「やってください」より「やってみませんか?」が人を動かす理由

どうも岩崎です。

この前、娘に「宿題やった?」と聞いたら、 「今やろうと思ってた」と返されました。 たぶん、このセリフを聞いた親は全員うなずくと思います。 絶対やる気ないやつです。

そのあと私が「早くやりなさい」と言ったら、見事に無視。 ところが、「どっちからやる?算数?国語?」と聞いたら、 「うーん、じゃあ算数」と言って動いたんです。

その瞬間、私は悟りました。 人は命令では動かない。 でも質問されると動き出すんです。

人は「やれ」と言われると、やりたくなくなる

心理学ではこれをコントロール欲求といいます。 自分の行動は自分で決めたい、というやつです。

だから「やれ」と言われると抵抗し、 「やる?」と聞かれると動く。

不思議ですが、これが人間です。

ちなみにこの法則、家庭だけじゃなくビジネスでも完璧に当てはまります。

「今すぐ登録してください」よりも 「このチャンス、逃しますか?」の方がクリック率は上がる。

もうみんな天邪鬼なんです。

人は問いを投げられると、考えずにいられない

強いコピーは一瞬で心に刺さりますが、 良いコピーは頭の中であとからじわっと響くんです。

人って、問いを投げられると勝手に答えを探します。 「本当にこのままでいいのか?」 「もし今日が最後の日だったら?」 こういう問いが頭のどこかに残って、行動を後押しする。

つまり、行動を生むのは命令ではなく思考。 そして思考のスイッチを入れるのが、疑問形の力です。

問いをデザインに仕込む

コピーだけじゃなく、ビジュアルにもこの仕掛けは使えます。 たとえば、あえて視線の先が見えない写真。 人はその先を勝手に想像してしまうんです。

あるいは、空白をあえて残したレイアウト。 その余白を見て「ここに何が入るんだろう?」と考える。 それが視覚的な問いなんですね。

行動を生むデザインって、情報を詰め込むことじゃなくて、 想像させる余白を作ることなんです。

命令ではなく、共犯関係をつくる

疑問形の力って、要するに共犯関係をつくることだと思っています。 「あなたはどう思う?」と聞いた瞬間に、相手は参加者になる。 もうその時点で行動の半分は終わってるんです。

だから、マーケティングでも 「買ってください」より「あなたならどう使いますか?」の方が響く。 これは心理学じゃなく、生活の知恵に近いですね。

問いかけることで、人は“自分ごと”として動けるようになる。 これが、最も静かで強いアプローチです。

ビジュアルで「誘う」

ビジュアルマーケティングの世界でも同じです。 「見て」と言うより、見たくなるものを作る。 「読んで」と言うより、続きを見たくなる構図をつくる。

命令じゃなく、誘う。 その一歩手前の余白が、もっとも人を惹きつける。 強制じゃなく共感。 この微妙な温度差をデザインできる人が、 結果的に一番“売らなくても売れる”人になるんです。

P.S.
ちなみにあの日の宿題、娘は無事に終わらせました。 そのあと「お父さんも仕事する?」って聞かれて、 まんまと机に向かいました。 たぶん、私も疑問形の効果にやられたんでしょうね。 やってくださいより、やってみませんか。 これ、家庭でも職場でもマーケティングでも最強です。


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いわさきじゅん

1998年に広告制作会社で写真が始まり、アートイベント会社の広報として活動していました。まだあまりウェブマーケティングが普及していない2006年からSEO(検索エンジン対策)・リスティング広告(PPC広告)・LPO(ホームページ対策)・コピーライティングなど、サポートをしています。