意思決定が必要な場面では、一つの作業に集中した方が、結果的に早く終わるし、ミスも少なくなるはずです。
マルチタスクは控えて、ひとつの作業に集中しよう
現代の仕事ではマルチタスクが求められることが多いですが、脳への負担やパフォーマンス低下を考えると、一つの作業に集中することが、最終的には最も効率的だと言えます。
次に忙しくなった時には、ぜひひとつずつ順番にこなしてみてください。その方が結果としてスムーズに進み、質の高い成果を出せることに気づくはずです。
参考
認知-運動の二重課題における能力低下(DTi)とその脳活動ネットワークを明らかにしました。若年成人でも高い認知負荷がかかる場合、干渉効果が生じることが確認され、右前頭葉と右頭頂領域の情報伝達の変化が関連していると示唆されました。
いわさき写真教室をもっと見る
購読すると最新の投稿がメールで送信されます。