この記事の要点
- アルツハイマー病のなりやすさには、遺伝的な傾向も関係している可能性があります。
- 新潟大学の研究では、ポリジェニックリスクスコアが高いほど、発症リスクが高く、発症年齢も早い傾向が示されました。
- 私は専門家として断定する立場ではありませんが、遺伝情報は不安の材料ではなく、備えるための材料として受け取る方が自然だと感じます。
どうも岩崎です。
認知症の話って、どうしても少し重くなりますよね。年齢を重ねることそのものへの不安もあるし、家族のことを思い出す人もいると思います。その中で、遺伝という言葉が出てくると、さらに重たく感じる人も多いはずです。生まれつきの話なら、もうどうにもならないのではないか、と。
でも最近の研究を見ていると、遺伝の情報は、ただ不安を増やすためのものではなく、少し先のことを考える手がかりとして扱えるのかもしれない。そんなふうに感じる内容がありました。

遺伝的ななりやすさは、少し先に見えるようになる
新潟大学の研究グループは、世界28カ国のアルツハイマー病患者122,840人と健常高齢者424,689人を対象に、個々人の遺伝的リスクを数値化したポリジェニックリスクスコアを解析したそうです。その結果、ポリジェニックリスクスコアが高いほどアルツハイマー病の発症リスクが高く、発症年齢も早くなる傾向が示されたと報告されています。
ここで大事なのは、スコアが高いから必ず発症する、という話ではないことですね。私は専門家ではありませんので、遺伝情報を運命の宣告のように扱うつもりはありません。ただ、なりやすさの傾向があるかもしれない、と少し先のことを考える材料として受け取ることはできそうです。
遺伝は変えられなくても、備え方は変えられる
こういう研究を見ると、遺伝というのは、確定した未来ではなく、ひとつの地図のようなものかもしれないと思うわけです。地図があるからといって、必ず同じ道を通るわけではない。でも、地形を少し知っているだけで、歩き方は変えやすくなる。
認知症の発症には、日々の生活習慣や環境も大きく関わるとされています。その意味で、遺伝的リスクの情報は、怖がるためではなく、生活を少し整えるきっかけとして見る方が自然だと私は思います。たとえば、睡眠や運動、食事、受診のタイミングを意識する。そういう備え方に意味があるのかもしれません。
研究でも、ポリジェニックリスクスコアは認知症全体より、特にアルツハイマー病で強い関連が見られたとされています。つまり、ざっくりとした不安ではなく、もう少し具体的な理解に近づく材料として使える可能性があるわけです。
見える化は、怖がるためではなく、先回りするためにある
私は、見える化という言葉が好きでもあり、少し怖くもあります。数字になると、人はそれを絶対視しやすいからです。でも今回のような研究は、数値を絶対の答えとして使うのではなく、今のうちから何を意識していくかを考える入口として受け取るのが自然だと思います。
新潟大学の発表でも、今後はゲノム情報に基づく発症リスク予測や認知症の層別化に向けた応用が期待されるとされています。つまり、これはまだ途中の話であって、すべてが決まったという話ではないんですね。だからこそ、不安に飲まれず、でも無視もしない、という距離感が大事だと感じます。
だから、今日のテーマで私が言いたいのは、これですね。
遺伝で全部が決まるわけではない。でも、少し先のリスクを考える手がかりにはなるのかもしれない。そう考えると、遺伝情報は怖いものというより、備えるための材料として見直せる気がします。
見えない未来を、少しだけ見えやすくする。その目的が不安ではなく備えに向くなら、こういう研究はかなり意味があると思うわけです。
よくある質問
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ポリジェニックリスクスコアが高いと、必ずアルツハイマー病になりますか?
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そこまで単純には言えません。研究では発症リスクや発症年齢との関連が示されましたが、個人の未来を確定する指標ではないと受け取るのが自然です。
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この研究で何が新しかったのですか?
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28カ国という大規模な多施設共同研究で、異なる祖先集団でもポリジェニックリスクスコアとアルツハイマー病リスクの関連が確認された点が大きいと、私は受け取っています。
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この情報をどう生かせばよいですか?
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怖がるためではなく、生活習慣や受診のタイミングを少し丁寧に考えるための材料として使う、という受け止め方が自然だと思います。
P.S.
自分では変えられないものの話って、少し身構えますよね。でも、変えられないことを知ることが、変えられることに早く手をつけるきっかけになるなら、それは悪い話ではない気がします。私はそういう見方の方が、ずっと前向きだと思うわけです。
