幼い子どもが初めて文字に触れるのは、多くの場合、絵本です。
親が絵本を読んであげる中で、片言しか話せなかった小さな子どもが少しずつ言葉を覚え、文字を読めるようになり、やがて書けるようになる。
この過程は、多くの子どもたちがたどる典型的な道です。
親としては、子どもたちがより多くの言葉に触れられるよう、多種多様な絵本を揃えて読み聞かせをしていますよね。しかし、ただ多くの絵本を読んであげるだけでは不十分なんです。大切なのは「絵本を読みながらどう声をかけるか」。
これが子どもたちの言語や思考の発達に非常に重要な役割を果たします。

オックスフォード大学の研究チームが22組の親子を対象に調査を行いました。文字のある絵本、文字のない絵本、おもちゃで遊ぶ場合の言語相互作用を比較した結果、文字のない絵本を使ったときの方が子どもの発話が大幅に増えることが分かりました。
これは、文字がないことで親が物語を詳しく説明し、子どもと自由に対話する機会が増えたためです。
さらに、文字のない絵本を使った場合、親が子どもにかける声かけの自由度が高くなることも確認されました。
「この家にはどんな人が住んでいるんだろうね」
「この子はどんな気持ちになったと思う?」
といった、子どもの答えが自由になるオープンクエスチョンが増えることで、子どもの思考や言語の発達がより促進される可能性があります。
絵本を親子で読むときには、物語そのものが紡ぐ言葉に加えて、親の言葉かけも同じくらい重要です。
親として、子どもの思考や感情を豊かに育むために、質問や声かけを工夫しましょう。これが、子どもの健全な言語と認知の発達を促進するカギとなります。
参考
この研究では、親と3〜4歳の子供が「文字のない絵本の読み聞かせ」、「文字と絵のある絵本の読み聞かせ」、および「小さな世界の玩具遊び」を行う際の言語的相互作用の違いを調査しました。22組の親子がそれぞれの活動を自宅で録音し、親の言語入力が異なる状況でどのように異なるかを比較しました。結果、親は玩具遊びよりも絵本の読み聞かせ中に言語の拡張を多く使用し、特に文字のない絵本の読み聞かせでは開かれた質問や概念的な情報を追加する傾向が強いことが示されました。これにより、文字のない絵本はオープンエンドの利点と物語に基づく言語内容の利点を兼ね備えている可能性が示唆されました。
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