写真がなくても売れる。検索広告は「言葉のテスト」で反応を探す

この記事の要点

  • 検索広告では画像よりも、検索した人が「自分の探しているものだ」と判断できる言葉が重要です。
  • Google・Yahoo!のレスポンシブ検索広告では、複数の見出しと説明文を登録し、組み合わせを自動でテストできます。
  • 最初から1本のコピーを当てようとせず、悩み・結果・数字・対象・不安解消など複数の角度を用意する方が、反応する言葉を見つけやすくなります。

どうも岩崎です。

写真を撮る人間として、ちょっと悔しかった話があります。

あるクライアントさんの広告用に、かなり気合いを入れて写真を撮ったんですね。商品が一番きれいに見えるように光を作って、構図も何パターンか用意して、自分としてはかなり良い素材ができました。

で、後日できあがった広告を見せてもらったら、写真が全体の2割くらいしか使われていなかったんです。

残りはほとんど文字でした。

正直、最初は「これ、写真いらなかったんじゃない?」と思いましたw

ところが結果を聞いたら、その広告の反応がかなり良かったそうです。

さらに検索広告では、写真をほとんど頼らず、言葉を中心にした広告の数字が良かった。

そこで改めて思ったんですよ。

写真と文章って、どっちが上とか下じゃなくて、仕事が違うんだなと。

写真はまず目を止める。言葉は、そのあと「自分に関係がある」と理解してもらって、さらに行動する理由を作る。

写真だけですべて伝えようとしていたのは、撮る側の都合だったんですね。

で、今日は広告の「言葉」の話です。

検索広告では、言葉がかなり重要になる

GoogleやYahoo!の検索広告は、検索結果の中で見出しや説明文が大きな判断材料になります。

現在のGoogle検索広告には画像アセットが表示される場合もあるので、「検索広告には写真が一切ない」というわけではありません。

ただ、検索した人が最初に見て「これは自分が探しているものか」を判断するうえで、やっぱり言葉の役割はかなり大きいです。

例えば「東京 商品撮影」と検索した人に対して、

「あなたの未来を美しく変える写真を」

と言われても、ちょっと遠いですよね。

それより、

「東京の商品撮影|EC・広告用に対応」

の方が、一瞬で意味が分かります。

検索広告では、面白いことを言うより先に「あなたが探しているものはこれですよ」と返す方が大事なんですね。

検索した言葉を見出しへ返す

検索広告でまず考えたいのが、相手が検索窓に何と入力したのかです。

Google公式でも、レスポンシブ検索広告の見出しには、ターゲットとしているキーワードを少なくとも1つ含めることが推奨されています。検索した内容と広告の言葉が近いほど、「これ、自分が探していたやつだ」と判断しやすくなるからですね。

