この記事の要点
- 広告のCTRや問い合わせ数が良くても、最終的に購入や契約につながっているとは限りません。
- 写真・動画は「まず気づいてもらう認知」、コピーは「必要性や違いを伝えて販売を進める」と役割を分けると、広告全体を設計しやすくなります。
- 広告を見る時は、写真・動画 → コピー → 信頼 → 行動 → 購入まで一本につなぎ、最後に実際に売れたかまで確認することが重要です。
どうも岩崎です。
広告を運用していると、CTRが上がったとか、CPAが下がったとか、問い合わせが何件入ったとか、どうしても広告管理画面の数字を見ますよね。
もちろん大事です。でも商売として本当に知りたいのは、その先じゃないでしょうか。
結局、その広告から売れたの?
ここですよね。
そして広告を最後の購入までつなげて考えると、写真とコピーの役割もかなり分かりやすくなると思っています。
写真は認知。コピーは販売。
今日は、この二つを一つの導線として考えてみます。
広告データが「興味がありそう」から実際のデータへ近づいている
2026年9月25日、サイバーエージェントの子会社CASMとオリエントコーポレーション、いわゆるオリコが、1st Party Dataを活用したデジタル広告商品の共同開発に向けて基本合意したと発表しました。
CASMは、カード決済データなどの金融データを活用したマーケティングや、広告商品・システムの開発を行っているサイバーエージェントの子会社です。一方のオリコは、カード、ショッピングクレジット、融資などを手がけています。
今回の計画では、オリコが保有する1st Party Dataをもとに広告配信対象のセグメントを設計し、外部のデジタル広告メディアへ配信する運用型広告商品を共同開発します。提供開始は2027年3月末までを目指しています。
1st Party Dataというのは、簡単にいえば企業が自分たちのお客さんとの関係の中で取得・保有しているデータです。
ここで重要なのは、新しい広告商品が一つ増えることより、広告の判断に、自社が持っている実際のデータを使う方向が強くなっていることだと思います。
ただし「広告から何が売れたかまで分かる商品」とはまだ言えない
ここは少し注意が必要です。
今回の発表で明らかになっているのは、オリコの1st Party Dataを使って広告配信対象のセグメントを作ることです。
具体的にどんなデータ項目を使うのか、広告を見た人と購入データをどのように結びつけるのか、広告効果を実売まで測れるのか、といった詳細はまだ公表されていません。
なので、今回の発表そのものを「広告を見た人が何を買ったかまで分かるようになる」と説明するのは早いです。
ただ、小さな会社でも「広告の反応だけで終わらず、その後本当に買ったかまで見る」という考え方は今日からできます。
問い合わせが多い広告が、一番売れる広告とは限らない
例えば広告Aと広告Bがあったとします。
これは説明用の単純な例ですが、問い合わせ数だけを見るとこうです。
| 広告 | 問い合わせ | 購入 | 問い合わせ→購入率 |
|---|---|---|---|
| 広告A | 30件 | 3件 | 10.0% |
| 広告B | 15件 | 8件 | 53.3% |
問い合わせ数だけなら、広告Aの圧勝ですよね。30件対15件なので、Aの方が良い広告に見えます。
ところが実際の購入を見ると、Aは3件、Bは8件です。
こうなると評価はぜんぜん変わります。
広告で反応してもらうことと、最終的に売れることは同じではない。
だから広告管理画面だけではなく、その後の購入まで戻して見た方がいいんですね。
ここで「写真=認知」「コピー=販売」と考えてみる
私は広告制作を考える時、役割を分かりやすくするために、まずこう置いて考えるといいと思っています。
写真・動画は認知を作る。
コピーは販売を進める。
もちろん、実際には完全に分かれるわけではありません。良い写真が信頼を作ることもありますし、強いコピーで広告そのものに気づいてもらうこともあります。
ただ、制作の役割を整理するなら、このくらい分けた方が分かりやすいんですね。
| 要素 | 主な役割 | お客さんに起きてほしいこと |
|---|---|---|
| 写真・動画 | 認知 | 目に留まる・商品に気づく・違いを感じる・興味を持つ |
| コピー | 販売 | 必要性を理解する・違いが分かる・価格に納得する・欲しい理由が分かる |
| 根拠・実績・レビュー | 信頼 | 本当にそうなのかを確認する |
| オファー・CTA | 行動 | 問い合わせる・申し込む・購入する |
| 購入データ | 評価 | 本当に売れたかを確認する |
この順番で見ると、写真だけ、コピーだけを評価するのではなく、一連の流れとして考えられます。
写真の仕事は、まず「見てもらうこと」
広告では、まず見てもらわないと何も始まりません。
どれだけ良い商品でも、どれだけコピーを書いても、広告そのものが視界に入らなければ、その先は読まれません。
そこで写真や動画が働きます。
- 目に留まる
- 何の商品なのか分かる
- 雰囲気を感じる
- 他との違いに気づく
- もう少し見てみたいと思う
この部分は、文字だけより写真や動画の方が圧倒的に速い場合があります。
だから私は、写真はまず認知の入口だと考えています。
でも写真だけでは「なぜ買うのか」までは説明しきれない
ただ、きれいな写真を見ただけで全部が分かるわけではありません。
- なぜ自分に必要なのか
- 他の商品と何が違うのか
- なぜこの価格なのか
- どんな人に向いているのか
- なぜ今買うのか
こういうところまで正確に伝えるには、やっぱり言葉が必要です。
そこでコピーの仕事になります。
コピーの仕事は「売る理由」を言葉にすること
コピーというと、キャッチコピーを思い浮かべる人も多いと思います。
でも販売という意味では、キャッチコピーだけではありません。
- 商品の意味を説明する
- 他との違いを言葉にする
- お客さんにとってのベネフィットを伝える
