この記事の要点
- 動画は、見る人の時間をこちらの順番で使ってもらうものなので、冒頭で「続きを見る理由」を作る必要があります。
- 縦型動画広告では、ロゴや長い前置きよりも、最初から一番見せたい場面や「誰向けの話か」を出した方が内容を理解してもらいやすくなります。
- 動画全体を作り直す前に、まず最初の1カットだけを静止画として確認すると、改善点を見つけやすくなります。
どうも岩崎です。
写真をずっとやってきた人間が動画を撮り始めると、けっこうやりがちな失敗があります。
私もばっちりやりましたw
何をやったかというと、じっくり見せようとしたんですね。
まず店の外観をゆっくり映す。暖簾が揺れる。ドアが開く。店内が見えてきて、そこから少しずつ商品へ寄っていく。
写真集を1ページずつめくるような感じです。
自分では「雰囲気が出ていていいな」と思っていたんですけど、実際の再生データを見ると、かなり早い段階で離脱されていました。
まだ暖簾しか映っていないのに、もういないw
そこで改めて思ったんですよ。
写真と動画って、同じカメラで作るけど、見る側との関係がまったく違うなと。
写真と動画では「時間の主導権」が違う
写真は、見る側が自分のペースで見られます。
一瞬で飛ばしてもいいし、気になったら10秒でも30秒でも眺められる。どれだけ見るかを決めるのは相手です。
でも動画は少し違います。
こちらが「この順番で見てください」「この速度で見てください」と時間を指定します。
つまり動画って、相手の時間を少し借りて成立しているんですね。
しかもSNSや動画サービスでは、嫌ならすぐ次へ行けます。
借りている時間なので、いつ返されてもおかしくないわけです。
これを忘れると、作り手の都合で前置きがどんどん長くなります。
動画広告は、最初の1秒を先に考える
なので縦型の動画広告を作る時、私は最初の1秒をかなり重要視しています。
もちろん「1秒を超えたら終わり」という意味ではありません。
大事なのは、最初の一瞬で「この先を見る理由」があるかどうかです。
編集を凝る。BGMを選ぶ。テロップを格好良くする。色を調整する。
全部大事なんですけど、最初の場面で離脱されたら、その後にどれだけ頑張っても見てもらえません。
だから私は、動画全体を作る前に「1カット目に何を見せるか」を先に考えた方がいいと思っています。
知らない会社のロゴから始めても、見る理由にはならない
ここでよく見るのが、ロゴから始まる動画です。
会社のロゴが出て、少しアニメーションして、その後に商品が登場する。
作る側の気持ちはめちゃくちゃ分かります。
まず名乗るのが礼儀だと思うんですよね。
でも、まだ会社を知らない人からすると、そのロゴ自体にはほとんど情報がありません。
例えば私が知らない会社のロゴを2秒見せられても、
「おお!このロゴをもっと見たい!」
とはならないですよねw
それより、先に商品を見せる。結果を見せる。驚く場面を見せる。悩みを一言出す。
そして興味を持ってもらったあとで、「これは誰がやっているの?」とブランドを知ってもらえばいいんです。
動画広告は「音がなくても分かる」ように作る
もう一つ、動画を作る時に気をつけたいのが音です。
スマホ動画は、いつも音をしっかり聞いてもらえるとは限りません。
電車の中かもしれない。職場の休憩中かもしれない。周囲に人がいる場所かもしれない。
なので、音声でしか意味が分からない動画にしてしまうと、見る環境によって内容が伝わらなくなります。
例えば動画の冒頭で、
「実はこの商品の一番すごいところは……」
と話しているのに、映像にはただ商品が置いてあるだけ。
音を聞かなければ何の話か分かりません。
だったら画面にも、
「なぜ○○になる?」
「実は原因は○○です」
のように、最低限の意味が分かる情報を出しておく。
音があるともっと良い。でも音がなくても話は分かる。
この状態にしておくと、見てもらえる場面が増えます。
Metaのリールやストーリーズは「縦画面」を前提に作る
InstagramやFacebookのリール、ストーリーズでは、縦長の画面で動画を見る場面があります。
横長の動画をそのまま使うより、最初から縦型として構図を作った方が、スマホでは内容を大きく見せやすくなります。
ただし、画面を全部自由に使えるわけではありません。
アカウント名、説明文、ボタンなどの表示要素が動画の上に重なることがあります。
なので、商品名や価格、顔、絶対に読んでほしいテロップなどは、画面の端へ置きすぎない方が安全です。
「縦いっぱいに作れるから、端まで全部使おう」ではなく、重要なものは中央付近で成立させる。
これは縦型広告を撮る時の基本として覚えておくと便利です。
YouTube Shortsは「次へ行ける」前提で作る
YouTube Shortsも同じように、縦型の短い動画が連続して流れる場所です。
見ている人は、興味がなければすぐ次へ移れます。
なので、もったいぶって説明するより、冒頭で「誰に関係がある話なのか」を分かるようにした方がいいです。
例えば、
「ネットショップの写真を自分で撮っている方へ」
「広告を出しているのにクリックされない方へ」
「毎朝、髪を直すのに20分かかっている方へ」
という感じです。
全員に見てもらおうとすると、言葉がどんどん曖昧になります。
「すべての皆さまへ、素晴らしいお知らせです」
みたいになるw
それより「これは私の話だ」と思う人だけ残ってもらった方が、その後の話も伝えやすいです。
Yahoo!の動画広告も「どこで見られるか」を考える
Yahoo!のディスプレイ広告でも動画を使えます。
ここでも大事なのは、「Yahoo!だからこう作る」と一括りにすることではありません。
どんな配信面で、何をしている人に見せるのかを考えます。
例えば記事や情報を読んでいる途中に広告へ接触するのであれば、その人は広告動画をじっくり見るためにそこへ来たわけではありません。
