この記事の要点
- 高齢ドライバーの安全は、本人の能力だけで決まるとは限りません。
- 研究では、同乗者の存在が事故リスクの低減と関係する可能性が示されています。
- 安全運転は、支える人や環境も含めて考える視点が大切かもしれません。
どうも岩崎です。
車の運転って、一人でやっているようで、案外そうでもないんですよね。隣に誰かがいるだけで、確認の仕方が少し変わる。無茶をしなくなる。少し慎重になる。もちろん人によって違いはあると思うんですが、多くの場合、誰かがそこにいるというだけで、自分の運転を少し客観視しやすくなる気がします。
最近の研究では、高齢ドライバーの事故リスクと、同乗者の存在の関係が注目されています。

運転の安全は、能力だけでは決まらない
筑波大学などの研究グループは、2014年から2020年までの全国の交通事故データをもとに、75歳以上の運転者を分析しました。その結果、認知機能の程度にかかわらず、過失の重い事故を起こした人よりも、無過失の人の方が同乗者を伴っている割合が高いことが示されたそうです。男女差や年齢、過去の事故経験、天候などには大きな違いが見られなかったとも報告されています。
ここで大事なのは、同乗者がいれば必ず安全、という単純な話ではないことですね。ただ、運転の安全を、本人の能力だけで判断するのではなく、その人がどんな状況で運転しているかまで含めて見る視点は大切なのかもしれません。
視界の中にいる人が、行動を整えることがある
運転というのは、かなり視覚情報に頼る行為です。前方、左右、ミラー、標識、歩行者、対向車。その中で、隣に人がいるというだけでも、少し空気が変わることがあります。確認を言葉にする。危ないかもしれない場面で一呼吸置く。あるいは、誰かが見ているというだけで、自分の動きが少し丁寧になる。そういうことは十分ありそうです。
私はこういう話、脳科学ともつながると思うわけです。人は、自分だけで全部を処理しているつもりでも、実際には周囲の存在からかなり影響を受けています。注意の向け方も、判断の仕方も、安心感も、緊張感も、完全に一人だけの中で完結しているわけではないんですね。
高齢者支援は、やめることだけではない
高齢ドライバーの話になると、どうしても、返納するかしないか、という話に寄りがちです。もちろん安全は最優先ですし、状況によっては返納が必要なケースもあると思います。ただ一方で、地域によっては、車がないと生活そのものが成り立たないこともあります。
だからこそ、どうやってやめさせるかだけではなく、どうやって安全に続けられるか、という視点も必要なんじゃないかと思うわけです。今回の研究は、その一つのヒントとして、同乗者という存在の意味を考えさせてくれます。
だから、今日のDAY5で言いたいのは、これですね。
高齢ドライバーの安全は、本人の能力だけで決まるとは限らない。隣に誰がいるか、どんな環境で運転しているか、そういう周辺の条件も、行動に少なからず影響している可能性がある。
人は一人で判断しているようで、案外そうでもない。この視点を持つだけで、脳や行動の話は、少し現実に近づいてくる気がします。
よくある質問
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同乗者がいれば必ず安全ですか?
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必ずではありません。ただし、事故リスクの低下と関係する可能性が研究で示されています。
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なぜ同乗者が影響すると考えられるのですか?
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注意喚起、確認補助、緊張感の維持など、複数の要因が関係している可能性があります。
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気になったらどう考えればよいですか?
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返納か継続かの二択だけで考えず、運転環境、家族の支え、移動手段全体を含めて検討していくのが大切だと思います。
P.S.
人って、一人だと少し雑になることがあるんですよね。でも、誰かが隣にいるだけで、少し丁寧になる。これ、運転だけじゃなくて、仕事も生活も、案外同じかもしれません。