- 疑問や不安に答える
- 価格に納得できる理由を伝える
- 今選ぶ理由を提示する
こういうもの全部がコピーです。
写真を見て「ちょっと気になる」と思った人に、「だからあなたに必要なんですよ」まで説明する。
私は、ここがコピーの販売としての役割だと思っています。
写真だけでもダメ。コピーだけでもダメ。
例えば、ものすごく目立つ広告写真を作ったとします。
CTRは上がった。でもLPへ来た人がコピーを読んで、「これは自分には必要ないな」と判断したら購入にはつながりません。
反対に、ものすごく説得力のあるコピーを書いたとしても、写真が弱くて広告自体を見てもらえなければ、その文章までたどり着きません。
だから、
良い写真を作る。
良いコピーを書く。
で別々に終わらせない方がいいんですね。
広告は「認知 → 理解 → 信頼 → 行動 → 購入」で見る
一つの流れとして見るなら、こんな感じです。
- 写真・動画 → 認知
- コピー → 理解・納得
- 根拠・実績・レビュー → 信頼
- オファー・CTA → 行動
- 購入データ → 評価
この流れのどこか一つが弱ければ、最後の購入まで届きません。
逆にCTRだけ見ていると、認知の部分しか見ていない可能性があります。問い合わせCPAだけなら、行動までしか見えていないかもしれない。
だから最後の「購入」まで戻して評価する必要があります。
「CV」が何を意味しているのかも確認した方がいい
広告運用では「CVが増えました」と言いますよね。
でも、そのCVが何なのかは会社によって違います。
- 商品購入
- 問い合わせ
- 資料請求
- 予約
- LINE登録
ECで「購入」がCVなら、かなり商売の結果に近いです。
でもBtoBで「資料請求」がCVなら、その後に商談、見積もり、契約があります。
資料請求CPAが安くても、誰も契約しなければ良い広告とは言いにくいですよね。
管理画面上のCVと、商売としてのゴールを同じものだと思わない。
ここもかなり大事です。
少人数の会社でも「実売まで戻す」はできる
今回のCASMとオリコのような金融データを使った広告商品を、小さな会社が同じように作ることはできません。
でも「広告の反応と実際の売上をつなげる」という考え方ならできます。
例えば問い合わせが入った時に、
- どの広告から来たのか
- どのLPを見たのか
- 何を問い合わせたのか
- その後購入・契約したのか
- 購入金額はいくらだったのか
くらいを記録しておく。
最初はExcelでもスプレッドシートでも十分だと思います。
広告Aから問い合わせ30件、購入3件。広告Bから問い合わせ15件、購入8件。ここまで分かれば、次にどちらの広告を残すべきかは、かなり判断しやすくなります。
次の広告制作では「どこで落ちたか」から考えられる
最後の購入までつなげると、次に直す場所も見えてきます。
- 表示されても見られない → 写真・動画を見直す
- クリックされても読まれない → コピーやLPの入口を見直す
- 読まれても信用されない → 根拠や実績を見直す
- 問い合わせるけど買わない → オファーや対象のお客さんを見直す
- 購入までつながる → その広告の要素を次へ残す
「広告の数字が悪いから全部作り直そう」ではなく、どこで止まっているかを見て直せます。
これなら写真とコピーも、役割を混ぜずに考えられますよね。
写真とコピーを分ける。でも広告としては分断しない
写真とコピーには、それぞれ得意なことがあります。
だから制作では役割を分けた方がいい。
写真は認知。
コピーは販売。
でも最終的な評価では分けない。
写真によって気づいてもらって、コピーで理解してもらって、根拠を見て信用してもらって、最後に買ってもらう。
制作では役割を分ける。でも結果は一本につなげて見る。
私は、この考え方が一番分かりやすいと思います。
今日のチェックリスト
最後に、現在運用している広告を1つだけ選んで、自分に次の質問をしてみてください。
- この広告の写真・動画は、何を認知してもらうためのものだろう?
- コピーでは、必要性・違い・価格への納得まで説明できているだろうか?
- 広告からLP、問い合わせまでの数字はつながっているだろうか?
- 問い合わせたお客さんが、その後購入・契約したかまで確認できているだろうか?
- 今の広告は、どこまでは数字が見えていて、どこから先が見えていないだろう?
今日は改善しなくて構いません。
まず、どこで数字が途切れているのかを確認するだけで十分です。
写真による認知と、コピーによる販売を分断せず、最後の購入まで一本につなげて見る。
広告制作では、ここを基本にしておくと判断しやすくなると思います。
それでは!
よくある質問
-
広告では写真とコピーのどちらが重要ですか?
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どちらか一方ではなく役割が違います。この記事では、写真・動画を認知の入口、コピーを商品の必要性や違いを説明して販売を進める役割として整理しています。写真で見てもらえてもコピーで納得できなければ売れず、コピーが良くても広告自体を見てもらえなければ読まれません。
-
CPAが良ければ、広告はうまくいっていると考えていいですか?
-
何をCVとしているかによります。購入をCVとしているECなら事業成果に近いですが、問い合わせや資料請求をCVとしている場合は、その後の購入・契約まで確認しないと広告が本当に売上へ貢献したかは判断できません。
-
小規模な会社でも広告から購入まで追えますか?
-
高度なデータ基盤がなくても、広告の流入元、LP、問い合わせ内容、その後の購入・契約、金額などをスプレッドシート等で記録するところから始められます。まず「どこから先が見えていないか」を把握することが重要です。
P.S.
CTRが上がると嬉しいです。でも商売として欲しいのはクリックではなく購入です。写真で気づいてもらい、コピーで納得してもらい、最後に売れたかまで戻す。ここまでが一つの広告だと思います。
