どうも岩崎です。
以前、とある経営者と打ち合わせをしていたときの話です。
普段はどちらかというと寡黙なタイプなんですが、 雑談の途中で「うちの奥さんがね」と話し始めたんです。
何気なく、「そのデザイン、奥さんのセンスすごくいいですよね」と伝えたら、 そこから一気に空気が変わりました。
それまでは無表情だったのに、急に嬉しそうな顔になって、 「そうなんですよ、彼女は本当にセンスが良くてね」と饒舌に。
そのあとはスムーズに。
こちらが提案する前に、「いいね、それやりましょう」と。
話の内容より、心の距離が一気に縮まった感覚でした。

本人より、信頼している人を認めた方が早い
心理学的には間接的承認と言われます。
相手を直接褒めるよりも、 その人が信頼している相手を褒めた方が、 感情的な影響が大きくなるんです。
上司なら奥さんや部下。 親なら子ども。 社長なら社員や右腕、古くからの仲間。
誰にでも「自分が信じている人」っているものです。
人は自分の選択を認められると、深いレベルで嬉しくなる。 つまり「あなたの見る目は正しい」と言われているのと同じです。
押すより、支える。直接より、間接。
これは営業や交渉にもそのまま応用できます。
「あなたにお願いしたい」とストレートに言うより、 「あなたのチームに合っていると思う」と伝える方が効果的なんです。
人は直接的に説得されると、無意識に身構えます。 でも、自分の周囲を認めてくれる人には自然と心を開く。
結果的に、「あなたを信頼している自分」を 肯定できるようになるわけです。
間接的に信頼を得る方が、 結局は一番早く、長く続くんですよね。
ビジュアルでも間接的共感を設計する
これはビジュアルの世界でも同じです。
最近は、経営者自身がしっかり顔を出して発信するケースが増えました。 信頼を得る上でも、覚悟や責任を伝える意味でも、これはとても良いことだと思います。
ただ、それだけだと理念や姿勢は伝わっても、 人となりや信頼の“あたたかさ”までは伝わりにくいことがあります。
たとえば、自社サイトやパンフレットのトップに、 経営者のポートレートを大きく載せるのも素晴らしいですが、 そこに仲間やお客さんとの関係性が感じられる一枚が加わると、 印象はまったく違ってきます。
人は「立派な人」よりも、「感じのいい空気」を信じます。 つまり、直接的な実績よりも、 間接的ににじむ関係性のあたたかさに反応するんです。
だからこそ、自分だけを前面に出すより、 一緒に働く仲間や、支えてくれる顧客の表情を通して信頼を伝えた方が届きやすい。
「私がすごい」より、 「支えてくれる人がいる」方が、 はるかに温度のある印象になります。
結局、人は関係性を見て安心する生き物なんです。
P.S.
やっぱり、信頼を得る一番の近道は、 正面突破じゃなく横からそっと支えることなんだと思います。
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