この場合も、長い前置きから入るより、最初から要点が分かる動画の方が使いやすいです。
Meta、YouTube、Yahoo!で表示のされ方は違いますが、共通しているのは「相手は広告を見ることを目的に来ているとは限らない」ということなんですね。
動画の最初に「完成形」を見せてもいい
動画を作ると、つい時間順に並べたくなります。
料理なら、材料を並べる。
切る。
焼く。
盛り付ける。
最後に完成。
普通に考えれば、この順番ですよね。
でも広告なら、最初に完成した料理を見せてしまってもいいんです。
「これ、どうやって作ったの?」
と思ってもらってから、途中を見せる。
美容なら仕上がりから。
掃除なら、汚れが落ちる瞬間から。
商品なら、一番特徴が分かる場面から。
広告動画はドキュメンタリーではないので、時系列を守る必要はありません。
一番見たいところを先に見せていいんですね。
動画全部を作り直す前に、冒頭だけ変えてみる
動画広告が反応しない時に、全部を作り直そうとすると大変です。
撮影し直して、編集し直して、BGMを変えて、テロップを作り直して……。
動画って、画像1枚を差し替えるよりはるかに手間がかかります。
なので最初に試してほしいのが、冒頭だけを変えることです。
例えば同じ本編に対して、
商品の寄りから始める。
結果から始める。
悩みの言葉から始める。
人の表情から始める。
このように最初だけ数種類作ることができます。
本編は同じでも、入口が違えば見え方はかなり変わります。
これは前回お話しした広告コピーと同じですね。
最初から1本を当てにいくのではなく、入口をいくつか作って反応を見ます。
動画の最初の1コマを静止画で確認する
ということで、今日やってほしいことは簡単です。
すでに動画を持っている人は、その動画を開いて、一番最初で止めてください。
そして動画だと思わず、「広告写真が1枚表示されている」と思って見ます。
何の動画か分かりますか?
誰に関係がある話か分かりますか?
この先に何か起こりそうですか?
もし最初にロゴしか出ていない。真っ暗な画面からフェードインしている。店の外観を遠くから映している。
だったら、まずそこだけ変えてみてください。
一番見せたいところを、最初へ持ってくる。
動画を良くしようとすると、つい編集技術を増やしたくなるんですけど、実際には順番を変えるだけで済むこともあります。
もったいぶらない。
これだけでも、かなり作り方が変わると思います。
動画は、相手の時間を借りて始まります。
だから最初に「もう少し貸してもいいかな」と思ってもらう。
その1秒を作るところから始めてみてください。
それでは!
よくある質問
-
動画広告は何秒くらいにすればいいですか?
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最適な長さは媒体や伝える内容によって変わるため、一律には決められません。まず「伝えたいことを1つに絞れているか」を確認し、必要以上に前置きを長くしないことを優先します。同じ内容なら短い版と長い版を作って反応を比べる方法もあります。
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動画広告はロゴから始めない方がいいですか?
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すでに知名度の高いブランドなど、ロゴそのものに意味がある場合は別ですが、初めて見る人を対象にする広告では、商品・結果・悩みなど「続きを見る理由」になる情報から始める方が分かりやすい場合があります。ブランド名やロゴは、その後でも伝えられます。
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動画広告には字幕やテロップを入れた方がいいですか?
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音声を聞けない環境でも内容が分かるようにするという意味では有効です。ただし、話している内容をすべて文字にすると画面が読みにくくなることがあります。特に重要な言葉や結論を短く表示し、映像だけでも大筋が理解できる状態を目指すと作りやすくなります。
P.S.
動画の1カット目を作る時は、「動画を撮ろう」と考えず、まず広告写真を1枚撮るつもりで考えると分かりやすいです。
私は最初の画面だけ切り出しても成立するかを見るようにしています。
まず、何を見せたいのか分からないくらい引きすぎないこと。
店全体から始めるより、料理なら料理、商品なら商品、人なら表情や手元というように、最初から主役が分かる距離まで寄ります。
次に、動きを使えるなら「何かが始まる前」ではなく「何かが起きている最中」から入ります。
コーヒーなら、カップを置いてからではなく注いでいる瞬間。
料理なら、完成前の静止した皿より、湯気が上がっているところ。
商品なら、ただ置いてあるだけではなく、手に取るところ。
動きがあること自体が必ず正解というわけではありませんが、「このあとどうなるんだろう」と感じられる場面を選ぶと動画らしくなります。
そして縦型では、絶対に見せたい商品や顔、文字を画面の端へ寄せすぎないこと。
各サービスではアカウント名やボタンなどが画面に重なる場合があるので、重要なものは中央付近に置いておくと調整しやすいです。
それと、手ブレを嫌って最初から機材を増やしすぎる必要もありません。
もちろん意図しない大きな揺れは見づらくなりますが、固定されていること自体が良い動画を作るわけでもありません。
まずは「最初の1枚として何を見せるのか」。その次に動きや撮影方法を考える。
寄って主役を見せる。必要なら動きの途中から入る。大事なものは中央付近に置く。
この3つから試してみると、かなり作りやすくなると思いますよ。
