この記事の要点
- 老化に対する自己認識は、転倒後の回復のしかたと関係する可能性があります。
- 人は現実そのものだけでなく、その現実をどう受け止めているかにも影響されるのかもしれません。
- 私は専門家として断定する立場ではありませんが、老いの見え方を整えることにも意味があるように感じます。
どうも岩崎です。
年齢の話になると、もう若くないからね、と笑って済ませることってありますよね。あれはあれで便利なんです。場も荒れないし、自虐としても使いやすい。でも、そういう言葉を何度も自分にかけていると、気分だけじゃなく、動き方まで少しずつ変わっていくことがあるのかもしれません。
最近の研究を見ていて、そう感じたんですね。老いをどう受け止めるかが、その後の身体の回復のしかたと関係している可能性がある、という報告が出ていました。

老いの受け止め方は、体の動きにも関係するのかもしれません
JAGSに掲載された研究では、老化に対する自己認識が前向きな人ほど、転倒後の歩行速度の低下や日常生活動作の低下、身体活動の減少が起こりにくい可能性が示されたそうです。
もちろん、前向きに考えれば何でも良くなる、という単純な話ではないと思います。私は専門家ではありませんし、ここで治療や診断の話をするつもりもありません。ただ、研究を見ていると、人は年齢という現実そのものだけでなく、その現実をどう受け止めているかにも影響されているのかもしれない、と感じるわけです。
人は鏡の中の自分に、思っている以上に影響されているのかもしれません
私はこの1週間、ずっと視覚の話をしてきました。見えるもの、見えないもの、見せ方、見え方。その最後に出てくるのは、結局、自分で自分をどう見ているか、なんですね。
もう年だから仕方ない、と見るのか。まだ整えられることはある、と見るのか。その違いは、言葉の違いに見えて、実は歩き方や立ち上がり方、出かける気持ち、回復しようとする姿勢にまで少しずつ影響しているのかもしれません。
こういう話は、気分論にされやすいんですが、私はむしろ逆で、人間らしい現実の話だと思っています。人は数字だけで動いているわけでも、筋力だけで動いているわけでもない。自分をどう見ているか、その物語にも引っぱられているわけです。
前向きに受け止めることは、無理に元気ぶることとは違う気がします
ここで誤解したくないのは、前向きに考えましょう、元気を出しましょう、という話ではないことですね。年齢を重ねれば、落ちる機能もあるし、不安も出るし、痛みもあります。それは事実です。
ただ、その事実を、もう終わりだと受け取るのか、付き合い方を考えようと受け取るのかで、その後の行動は少し変わるのかもしれません。私はその違いに、今回の研究の面白さがあるように思いました。
昔のYale系の研究でも、老化に対する前向きな自己認識を持つ人のほうが、平均で7.5年長く生きたと報告されています。もちろん、これもそのまま人生の答えにする話ではありませんが、自己認識と身体の関係を考えるうえでは、かなり印象に残る報告です。
だから、私が言いたいのは、これですね。
老いは現実です。でも、その現実の受け止め方まで全部あきらめなくていいのかもしれない。自分をどう見るかは、気分の問題だけではなく、その後の動き方や回復のしかたにもつながっている可能性がある。
見えている老化だけで判断しない。自分の中にある老いのイメージまで見直してみる。この視点があるだけで、脳科学の話も、かなり人間らしい話として読める気がします。
よくある質問
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前向きに考えれば何でも良くなりますか?
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そういう話ではありません。ただ、自己認識が行動や回復に関係している可能性を示した研究はあります。
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ポジティブ老化とは何ですか?
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私は、老化を否定せず、できることや整え方に目を向ける姿勢、と受け取るとわかりやすいと思っています。
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どう受け止めればよいですか?
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専門的な判断は医療機関に委ねつつ、自分の老いの見方が日々の行動に影響していないか、一度見直してみる視点はあってよいと思います。
P.S.
年齢って、誰にも止められないんですよね。でも、その年齢をどう見るかは、少し選べる気がします。私はそこに、人間らしい余地が残っていると思うわけです。
参考
- Journal of the American Geriatrics Society Self-Perceptions of Aging Predict Recovery After a Fall
- PubMed Longevity increased by positive self-perceptions of aging
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