この記事の要点
- 人は相手の笑顔につられて表情が動くことがあり、心理学では「表情模倣」や「感情伝染」として研究されています。
- 笑顔は、それだけで売上を増やすわけではありませんが、親しみやすさや人間関係の作りやすさには影響します。
- 人物撮影でも、被写体に笑顔を求める前に、撮る側が笑える空気を作ることが大切です。
どうも岩崎です。
今日から少し、心理学にまつわる話をしていこうと思います。
最初は「笑顔」の話です。
赤ちゃんが笑っているのを見て、こっちまで笑ってしまったことありませんか?
テレビで誰かが大笑いしていると、何がおかしいのかよく分からないのに、なんとなく自分まで笑ってしまう。
反対に、目の前にいる人がずっと険しい顔をしていたら、こちらまで少し緊張しますよね。
人間って、自分だけで感情を作っているわけじゃないんです。
目の前にいる人の表情や声、雰囲気から、思っている以上に影響を受けています。
よく「ミラーリング効果」なんて言われますが、笑顔については心理学では、相手の表情を無意識に似せる「表情模倣」や、相手の感情に影響される「感情伝染」といった現象として研究されています。
難しい名前ですが、簡単に言えば、笑っている人の前にいると、自分も少し笑いやすくなるということですね。
で、ここからが面白いんです。
自分の笑顔が相手の表情に影響するなら、笑顔って自分だけのものじゃないですよね。
自分がどんな顔をしているかで、目の前の人の気分や、その場の空気まで少し変えていることになります。
そう考えると、笑顔って商売にも結構関係しているんじゃないかなと思うわけです。
笑顔を見ると、なぜこちらまで笑ってしまうのか
人は他人の表情を見ると、その表情に対応した顔の筋肉が無意識に反応することがあります。
笑っている人を見れば、こちらの表情も少し緩む。
怒っている人を見れば、こちらも身構える。
こうした表情模倣は、相手がどんな感情なのかを理解したり、コミュニケーションを取ったりすることにも関係していると考えられています。
つまり笑顔は、「私は楽しいです」という本人の情報だけではありません。
相手へ「ここは安心していい場所ですよ」という情報まで送っている可能性があるんですね。
これは仕事でも結構大きいと思います。
「よく笑う人は儲かる」は本当なのか
タイトルでは「よく笑う人は儲かる」と書きました。
もちろん、毎日笑っていたら銀行口座のお金が勝手に増えるという話ではありませんw
でも、人から好かれやすいとか、話しかけられやすいとか、相談されやすいというのは、仕事をする上で結構大きな差になりますよね。
例えば同じ商品を買うとしても、ずっと不機嫌そうな人と、笑顔で気持ちよく対応してくれる人なら、どちらから買いたいでしょうか。
同じことをお願いするとしても、怖い顔をしている人より、普段からよく笑っている人の方が話しかけやすいですよね。
こういう小さな差が、毎日積み重なっていきます。
人に話しかけられる。
相談される。
紹介される。
また一緒に仕事をしたいと思ってもらう。
商売って、こういうことの積み重ねだったりします。
そういう意味では「笑う門には福来たる」って、かなり本質的な言葉だと思うんですよ。
福が突然空から降ってくるわけじゃない。
多くの場合、人が持ってきてくれるんです。
だったら、人が近づきやすい人でいることは、仕事にとっても大切ですよね。
笑顔は「売る技術」ではなく、相手の前提を変える
ただし、ここを「売るために笑顔を作りましょう」と考えると、ちょっと違うと思っています。
作った笑顔って、意外と分かりますからね。
私は、笑顔そのものが人を動かしているというより、笑顔によって相手がこちらを受け入れやすい状態になることの方が大事だと思っています。
例えば、初めて行く店で店員さんが無表情だったら、ちょっと聞きたいことがあっても声をかけにくいですよね。
でも、目が合った時にニコッとしてくれれば、「この人なら聞いても大丈夫そうだ」と思えます。
商品が変わったわけではありません。
説明内容が変わったわけでもありません。
相手の中にある前提が変わったんです。
「話しかけにくい人」から「話しかけても大丈夫そうな人」へ変わった。
私は、この差がかなり大きいと思っています。
人物撮影では、カメラマンの顔も撮影機材の一つ
この話は、人物撮影をしているとものすごく実感します。
人物撮影で「笑ってください」と言うことがあります。
でも、カメラマン本人が真顔で、
「はい、笑ってください」
って言っても、そりゃ笑いづらいですよねw
だから私は、撮る前の空気をかなり大事にしています。
こちらから話す。
ちょっとくだらないことを言う。
自分が笑う。
すると相手も少しずつ笑うようになります。
「笑顔を作ってください」と要求しているのではなく、自然に笑える前提をこちらが作るんですね。
これ、私が写真を撮る時にすごく大事にしていることです。
写真の技術だけを考えれば、カメラマンの顔なんて写真には写りません。
でも、カメラマンの表情によって被写体の表情が変わるなら、最終的には写真へ写るんですよ。
そう考えると、カメラマン自身の表情も撮影機材の一つと言っていいんじゃないかなと思います。
