どうも岩崎です。
ある日の夜、妻にこう言われたんです。 「あなたって、自分のことより他人のこと褒める時の方が説得力あるよね」
一瞬「え、それって遠回しにディスってない?」と思いましたが、 それがまさに今回のテーマなんですよね。
ウィンザー効果──人は本人よりも第三者の言葉を信じる、という心理です。

自分で言うと売り込みになる。人に言われると本物になる。
たとえば、私が「岩崎の文章は読みやすいですよ」と言ったら、 きっと胡散臭く聞こえると思います。 でも、誰かが「あの人の文章、なんか元気出るよね」と言ってくれたら、 それだけで印象は変わります。
同じ内容でも、発信者が変わると意味が変わる。 これがウィンザー効果の面白いところなんです。
つまり、自分で自分を語るほど、信頼は薄まる。 逆に、他人が語るほど本物っぽく見える。
だからブランドって、自分が言葉を足せば足すほど、 薄まっていくんですよ。 一番響くのは、他人が自然にこぼした一言です。
信頼を自分で作るより語られる仕組みを作る
ウィンザー効果の本質は、信頼の間接構造です。 人は「誰が言ったか」で信頼を判断する。
これはマーケティングでも全く同じで、 商品ページで「すごい商品です!」と書くより、 「お客様からこんな声をいただきました」と見せた方が反応が上がる。 しかも、本人が言うよりも、たった数行の口コミの方が心に刺さる。
でも大事なのは、声を集めることではなく、 声が生まれるように設計することです。
自然に「誰かに話したくなる」瞬間を作る。 それが本当のウィンザー効果の活かし方なんです。
たとえば、ラーメン屋の行列って
たとえばラーメン屋の行列。 あれは味よりも「誰かが並んでる」ことが一番の広告です。 並んでる人の表情、湯気、香り、それ自体が口コミ。
SNSでも同じです。 「この人が紹介してたから気になる」という間接の信頼が生まれる。 つまり、味を説明するより、並ばせる仕組みを作る方が強いんです。
あなたが語らなくても、伝わるようにする
マーケティングって、実は沈黙のデザインでもあると思っています。 自分が喋らなくても、他人の言葉で自然に伝わる状態。 それを仕組みとして作るのが一番強い。
たとえば、お客様の声をただ載せるだけでなく、 そこに感情の余白を残しておく。 「この人の気持ち、ちょっとわかるかも」と思える一言の方が、 何十行の説明よりもずっと伝わるんです。
信頼は「直接」ではなく「伝染」する
信頼って、押しつけるものじゃなくて、 ふとしたタイミングで伝染するものなんですよね。 だから、強いブランドほど、 「自分のことを語るよりも、語られる瞬間」を大切にしている。
これ、恋愛も同じです。 直接「好きだよ」よりも、 「あの人、あなたのことすごく褒めてたよ」と言われる方が、 圧倒的に心が動く。 言葉じゃなく、他人経由の信頼なんです。
人は、他人の安心を見て、自分の不安を消す。 その構造を理解すれば、売ることも、伝えることも、もっと楽になります。
P.S.
ちなみにあの夜、妻はコーヒーメーカーを勧めてくれた見知らぬ人の話をしていました。「やっぱりあの人、説得力あったよね」って。それと同じことを言っていたのは、私なんですけどね。
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