これ、コピーライティングとして考えると、以前お話ししたYOUメッセージにも近いです。

こちらが言いたい言葉を考える前に、相手がすでに頭の中で使っている言葉を使う。

自分で格好いいキャッチコピーを考えるより、お客さんの検索語をそのまま拾った方が強いことが普通にあります。

今の検索広告は「1本の完成コピー」を作るものではない

ここが昔の広告のイメージと少し違うところです。

現在のGoogleのレスポンシブ検索広告では、最低3本、最大15本の見出しと、最低2本、最大4本の説明文を登録できます。

登録した素材をGoogle側が組み合わせて表示し、どの組み合わせが検索内容に合いやすいかを学習していきます。

Yahoo! JAPAN広告のレスポンシブ検索広告も、タイトルは3〜15本、説明文は2〜4本登録でき、複数の素材を組み合わせて広告を生成・テストする仕組みです。

つまり今は、渾身のキャッチコピーを1本だけ作って「これで勝負!」というより、いろいろな角度の言葉を用意して、反応する組み合わせを探す方が実務に合っています。

この感覚、広告を作り慣れていない人ほど大事だと思います。

最初から正解を当てる必要がないんですよ。

というより、お客さんが何に一番反応するのかなんて、出してみないと分からないことの方が多いです。

自分が推したいことと、お客さんが反応することは違う

これ、広告をやっていると本当によくあります。

こちらは「技術力」を一番伝えたいと思っている。

でも実際に反応が良かったのは「駐車場あり」だった。

こちらは「20年の経験」が強いと思っている。

でもお客さんが一番気にしていたのは「当日予約できる」だった。

こういうことって普通にあります。

提供する側からすると当たり前すぎて価値だと思っていなかったことが、見込み客にとっては一番重要だったりするんですね。

なので、広告コピーは「私が一番言いたいことを決める」というより、「何が相手の判断材料になっているのかを探す」と考えた方がいいと思っています。

見出しは5つの角度から作ってみる

では具体的に、どんな見出しを用意すればいいのか。

最初は5つの角度に分けると作りやすいです。

  1. 悩みをそのまま言う
  2. 得られる結果を言う
  3. 数字や具体的な条件を入れる
  4. 誰向けなのかを明示する
  5. 申し込む前の不安を消す

例えば商品撮影なら、こんな感じです。

悩みなら、

「商品は良いのに写真で損していませんか?」

結果なら、

「ECで商品の魅力が伝わる写真を撮影」

具体性なら、

「東京都内の商品撮影|EC・広告対応」

対象なら、

「Amazon・楽天出店者向け商品撮影」

不安解消なら、

「撮影内容が決まっていなくても相談できます」

同じサービスの話なのに、入口が全部違いますよね。

この中のどれが一番刺さるかは、こちらの好みでは決められません。

だから複数出して確認します。

具体的な言葉の方が判断しやすい

もう一つ意識したいのが、曖昧な言葉を減らすことです。

  • 「高品質」
  • 「丁寧」
  • 「安心」

もちろん悪い言葉ではありません。

ただ、みんな使える言葉なので、それだけでは違いが分かりません。

それより、

  • 「相談時間60分」
  • 「新宿駅から徒歩5分」
  • 「Amazon・楽天用画像に対応」
  • 「最短○営業日で納品」

というように、対象、地域、数字、条件を入れると、読み手が判断しやすくなります。

広告って、格好良く見せることより、判断を楽にしてあげることの方が重要だったりするんですね。

画像の中の文字も「1メッセージ」にする

で、ここからはInstagramやFacebookなど、画像を使う広告の話です。

昔のMeta広告には、画像内の文字量をかなり気にして運用していた時代がありました。

ただ現在は、「画像の何%まで文字」という単純なルールを前提に広告を作るより、実際のクリエイティブとして読みやすいか、画像の意味がすぐ伝わるかを考えた方が実務的です。

私は広告画像の文字については、まず1つのメッセージに絞ることをおすすめしています。

写真の中に、商品名、価格、特徴5個、キャンペーン、電話番号、店名まで全部入れる。

これをやると、読む側は何から見ればいいのか分からなくなります。

それより、画像では一番強い一言だけ。

細かい説明は広告本文やLPへ渡す。

前回の「画像の仕事はまず止めること」という話にもつながります。

1本を磨く前に、まず5本並べる

今日一番やってほしいのはこれです。

自分の商品やサービスについて、広告見出しを5本書いてください。

1本だけじゃなくて、5本です。

  • 悩み。
  • 結果。
  • 数字や条件。
  • 対象者。
  • 不安解消。

この5方向から書いてみてください。

並べてみると、自分が普段どの角度からばかり話しているのかが、かなり分かります。

私も広告を作っていると、「また技術の話ばっかりしてるな」と気づくことがありますw

でも見込み客が聞きたいことは、そこじゃないかもしれない。

だから最初から1本を当てにいかない。

まず幅を作って、実際の反応から当たりを探す。

その後に、反応が良かった角度をもっと磨けばいいんです。

広告って、こちらのセンスを証明する場所ではなく、お客さんが何に反応するのかを知る場所でもあるんですよね。

それでは!

よくある質問

Google検索広告では見出しを何本用意すればいいですか?

Googleのレスポンシブ検索広告では、3〜15本の見出しと2〜4本の説明文を登録できます。最初から最大数を埋めることだけを目的にする必要はありませんが、同じ内容の言い換えばかりにせず、検索語、メリット、特徴、対象者、不安解消など違う角度の素材を用意するとテストしやすくなります。

検索キーワードは、そのまま広告文に入れた方がいいですか?

自然に意味が通るのであれば、見出しへ含める価値があります。Google公式も、ターゲットとしているキーワードを少なくとも1つ見出しに含めることを案内しています。ただし、全部の見出しをキーワードだけにせず、メリットや特徴など別の情報も用意することが推奨されています。

画像広告の中には、どれくらい文字を入れればいいですか?

固定の割合よりも、スマホで一瞬見た時に理解できるかを基準にした方が実践的です。まず一番伝えたい言葉だけを画像に置き、細かい説明は広告本文やLPへ分けます。文字を増やす場合も、何から読めばいいのか迷わない優先順位を作ることが重要です。

P.S.

文字を載せる前提で写真を撮るなら、「余白がある」だけでは足りません。

大事なのは、その余白が文字を読める背景になっているかです。

例えば白い壁、空、ぼけた背景、柄の少ないテーブル。こういう単調な面なら、あとから文字を置きやすいです。

反対に、空いているように見えても、その場所に棚や細かい柄、たくさんの商品が写っていたら、文字を載せた瞬間に読みにくくなります。

なので撮影する時に、一度頭の中でコピーを置いてみてください。

「ここに白い文字を入れたら読めるかな」

これだけです。

読みにくそうなら、背景をもっと整理するか、自分が少し動いて単純な背景を入れます。

人物や商品と背景の距離を取れるなら、背景をぼかして文字を置きやすくする方法もあります。

写真を撮る時って、被写体だけを見がちなんですが、広告では「あとから何を載せるか」まで考えておくと、急に使いやすい写真になります。

良い余白って、空いている場所じゃなくて、仕事をさせられる場所なんですよね。

いわさきじゅん

1998年に広告制作会社で写真が始まり、アートイベント会社の広報として活動していました。まだあまりウェブマーケティングが普及していない2006年からSEO(検索エンジン対策)・リスティング広告(PPC広告)・LPO(ホームページ対策)・コピーライティングなど、サポートをしています。