強みを探すより、私を伝える。売れるMSPの力とは?

どうも岩崎です。

私はこれまでたくさんの方に写真の使い方について一緒に考えてきましたが、
そのなかでよく聞くのが「自分にしかできないUSPを作りたいんです」というご相談です。

たしかに、自分だけの「強み」や「世界観」って魅力的な言葉ですし、
それを打ち出せば売れる、と思ってしまいますよね。

でも実際は、「オリジナルの世界観を出したのに反応がない…」
「差別化を頑張ったのに誰にも響いてない…」という方も多くいます。

「強み」があっても売れない理由

実は「USP(Unique Selling Proposition)」って、
こちら側からの視点だけなんです。

自分は「これがウリだ」と思っていても、
相手がそう感じなければ、それは強みとして機能しません。

料理で言えば「こだわりのスパイス」を全面に出したけど、
お客さんは「素材の味を楽しみたい」と思っているようなズレです。

つまり、伝わってないのではなく、伝える構造がないのが問題。

MSPとは、Me Selling Proposition

そこで私が大事にしているのが「MSP(Me Selling Proposition)」です。

これは、自分の経験や価値観、生き方、選んできた道を
「どう伝えるか?」にフォーカスした考え方です。

MSPは、いわゆる「実績」や「スキル」ではなく、
どんな価値観で、なぜそれをやっているのか?を明確にすることで、
相手が共感しやすくなる構造なんですね。

人は、スペックよりストーリーに惹かれます。

だから「写真が得意です」「◯◯の資格を持っています」よりも、
「なぜその写真を撮るのか」「どんな人に届けたいのか」の方が、
よほど記憶に残るし、信頼されやすい。

伝わる順番を間違えると、スルーされる

USPで「これがウリです」と伝えても、
土台となる信頼や共感がなければ、ただの自慢に見えてしまいます。

MSPでは、まず私を伝えて、
その上で価値をどう届けるか?という順番になります。

例えば私は、昔から「写真は観察だ」と思っているんですが、
これって、ビジネスでも同じで、相手の変化や背景に気づけないと
ズレたアピールをしてしまうんですよね。

「強みを出せば売れる」は正解じゃなくて、
伝わる順番と共感される構造があるかどうかが重要です。

あなたにしか書けないMSPの見つけ方

じゃあ、どうやってMSPを見つけるのか?というと、
難しく考えなくていいんです。

  • なぜこの仕事を選んだのか?
  • 何に感動して、それを届けたいと思ったのか?
  • どんな人を目の前にしたときに「これは自分の役割だ」と感じたのか?

これらを一つひとつ言葉にしていくこと。

別に「感動的な話」じゃなくてもいいんです。
日常の中のちょっとした出来事から、自分の価値観が垣間見えることってたくさんあります。

「お客さんに言われて嬉しかった一言」や、
「昔うまくいかなかったけど、こうしたら変わったこと」など、
自分にしか語れないミニストーリーを集めていくと、
自然とMSPの核が浮かび上がってきます。

数字では測れない価値こそ、伝えるべき

これからの時代は、「いかに良いモノを作るか」ではなく、
「なぜそれをやるのか」が共感されるかどうか
の時代です。

AIが出てきたことで、スキルや情報の価値は急速に均一化しています。
でも、あなたの人生や背景は、誰にもマネできません。

それを見せていくことこそが、最大の差別化であり、
結果的に「選ばれる理由」になります。

まずは一行でもいいから書いてみる

「伝え方がわからない」って思う人も多いですが、
完璧な言葉じゃなくて大丈夫です。

「自分はなぜ、これを届けたいと思ったのか」
それを一行でもいいので書き出してみてください。

それが、MSPのはじまりです。

人は、自分の価値を証明しようとすると疲れます。
でも、自分の信じてることを伝えたいと思ったとき、
言葉は自然と強くなります。

あなたが持っているものは、
実は「探して見つかる強み」ではなく、
「もうすでに持っているものを、どう見せるか」なんです。

今日から少しずつ、それを言葉にしていきましょう。

ではまた。

P.S.
最近「金魚の写真、癒されますね」と言われることが多いんですが、
実はあれ、水面を120分くらい観察してから撮ってます。
人も写真も「見えない時間」が一番大事なのかもしれません。


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いわさきじゅん

1998年に広告制作会社で写真が始まり、アートイベント会社の広報として活動していました。まだあまりウェブマーケティングが普及していない2006年からSEO(検索エンジン対策)・リスティング広告(PPC広告)・LPO(ホームページ対策)・コピーライティングなど、サポートをしています。