この記事の要点
- 自然に見えることと、何も準備していないことは別です。
- 接客も事前に準備しておくほど、その場で考えることが減り、目の前のお客さんに集中しやすくなります。
- 毎回その場で考えていることを1つだけ決めごとに変えると、対応のばらつきやお客さんの負担を減らせます。
どうも岩崎です。
撮影の仕事をしていて、嬉しいんだけど、ちょっと複雑な気持ちになる感想があります。
「なんか自然でいいですね。普通に撮っただけみたいで」
ありがとうございます、と言いながら、心の中では「いやいや、めちゃくちゃ作ってますけどねw」と思っています。
というのも、自然に見える写真ほど、実際にはかなり手を入れていることがあるからです。
- 光を足す
- 余計な影を抑える
- 影を消しすぎたら少し戻す
- 人物や商品の位置を数センチ動かす
- 背景に入る余計なものを整理する
1枚のために30分くらい調整していることだってあります。
逆に、本当に何もしないで撮れば自然になるのかというと、そんなことはありません。顔が暗かったり、変なところに影が出たり、光が混ざって色が濁ったりする。
自然に見えることと、何もしないことは別なんですよね。
自然に見えるように、見えないところで整えている。
で、今日の話は商売です。
「自然体」と「準備不足」はまったく違う
接客や営業でも、「自然な方がいい」と言われますよね。
私もそう思います。
ガチガチに用意されたセールストークを最初から最後まで読まれたり、何を聞いてもテンプレートみたいな答えが返ってきたりすると、どうしても「営業されているな」と感じやすくなります。
ただ、そこで反対側へ行きすぎて「じゃあ何も準備しない方が自然なんだ」と考えると、これも違うんですよ。
何も準備していなければ、こんなことが起きます。
- 説明するたびに内容が変わる
- 聞かれてから慌てて調べる
- 同じことを何度もお客さんに聞く
- 料金や条件の伝え方が人によって変わる
- 毎回その場で「次に何を話そう」と考える
本人は「自然体でやっています」と思っていても、受ける側からすると「ちゃんと準備してないのかな?」と感じることがあります。
写真と同じなんですよね。
何もしないことが、自然なわけではありません。
目指したいのは「準備してあるのに、準備して見えない状態」
じゃあ、どんな状態がいいのか。
私は「準備してあるのに、準備されている感じがしない状態」がいいと思っています。
例えば、こんな感じです。
- 初めてのお客さんだと予約時点で分かっている
- 前回どんな話をしたか記録してある
- よく聞かれることは、聞かれる前に案内してある
- 説明する順番がある程度決まっている
- 料金や注意事項を分かりやすく確認できるようにしてある
これ、全部仕込みです。
裏では記録したり、案内を作ったり、説明の順番を考えたりしています。
でも、お客さんからすると「仕込まれている」とは感じません。
「話が早いな」
「前のことを覚えていてくれたんだ」
「聞こうと思っていたことが書いてある」
と感じるだけです。
ここが面白いところなんですよね。
仕込みは、相手に余計なことをさせないためにある
「演出」と言うと、なんとなく嘘っぽい感じがします。
でも、ここで言っている準備は、相手を騙すためのものではありません。
むしろ逆です。
相手に余計な負担をかけないための準備です。
- 同じことを何度も説明させない
- 前回の話を一から思い出させない
- 料金や条件を毎回確認させない
- よくある疑問をわざわざ質問させない
そのために、こちら側が先に準備しておく。
同じことを何度も聞かれるって、地味に面倒ですよね。
「前にも話したんだけどな」と思わせる回数が増えるほど、少しずつ負担になります。
だったら、こちらが覚えておけばいい。
自然な対応って、実はこういう見えない準備から生まれるんだと思います。
自然に見せることと、嘘をつくことは違う
ただ、ここは間違えない方がいいです。
自然に見せることと、実物以上によく見せることは別です。
例えば写真なら、実際には存在しないものを足したり、商品そのものが違って見えるほど加工したりすれば、現物を見た時に差が出ます。
体験談でも同じです。実際には言われていないことを「お客様の声」として作ってしまえば、それは準備ではなく嘘です。
私が写真でやっている作り込みは、無いものを作るというより、その人や商品の良さがちゃんと見えるように邪魔なものを整える作業です。
商売の準備も同じでいいんですよ。
実際にやっている良いことを、お客さんに伝わる状態へ整えておく。
それで十分です。
準備がないと、本番中にずっと段取りを考えることになる
