「完璧に見せよう」とするほど、人は離れていく

どうも岩崎です。

先日、ある講座で久しぶりに少し緊張していたんです。 新しい受講生も多くて、「よし、今日は完璧に話そう」と気合いを入れて臨みました。

ところが、冒頭でスライドを出した瞬間、思いっきり噛みました。 しかも二回連続で。 会場が一瞬シーンとなって、私の頭も真っ白です。

そのあと、苦し紛れに「すみません、朝のコーヒーがまだ効いてませんね」と言ったら、 会場がふっと笑ってくれました。 そこから空気が変わったんです。

完璧に見せようとした瞬間より、 弱みを見せた瞬間の方が、場が整う。

あの日ほど、自己開示の力を感じたことはありません。

完璧さは「壁」をつくり、弱さは「橋」をかける

心理学では、自己開示とは自分の内側を意図的に見せる行為のことを指します。 弱み・失敗・本音。 一見マイナスに思えるものが、実は信頼の入口なんです。

人は強い人に憧れます。 でも、心を開くのは“同じ人間だと感じた瞬間”。 完璧な人を見ると「すごい」と思うけど、 近づきたいとは思わないんですよね。

少し噛んだり、迷ったり、焦ったり。 その一瞬の人間らしさが、安心を生みます。

ブランドは「強さ」ではなく「温度」で記憶される

ビジネスではつい、「ちゃんと見せなきゃ」と思いがちです。 でも、強さよりも温度の方が人を動かす。 これはどんなブランドにも共通しています。

たとえば、SNSでずっと完璧な投稿をしている人って、 すごいけど、少し疲れる印象がありますよね。 逆に「今日の撮影、全然うまくいかなかった」とか、 ちょっとした失敗談を話す人の方が、 なぜかフォロワーが増えていたりする。

それは弱みが共感を生むからです。 人は成功に惹かれるのではなく、成長に惹かれる。 その途中経過こそが、信頼になるんです。

弱みを見せる=信頼を渡すということ

自己開示とは、ただ自分の話をすることではありません。 相手に信頼を先に渡す行為なんです。

「私はあなたを信じているから、隠さず話しますね」 という無言のメッセージが伝わる。 だから、相手も心を開く。 これは人間関係もマーケティングも同じです。

顧客も読者も、完璧なブランドよりも、 「人間らしいストーリー」に安心します。 だから私たちが本当に伝えるべきは、成果よりも過程。

その過程にこそ、信頼があります。

弱さは欠点じゃなく、共感の設計図

自己開示の力は、親近感を生むものでもあります。 失敗や不安を見せることは、弱さではなく、 「共感の余白を作ること」。

たとえば、講座で話していても、 私が理論だけ語っているときは、みんな静かです。 でも、「昔は全然できなかったんですよ」と言った瞬間に、 空気が変わる。 その瞬間に心の距離がゼロになるんです。

P.S.
あの日の講座が終わったあと、受講生の方に「先生も噛むんですね」って言われました。 その一言が妙にうれしくて。 きっと完璧な話より、一緒に笑えた失敗の方が記憶に残るんですよね。

だから今は、ちょっと噛んでも気にしません。

それも含めて、私の信頼だと思っています。


いわさき写真教室をもっと見る

購読すると最新の投稿がメールで送信されます。

いわさきじゅん

1998年に広告制作会社で写真が始まり、アートイベント会社の広報として活動していました。まだあまりウェブマーケティングが普及していない2006年からSEO(検索エンジン対策)・リスティング広告(PPC広告)・LPO(ホームページ対策)・コピーライティングなど、サポートをしています。