マーケティングを学び始めると、どうしてもこんな期待を抱いてしまいますよね?
- 「マーケティングさえ学べば、何もかもがうまくいく!」
- 「成功すれば、いきなりお金持ちに!」
- 「夢を叶えて、人生が180度変わる!」
ええ、私もその一人でした。ですが、残念ながらこれは幻想です。きっぱり言いますが、幻想です。
現実はもっと泥臭くて、もっとコツコツした積み重ねの先にあるものです。15年以上マーケティングの現場で実践してきた経験から、これは断言できます。
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マーケティングは素晴らしいけれど、万能ではない
まず、マーケティングが素晴らしいスキルであることに間違いありません。私自身、マーケティングに出会い、人生が変わりました。「マーケティングを知らなければ、ここまで来られなかった」と胸を張って言えます。
それでも、マーケティングは魔法ではありません。実際、マーケティング業界にはこんな言葉があります。
- 「マーケティングの成功率は30%」
- 「予想なんて、たいてい外れるもの」
これを聞いて、「えっ、それって低くない?」と思う方もいるでしょう。でもこれは、ダン・ケネディ氏やジェイ・エイブラハム氏のようなマーケティング界の大御所たちも認める「現実」です。
私自身もこれまでに数十億円規模の売上を生み出してきましたが、それでも確信しているのは、「3割成功すれば上出来」という事実です。
野球とマーケティングの意外な共通点
この「成功率3割」という数字を聞いて、野球を思い浮かべる方もいるかもしれません。
打率3割。これは野球界では「一流選手」の証です。でも、よく考えてみてください。一流の打者でさえ、7割は凡打なんです。
それなら、マーケティングでも「3割成功すれば十分」だと思えませんか?
ただし、ここで大切なのは、この3割を手にするために何度も打席に立つことです。凡打を恐れて打席に立たない選手がヒットを打てないのと同じで、行動しなければ成功もあり得ません。
写真で語る「失敗の価値」
マーケティングの成功を目指すうえで、写真撮影がとても良い例えになります。
プロの写真家は、1枚の完璧な写真を撮るために100枚、200枚とシャッターを切ります。その中で本当に「これだ!」と思える写真は、ほんの数枚。いや、場合によっては1枚だけかもしれません。
でも、その1枚が価値を生むんです。その1枚のために、たくさんの試行錯誤と失敗を繰り返す。それがプロの仕事です。
私は広告写真の現場で7年間学びましたが、先輩カメラマンがいつも言っていた言葉があります。
「いい写真を撮るには、失敗をたくさんするしかない」
これって、マーケティングとまったく同じだと思いませんか?
「影響の輪」と「関心の輪」で行動を評価する
ここで役立つのが、スティーブン・R・コヴィー氏の提唱する「影響の輪」と「関心の輪」です。わからない人はググってみてください。
- 影響の輪:自分でコントロールできる行動や態度。
- 関心の輪:コントロールできない結果や未来。
たとえば、写真撮影でシャッターを切ることは「影響の輪」に含まれますが、その写真がコンテストで評価されるかどうかは「関心の輪」に入ります。
マーケティングでも同じです。結果を完璧にコントロールすることはできませんが、行動を積み重ねることで、結果に近づく確率を上げることができます。
成功率3割を受け入れた先に広がる世界
「どうせ10回テストしないといけないなら、さっさと10回やってしまおう」。
この軽い気持ちで行動することが、まず第一歩です。
3割の成功率を受け入れることで、結果が出ないことへの不安が減り、気持ちに余裕が生まれます。そして、成功に向けた行動が自然と増えていくのです。
魔法よりも実践:地道なテストを続けよう
マーケティングには「これさえやれば成功する」という魔法のような方法はありません。むしろ、小さな成功を積み重ねていくのが現実的な道です。
大切なのは、一発勝負を目指すのではなく、地道に行動を繰り返し、得られたデータを基に改善を続けること。これが、最終的に大きな成果を生む方法です。
商品を売るとか、問い合わせを増やすとか、見込み客を増やすとかみんなそれぞれに目標があるわけですが、根拠のある目標に突き進んでほしいな思います。
この「根拠のある目標」については、ちょっと長くなるので、このあたりの話はまた別の機会に。