準備をしない一番の問題って、毎回その場で判断しなきゃいけなくなることだと思うんですね。
例えば、お客さんを目の前にしながら、
- 何から説明しよう
- 料金をいつ伝えよう
- 前回何を話したっけ
- 次回の案内をどうしよう
- この質問にはどう答えよう
と考えている。
これ、けっこう疲れます。
しかも自分が頭の中で段取りを考えている時間って、相手からすると待っている時間なんですよね。
そして、段取りの方へ意識を使っているので、目の前のお客さんを見る余裕も減ります。
逆に、ある程度のことが決まっていれば、当日はその人を見ることに集中できます。
表情がちょっと曇ったな。
ここはもう少し説明した方がよさそうだな。
この話には興味を持ってくれているな。
そういう相手の反応を見る余裕ができます。
準備するほど、その場では自然に動ける
これ、ちょっと逆説的なんですけど、準備すればするほど本番では自然に動きやすくなるんですよ。
準備していない方が自由に見えるんですけど、実際には本番中ずっと「次どうしよう」と考えなきゃいけません。
準備してあると、決めてあるところは考えなくていい。
そのぶん、予定外のことが起きた時に相手に合わせられます。
写真もそうです。
光も背景もカメラもある程度準備できているから、撮影が始まったら相手の表情を見ることができます。
何も準備していなかったら、撮影中に照明を考えて、カメラを考えて、背景を考えて、そのうえ表情まで見なきゃいけない。
そりゃ大変ですよね。
自然体って、準備しないことじゃないんですよ。
準備したことを意識しなくても動ける状態なんだと思います。
今日、1つだけ「その場で考えること」を減らしてみる
ということで、今日やってほしいことです。
お客さんと接する場面の中で、毎回その場で考えていることを1つだけ思い浮かべてください。
例えば、こんなものです。
- 最初の声かけ
- サービスを説明する順番
- 料金を伝えるタイミング
- よく聞かれる質問への答え
- 次回の案内方法
この中から1つでいいので、事前に決めてしまってください。
大げさなマニュアルを作る必要はありません。紙に1行書いておくだけでもいいです。
決めておけば、当日はそこを考えなくて済みます。
そして、考えなくてよくなった分だけ、目の前のお客さんを見る余裕ができます。
「自然ですね」と言われる写真ほど、実は見えないところで作り込んでいる。
接客もたぶん同じです。
準備して、準備して、当日はその準備を忘れて相手を見る。
自然体は、準備の先にあるんですよね。
それでは!
よくある質問
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接客をマニュアル化すると、不自然になりませんか?
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すべての会話を台本通りにする必要はありません。料金、説明の順番、よくある質問など、毎回変える必要がない部分だけ決めておくと、その場で考えることが減り、むしろ相手の反応に合わせやすくなります。
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接客で事前に準備しておくといいことは何ですか?
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毎回繰り返している説明から始めると取り組みやすいです。料金や所要時間、よくある質問、初めての方への案内、次回の説明など、何度も同じことを考えたり話したりしている部分から決めごとに変えてみてください。
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準備しすぎて営業っぽくならないためには、どうすればいいですか?
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「何を言うか」を一言一句固定するのではなく、「何を確認するか」「何を説明するか」まで決めておくのがおすすめです。言葉そのものは目の前の相手に合わせれば、準備と自然な会話を両立しやすくなります。
P.S.
自然な写真を撮る時も、「何もしない」のではなく、光を整えてから撮ります。
ただ、影を全部消してしまうと平面的に見えることがあるので、暗すぎるところだけ少し起こすくらいにする。窓の光を使うなら、室内照明との色の違いにも注意します。
写真も接客も、整えた跡を見せることが目的じゃありません。相手には自然に見えるけど、裏ではちゃんと準備してある。そのくらいがちょうどいいんですよね。
