どうも岩崎です。
たとえば、駅から近いけど、あんまり目立っていない蕎麦屋。
通りすがりでは気づかないけれど、昼どきになると地元の人が次々と入っていく。
外に派手な看板もないし、宣伝も見かけないのに、「気がつくといつも満席」。
私はああいう店を見るたびに、「目立たなくても選ばれてるって、こういうことか」と思います。
今回のテーマはまさに、その静かな人気の話です。

目立てば売れる?…実は逆の現象も起きている
よくある誤解が、「もっと見られたら、もっと売れる」という思い込み。
もちろん、見られることは大事です。でも、注目されればされるほど売れるとは限りません。
むしろ、売れない人ほど派手になり、売れる人ほど静かになっていく。
これは心理学でも説明できます。
人は「落ち着きのあるもの」「余裕があるもの」に信頼感を抱きやすい。
ギラギラした投稿や、押し売り的な言葉が並ぶと、本能的に身構えてしまうんですね。
だから、がんばって目立とうとしても、逆に「売れない空気」をつくってしまうこともあるんです。
静かな人気をつくる設計の話
では、どうすれば目立たなくても選ばれるようになるのか?
その鍵になるのが、「安心感」と「自然さ」の設計です。
おもしろいことに、売れている人ほど「押してない」んですよね。
たとえば、私の知人であるパン屋の店主さん。
SNSも広告も使わず、ただWebに最低限の情報を載せてるだけ。
でも、週末になると開店前からお客さんが並びます。
その理由はシンプルで、「来た人が安心する構成になっている」から。
- どんな人がやっているのか?
- どんな思いでつくっているのか?
- どう買えばいいのか?
このあたりが自然と伝わる見せ方になっている。
実際、写真や文章の順番にも工夫があります。
「まず見た目で安心させる」「次に人柄を伝える」「そして買い方を丁寧に見せる」
この順番がきちんとできているんですね。
売れない構成は順番がズレている
逆に、売れないパターンって、よく見ると順番がズレてることが多いです。
たとえば、いきなり価格や割引を打ち出してしまうとか。
プロフィールがないまま商品の説明だけをしているとか。
これは、駅前で「安いよ安いよ!」と叫んでる屋台と同じで、信頼よりも「安さ」だけで勝負してる状態。
すると、「なんとなく不安」「どこか怪しい」と感じられてしまう。
その結果、集客に苦しんで、「やっぱり私は向いてないのかも…」と自信を失ってしまう。
でも本当は、向き不向きじゃなくて、構成の問題なんです。
目立たず売れる仕組みのつくり方
私がよく伝えるのは、以下の3つの順番です。
- 価値観(あなたが何を大事にしてるか)
- 構造(それをどう形にしているか)
- 伝え方(どう表現して届けるか)
この順番がズレると、どれだけいいものでも伝わりません。
たとえば、まだ自分の中で「価値観」が定まっていないまま、無理にSNSで発信しようとすると、
どこか借り物っぽい言葉になって、薄っぺらく見えてしまう。
逆に、価値観がちゃんとあって、それに沿ったサービスや見せ方があるなら、
派手な発信がなくても自然と伝わります。
この「静かな設計」が、実は一番コスパがいいし、継続できるんですよね。
あなたはどんな空気感を伝えたいですか?
これから何かを伝えるとき、まずは「空気感」から考えてみてください。
言葉選び、写真の色味、文章のリズム。
それらすべてが「あなたっぽさ」をつくります。
そして、そのあなたらしさに安心した人が、
「なんか、ここ良さそう」「ちょっと話を聞いてみたい」と感じてくれるんです。
目立たず売れる仕組みとは、つまり「自分らしさを、そっと整えること」。
その積み重ねが、知らず知らずのうちに信頼となり、結果につながっていきます。
ではまた。
P.S.
この前、近所の書店で「売れてる本」じゃなくて「この本、いいですよ」とだけ手書きで紹介されていたエッセイを買ってみました。
表紙も地味で、タイトルも静か。でも、読み始めてすぐに「ああ、これは手元に置いておきたい本だな」と思いました。
選ばれる理由って、結局そういうことかもしれません。
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