「なぜ悪化したのか?」を解くための指標の読み方 CPM・CPA・ターゲットの関係

この記事の結論

  • フロントエンドCPAが悪化したときは、まず売上側ではなく「どのポイントから崩れたか」を特定するために、オプトインCPA・クリック率・CPMの順でさかのぼって見る。
  • 良かった時期と悪化した時期を比較し、数値だけでなく「ターゲットの設定」と「クリエイティブの変化」がどこで変わったかをセットで確認する。
  • CPMが下がったときは喜ぶ前に「ターゲットが広がりすぎて、本当に来てほしい層からズレ始めたサインではないか」を必ず疑う。

どうも岩崎です。

前回は「CPMが半分になったのに売上が落ちる」という、広告あるあるのパターンをケーススタディとして整理しました。今回はもう一歩踏み込んで、「なぜ悪化したのか」を指標から読み解くときの考え方をまとめてみます。

フロントエンドCPAが悪化したとき、多くの人が真っ先に見るのはオプトインCPAやCPMです。もちろんそれも大事なのですが、闇雲に数字を眺めても、だいたいモヤモヤしたまま管理画面を閉じることになります。

大事なのは「何から順番に見るか」と「数字の変化をどう解釈するか」です。この二つが決まっていると、落ち込むだけで終わらず、ちゃんと仮説までたどり着けるようになります。

フロントエンドCPAが悪化したときの思考の順番

まず、フロントエンドCPAが明らかに悪化していると分かったとき、私がいつもたどる順番はこんな感じです。

  • 1. オプトインCPAはどう変わったか。
  • 2. クリック率とリンククリック数はどうか。
  • 3. CPMはどのくらい変動しているか。
  • 4. そのタイミングで、ターゲット設定とクリエイティブにどんな変更を加えたか。

ざっくり言うと、フロントエンドから逆流するように、上流の数字をさかのぼっていきます。フロントエンドCPAだけを見ていても原因は分からないので、「どの地点から崩れ始めたのか」を切り分けるイメージです。

例えば、

  • フロントエンドCPAだけが悪化していて、オプトインCPAまでは変わっていない場合。
  • オプトインCPAの時点で悪化しており、クリック率やCPMも一緒に変わっている場合。

この二つでは、対策する場所がまったく違います。前者は登録後の教育シナリオやオファー側の問題の可能性が高いですし、後者は広告とランディングページ、ターゲット設定そのものを見直す必要があります。

良かった時期と悪化した時期を「セット」で比較する

次にやるのは、「調子が良かった時期」と「悪化した時期」を並べて見ることです。ここで見るのは数字だけではなく、設定やクリエイティブの変化も含めた全体像です。

シンプルな例ですが、こんな感じでメモを並べます。

  • 調子が良かった月
    ・CPM 10,000円
    ・クリック率 1.2%
    ・オプトインCPA 4,000円
    ・フロントエンドCPA 20,000円
    ・ターゲット:過去購入者類似+特定の興味関心
    ・クリエイティブ:やや専門的な内容、文章多め
  • 悪化した月
    ・CPM 6,000円
    ・クリック率 1.5%
    ・オプトインCPA 2,500円
    ・フロントエンドCPA 40,000円
    ・ターゲット:年齢幅を広げ、興味関心も追加してボリューム拡大
    ・クリエイティブ:キャッチーな表現に変えて、間口を広げた

この二つを並べて眺めると、「オプトインまでは確かに良くなっているけれど、フロントエンドの質は落ちている」という構図が見えてきます。ここで初めて「ターゲットが広がりすぎて、本当に来てほしい層の割合が薄くなっているのでは」といった仮説が立てられます。

CPMが下がったときこそ、ターゲットのズレを疑う

CPMは広告運用でよく出てくる指標ですが、「安ければ安いほど良い」と思われがちです。もちろん、狙っているターゲットにそのまま届いている前提であれば、CPMが下がるのはありがたい話です。

問題は、「CPMが下がるときの多くは、配信先が変わっている」という点です。競合が多く、広告主が取り合いをしている層はCPMが高くなりやすいです。そこからターゲットを広げたり、クリエイティブの間口を広げたりすると、競合が少ないゾーンにも広告が出るようになります。

その結果として、

  • CPMが下がる。
  • インプレッションが増える。
  • クリックやオプトインも増える。
  • でもフロントエンドCPAは悪化していく。

という流れになることが多いです。実店舗で言えば、「本当に買ってほしいお客さんが来る駅前の一等地」から、「とりあえず人通りは多い郊外の広場」に移動してしまったイメージに近いです。

だからこそ、CPMが急に下がったときは、喜ぶ前に「誰に届くようになった結果のCPMなのか」を必ず確認するようにしています。

CPM・CPAは「結果」ではなく「手がかり」として使う

ここまで書いておいて身も蓋もないのですが、CPMもオプトインCPAも、それ自体はゴールではありません。あくまで「何が起きているかを推理するための手がかり」です。

例えば、

  • フロントエンドCPAが悪化していて、同時にCPMが急に下がっているなら、ターゲットが広がりすぎたサインかもしれない。
  • フロントエンドCPAは変わらないのに、オプトインCPAだけ急に上がったなら、ランディングページ側のメッセージが合わなくなった可能性がある。
  • どれも変わっていないのに売上だけ落ちているなら、登録後のシナリオやオファーの鮮度が落ちているかもしれない。

こんなふうに、指標はあくまで「問いを立てるための材料」として使うと、数字との付き合い方がだいぶ楽になります。

次回は、ここで触れた内容をもう少し整理して、「広告代理店が見せてくる数字」と「自分のビジネスとして本当に見たい数字」の違いをまとめていきます。

ではまた。

P.S.

最近、ちょっと体重が増えてきたので真剣に悩んでいたのですが、まず最初にやったのが体重計の買い替えでした。

冷静に考えたら、原因は夜中のアイスとポテチであって、体重計ではないんですよね。でも数字だけ見ていると、「計測する道具」を疑いたくなってしまいます。

広告も同じで、CPMやCPAの数字だけをじっと見ていると、「何かのせい」にしたくなるんですが、だいたい原因はもう少し本質的なところにある気がしています。


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いわさきじゅん

1998年に広告制作会社で写真が始まり、アートイベント会社の広報として活動していました。まだあまりウェブマーケティングが普及していない2006年からSEO(検索エンジン対策)・リスティング広告(PPC広告)・LPO(ホームページ対策)・コピーライティングなど、サポートをしています。