どうも岩崎です。
この前、友人からちょっとだけ聞いてほしい話があると言われたんです。 その時点で、もう気になって仕方ないわけです。 たぶん誰でもそう。ここだけの話ほど、興味を引く言葉ってないですよね。
実はこれ、心理学でいう希少性の原理。 人は価値があるから動くのではなく、 限られているから動く生き物なんです。

手に入りにくいものは、価値があると錯覚する
人間の脳は、情報を手に入れられるかどうかで判断します。 限定、先着、残りわずか──この言葉を見ると、 価値の有無に関係なく欲しくなる。 これは理性ではなく、欠乏を避けたいという本能の反応です。
たとえばスーパーの本日限り。 普段なら買わないのに、なぜか手が伸びる。 これがまさに行動を生む錯覚です。
情報も、限定されると魅力を持つ
この原理はモノだけでなく情報にも当てはまります。 同じ内容でも、誰でも見られる情報より、 ここだけで話す情報の方が圧倒的に集中して聞かれる。
営業でもよく使われますが、 あなただけに共有しますの一言で、 相手の集中は跳ね上がる。 人は限定された自分に快感を覚えるんです。
ビジュアルでも、見せすぎないが効く
ビジュアルマーケティングでも同じ。 すべてを説明するより、少しだけ見せて想像させる方が記憶に残る。
たとえば、商品の一部だけを見せる写真。 全貌が見えないからこそ、見る人は脳内で補完を始める。 その瞬間に心理的参加が生まれ、印象が強くなるわけです。
つまり希少性は数量だけでなく、 情報量の限定にも使える。 隠すことが逆に引き寄せになる。写真表現でも本当に有効です。
少なさが、選ばれる理由になる
人はたくさんあるものより、少ししかないものを選びがち。 それは数の問題ではなく意味の問題です。 少ない=特別、限られている=信頼できる。 この短絡的な脳の仕組みを理解すると、見せ方も伝え方も変わります。
限定はテクニックではなく、約束
ただし、ここで多くの人が勘違いします。 数を減らせば売れるという短絡的な使い方です。 希少性の原理に価値があるのは、制限というルールが守られている時だけ。
先着10名限定と言いながら、あとから追加募集。 残りわずかと言い続けて、在庫は実は無限。 これを一度でもやると、 人はこの人の言葉は信用できないと感じます。
つまり、限定は信頼の約束です。 ルールを破れば、信頼も限定で終わる。 希少性は操作の小技ではなく、約束を貫く姿勢そのものだと考えてください。
P.S.
ちなみに友人のここだけの話は、ふたを開けたら大した内容ではありませんでした。 それでも最後まで真剣に聞いてしまった自分に笑ってしまう。 人は特別扱いされると、それだけで動く。 だからこそ、限定の設計と、その約束を守る姿勢が信頼を作るんですよね。
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