人は情報ではなく、見た目に判断を動かされることがあります

この記事の要点

  • 人は内容だけでなく、誰がどんな表情で伝えるかにも影響を受けます。
  • アバターの表情は、人間の顔以上に意思決定へ影響する可能性があります。
  • これからの情報リテラシーは、情報の正しさだけでなく、提示のされ方まで見る視点が大切です。

どうも岩崎です。

人と話していて、この人の言っていることより、言い方のほうが気になるなと思うことってありますよね。さらに言えば、言い方よりも、表情とか雰囲気とか、そっちに先に反応してしまうこともある。内容は同じでも、少しやわらかい顔で言われると受け入れやすいし、逆に正しいことでも、妙に圧があると身構えてしまう。人間って、案外そういうものなんです。

で、これがリアルな人間相手だけの話ではないらしいんですね。最近の研究では、アバターの表情が、人の意思決定に影響する可能性が示されています。

人は内容だけで判断しているわけではない

この研究では、参加者に、確実に少額が得られる選択肢と、不確実だけれど高額が得られる選択肢を提示し、その選択のあとに、観察者の表情を見せる実験が行われました。そこで、人間の顔よりもアバターの顔のほうが、参加者がリスクの高い選択をしやすくなる傾向が見られたというんですね。

ここ、かなり面白いところです。私たちは、自分は内容を理解して、理屈で選んでいると思いたい。でも実際には、表情、雰囲気、曖昧な好感、そういうものが、判断の中にかなり入り込んでいるわけです。

しかも相手が現実の人間ではなく、作られた存在であっても、その影響を受けてしまう。ここが今っぽいし、同時に、かなり本質的な話だと思うわけです。

曖昧な表情ほど、脳は都合よく受け取ることがある

研究では、アバターの表情は人間の表情よりも曖昧に受け取られやすく、その曖昧さが、かえって好意的に評価される可能性があるとされています。つまり、はっきりしないからこそ、見る側が勝手に安心材料を足してしまうわけです。

これ、日常でもありますよね。何を考えているかわからない人に対して、不安になることもあれば、逆に、自分に都合よく解釈してしまうこともある。アバターやキャラクターの表情って、まさにその余白が大きいんです。だから、見る人の感情や期待が、入り込みやすいのかもしれません。

私はこの話、広告やビジュアル設計をやっている人には特に重要だと思っています。人は文章を読む前に、空気を読んでいるんですね。色、形、顔つき、距離感、親しみやすさ。そういう視覚要素が、内容の手前で意味を作ってしまう。つまり、情報の中身だけで勝負しているつもりでも、実際には見せ方の時点でかなり決まっていることがあるわけです。

これから必要なのは、演出を見抜く情報リテラシー

これまでは、情報リテラシーというと、この情報は本当か、この発信元は信頼できるか、という話が中心でした。もちろんそれは今も大事です。でも、これからはそれだけでは足りないと思うんですね。

この表情に安心していないか。この雰囲気に流されていないか。この見た目の心地よさに、自分の判断を預けていないか。そこまで見ないと、AI時代の情報には向き合えない気がします。

AIアシスタント、バーチャル接客、広告のキャラクター、動画のナビゲーター。これから、私たちは人間ではない存在と、どんどん関わるようになります。そのとき、見た目がやさしいから信頼する、親しみやすいから安心する、という反応は、ますます自然に起きるはずです。だからこそ、私はその仕組みを知っておいた方がいいと思うわけです。

今日のDAY3で言いたいのは、これですね。

人は情報を読んでいるようで、実は先に雰囲気を読んでいる。内容を見て選んでいるつもりでも、見た目や表情にかなり動かされている。そしてその影響は、相手が人間かアバターかに関係なく起こりうる。

だから、見る力というのは、デザインを作る人だけでなく、情報を受け取る側にも必要なんですね。見た目に騙されるな、という乱暴な話ではなく、見た目も判断材料になっていると知っておく。その認識だけで、かなり変わると思うわけです。

よくある質問

アバターは人間より信用されやすいのですか?

常にそうとは限りません。ただし、表情の曖昧さや親しみやすさが、判断に影響する可能性は示されています。

これは広告やSNSにも関係しますか?

かなり関係します。誰が、どんな表情で、どんな雰囲気で情報を出すかは、反応や判断に影響します。

どう気をつければよいですか?

情報の中身を見るのはもちろんですが、自分が表情や雰囲気にどのくらい引っぱられているかも意識してみることが大切です。

P.S.

人は中身が大事ですと言いながら、ちゃんと見た目にも動かされるんですよね。これは弱さというより、人間の仕様なんだと思います。だからこそ、使う側も、受け取る側も、その仕組みを知っておいた方がいい。私はそう思うわけです。

参考


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いわさきじゅん

1998年に広告制作会社で写真が始まり、アートイベント会社の広報として活動していました。まだあまりウェブマーケティングが普及していない2006年からSEO(検索エンジン対策)・リスティング広告(PPC広告)・LPO(ホームページ対策)・コピーライティングなど、サポートをしています。