マーケティングを学び始めると、多くの人が以下のような幻想を抱きます。
- 「マーケティングスキルを身につければ、失敗せずに成功できる!」
- 「マーケティングで成功すれば、お金持ちになれる!」
- 「マーケティングで夢を叶えられる!」
- 「マーケティングで人生を変えられる!」
私も同じでした。
が、これは幻想です。悲しい事ですが、幻想です。
マーケティングは万能ではない
マーケティングは確かに素晴らしいスキルです。
経営者全員の人に学んでほしいって思ってます。私は本当にマーケティングで人生変わりましたからね。そんなステキなマーケティングなんですが、マーケティングの世界には、こんな言葉もあるんですね。
「マーケティングの成功率は30%」
「予想なんてどうせ当たらない」
これがマーケティング業界での普遍的な「共通言語」です。
「まともな」マーケッターやコンサルタントほど、これをよく理解してると思います。
日本トップのマーケティング会社の某D出版さんも、
マーケティングのグルのダン・ケネディおじさんも、
ジェイ・エイブラハムおじさんも、
いわゆる一流マーケッターも、みんな同じようなことを言っています。多分。
私は彼らの足元にも及ばないペーペーですが、もう15年以上、ゴリゴリにマーケティングを勉強してきました。これまで学びに使った金額は、数千万円を超えますし、今でも毎年数百万円は勉強代に使っています。
もちろん実践もバリバリしてきました。
クライアントのものを含めれば、数十億円分の売上構築には携わってきました。
展示会も、スタジオ経営だって、ケースはたくさんあります。
他にも、金魚屋も、お茶の貿易業も、ハンドメイドだって、同じです。
全て、行動した結果を修正しただけなんです。
なので、多少は説得力がある判断をできると思うんですが、その結果として言えるのは、
「マーケティングの成功率は30%」
「予想なんてどうせ当たらない」
は、間違いなく真実です。
本当につまんない結論ですね。
でも、マーケティングをやればやるほどわかりますけど、実際には予想なんて大半は外れますし、思い通りなんていきません。
「マーケティングを学んでいない人に比べたら」その確率が、圧倒的に高いというだけです。
このマーケティングを身に着けて経験を積むほど、失敗には凹まなくなります。
ハプニングとか想像通りにいかないことがあっても
「まあそんなこともあるよね」
「一発でうまくいくはずなんてない」
「なるほど、この結果ね。はい次々」
という、心穏やかな悟りを開いた状態になります。
国家試験の合格率も、起業の成功率も、営業成績も、恋愛も投資も30%です。
例えば、野球の場合だと、打率3割で一流と言われています。
つまり、7割は凡打「失敗」です。
では、7割は失敗しているバッターは、ヘボくて、スキルが足らなくて、頑張ってきたことが無意味なのかって言ったら、そんなわけないですよね。
だって3割打てれば、そもそも上出来の世界なわけですし、練習をしていないバッターは1割も打てないんですから。
「3割は間違いなく一流」で
マーケティングもまったく同じで
施策の成功確率3割は間違いなく一流
この前提認識はめちゃくちゃ大事になってきます。
マーケティングを学ぼうとしている大半の人は「3割はショボい」と思っているからです。
- マーケティングで成功確率10割を求めることは、野球では打率10割を目指すようなものです。(スーパー天才の大谷くんでも無理なのに)
- マーケティングで思い通りの結果にならない、施策の1回や2回で凹むのは、野球ではヒットが打てなかった、たった1打席や2打席で凹むようなものです。 (スーパー天才の大谷くんでも無理なのに)
- マーケティングで失敗が怖くて、いつまでもチャレンジしないのは、野球では一度の凡打が怖くていつまでも打席に立たないようなものです。 (スーパー天才の大谷くんでも無理なのに)
そもそも無理で非現実的なことに対して、勝手に期待をして、勝手に裏切られ、勝手に凹むのってバカバカしいですよね。まあ昔の私がまさにそうだったんですが。
その経験から老婆心でお伝えすると「マーケティングってそういうもん」って基準値を知っておくのは、すごく大事だと思います。
とは言っても、やっぱ思い通りにならないと、不安にもなりますよね。