笑顔は周りへ伝染する。だから会社でも同じ
撮影現場だけではありません。
会社でも同じだと思います。
社長がずっと機嫌悪そうにしていたら、社員は話しかけにくくなります。
「これ、おかしいと思うんですが」と気づいても、言いづらくなります。
すると、本当なら早く分かった問題が、後になって大きくなることもあります。
反対に、普段から話しかけやすい空気があれば、小さなことでも相談してもらいやすくなります。
これも笑顔だけで全部解決する話ではありません。
でも、自分の表情が「この人には話しかけても大丈夫なのか」という前提を作っていることは、意識しておいていいと思うんです。
笑うと自分の気分も変わるのか
もう一つ面白いのが、自分の表情と自分自身の感情との関係です。
普通は「楽しいから笑う」と考えますよね。
もちろん、それが基本です。
一方で、表情を作ることが、その後の気分に小さな影響を与える可能性も研究されています。
だからといって、「悲しい時でも無理やり大笑いすれば全部解決」という話ではありません。
そんな単純じゃないです。
でも、気分が少し落ちている時に、好きなお笑いを見るとか、家族とくだらない話をするとか、意識的に笑える状況を作るのは悪くないと思います。
笑いについては、ストレス反応などとの関係も研究されていて、笑うことがストレスを和らげる方向に働く可能性も報告されています。
ただし「笑えば病気が治る」といった話ではありません。
ここは分けて考えた方がいいですね。
無理に笑えない日は、笑わなくてもいい
あと、これも大事です。
いつでも笑っていればいいという話ではありません。
悲しい時もあります。
腹が立つ時もあります。
疲れて、誰とも話したくない時もあります。
そんな時まで「笑顔でいなきゃ」と無理をする必要はないと思います。
ただ、普段仕事をしている自分を一度思い出してみてください。
パソコンを見ながら難しい顔をして、そのままの顔で人と話していないでしょうか。
自分としては普通の顔でも、相手から見ると「今、話しかけない方がいいかな」と思われているかもしれません。
もしそうなら、相手と話す時だけでも少し表情を緩めてみる。
そのくらいからで十分です。
笑顔そのものより「笑える前提」を作る
今回の話をまとめると、私は「もっと笑いましょう」と言いたいわけではありません。
笑顔って結果だと思うんです。
安心できる。
話しやすい。
楽しい。
そういう前提があって、自然に笑顔が出ます。
だから商売でも撮影でも、「笑ってください」と要求するより、相手が笑える状態を作った方がいい。
これって結局、私がいつも言っている前提の話と同じなんですよね。
人の行動だけを変えようとするのではなく、その行動が自然に出る前提を先に作る。
笑顔も同じです。
そう考えると、「笑う門には福来たる」というのは、案外ものすごく合理的な話なのかもしれません。
笑顔があるところには、人が集まりやすい。
人が集まれば、会話が生まれる。
会話が生まれれば、仕事や情報が生まれる可能性も増える。
だったら「よく笑う人は儲かる」って、あながち間違いでもないですよね。
今週は、こんな人間の心理にまつわる話をしていこうと思います。
それでは!
よくある質問
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ミラーリング効果とは、相手と同じ動きをすることですか?
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一般には相手の姿勢や仕草、表情などを似せる現象をミラーリングと呼ぶことがあります。笑顔については、心理学では相手の表情を無意識に似せる「表情模倣」や、感情が影響し合う「感情伝染」という言葉で研究されることが多いです。
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笑顔でいると、本当に仕事や売上に影響しますか?
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笑顔だけで売上が増えると断定することはできません。ただ、親しみやすさや話しかけやすさ、人間関係の作りやすさに影響する可能性があります。仕事では、その小さな差が相談や紹介、再依頼につながることは十分考えられます。
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無理に笑顔を作っても効果はありますか?
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表情が気分へ多少影響する可能性は研究されていますが、無理に笑えば何でも良くなるわけではありません。相手に笑顔を要求するより、安心して話せる、楽しく過ごせるといった「自然に笑える前提」を作る方が大切だと思います。
P.S.
人物撮影では、被写体に「自然にしてください」と言うだけでは自然にならないんですよね。こちらが笑って、くだらない話をして、その人がカメラを意識しなくなるところまで持っていく。写真にはカメラマンの顔は写りませんが、その時のこちらの表情や空気は、最終的な写真にはちゃんと残ります。