私のように10年以上苦行を積んでブッダのように悟りを開けるようになると、正直あまり気になりませんが、修行時代にはやっぱり難しいのが現実です。
これが本当に苦しいです。
3割どころか、5割でも満足する事ができず、新しい魔法のようなノウハウを模索してしまうパターンってすごく多いんです。
つまり、新しい魔法のようなノウハウではなくて、普遍的で拡張性のあるものをやっていきましょう。
「影響の輪」と「関心の輪」
ここから解脱するオススメの方法としては、結果ベースの評価じゃなくて、行動ベースでの評価に変えることです。
結果はコントロールできませんが、行動はコントロールできますよね。
もちろん、プロカメラマンになれるかどうかは運ですけど、プロになるために頑張っていれば、確実に写真はめちゃくちゃうまくなっていくって感じです。
あの有名な「影響の輪」と「関心の輪」ってやつですね。 (知らない方はググってみてください)
自分自身の態度、考え方、言動、行動は「影響の輪」ですが、
その結果は「関心の輪」です。
結果、未来は誰にもわからないですし、コントロールもできませんけど、行動はできます。
結果、未来は誰にもわかりませんけど、良い結果になるように努力をしたことは、確実にあなた自身が骨太になっていきます。
なので、「これはテストなんだ。どうせ10回テストしないといけないんだから、とっとと10回やってしまおう」っていうマインドが大事だっていう事です。
思った結果が出なかったのは、失敗では無くて、単に7/10に当たったってだけで、失敗でもないし、能力不足でもないし、単なるテスト結果だということ。
3割当たれば上出来なんだから、早く10個やって、3割に当たったモン勝ちです。
なので安心してガンガン経験を積みましょう。
一発勝負と積み重ね勝負
ちょっと夢のない話かもしれませんけど、この2つの違いは覚えておいてください。
- 絶対に失敗したくないし、失敗はダメだと思っている。そして、思い通りの結果にならないと凹んでしまう人。と
- 思った通りの結果なんて出ないのが普通と思っている。テスト結果がわかっただけで失敗と思っていない。そもそも3割しか当たらないのが普通なので、思い通りにならなくても気にならない人。
この2つはまったく違うんですよね。
前者は一発勝負で、後者は積み重ね勝負。
後者のほうがだんぜん楽だし、だんぜん結果は出やすいです。
思ったような結果が出なくても、それは能力がないことでもないし、恥ずかしいことでもないです。一番恥ずかしいのは、ビビって、かっこつけて、まったく打席に立たないことです。
ちなみにマーケティング会社で評価される人材は
「能力は高いかもしんないけど実践が遅い人」
ではなくて「サクサクやる人」。
ウダウダ言っていつまでもやらない人は、戦力外通告になってしまいます。
どうせ当たらない予想などに時間を費やすのはやめて、とっととスタートしてしまいましょう。
ビジネスで結果を出しやすいのは、12ヶ月かけて1個の施策をして成功した人ではなくて、何個の施策をしても良いので11ヶ月目で当たりの施策を1つでも出した人の方のが結果は出やすいです。
ひとり経営者の人はとくに、これが身軽できるので、サクサクやった方が成功の確率は高くなっていきます。
一応、最後に夢のある話を少し補足をしておくと、マーケティングをどんなに学んでも100%当てることはできませんが、めちゃくちゃ大きなボーナスがあります。
達成確率の高い「根拠のある目標」
どんなことがあるかというと、
- そもそも、最初から絶対に高い確率でコケるだろうと考えるので、及第点以下のことをスタート時点でやらなくて済む。
- テスト結果の数字で良い兆しが見えはじめたら、その材料を餌にすれば、その後の成功確率は急激に高くなるので、アクセルを踏み込んでレバレッジをかけられる。
とくに、「2」はめちゃくちゃ重要です。
売れそうな商品にレバレッジをかけるのではなくて、売れる商品にレバレッジがかけられるという事になります。
やっぱり根拠のない目標は、達成確率の低い、単なる夢や希望や願望にしか過ぎません。
でも「2」の場合は、達成確率の高い「根拠のある目標」になっていきます。
商品を売るとか、問い合わせを増やすとか、見込み客を増やすとかみんなそれぞれに目標があるわけですが、根拠のある目標に突き進んでほしいな思います。
この「根拠のある目標」については、ちょっと長くなるので、このあたりの話はまた別の機会に。