高血糖は、糖尿病の原因となるだけでなく、認知症のリスクを高めるとも言われています。
血糖値を下げるために、食事や運動などの生活習慣の改善が重要です。
アメリカの研究によると、血糖値を下げる効果が高い運動時間帯は、午後であることがわかりました。
この研究では、肥満や肥満傾向のある2型糖尿病患者2,416人を対象に、1年目と4年目のデータを分析しました。
参加者は、加速度計記録装置を7日間装着して身体活動を測定。運動をする時間帯(朝、昼、午後、夕方)が血糖値にどのように影響するか調べました。
その結果、運動をしたグループは、あまり運動をしなかったグループに比べて、どの時間帯も血糖値コントロールの指標となるHbA1cは低下していました。
中でもHbA1cの低下が最も大きかったのは、午後に中程度以上の活発な運動をしていたグループで、0.22%低下しており、ほかの時間帯に運動をしたグループに比べて、HbA1cの低下が30~50%大きいことがわかりました。
また、運動習慣などの生活スタイルを改善し、体重減少に成功したグループでは、血糖降下薬などの糖尿病治療薬の服用を中止する割合が、午後に運動をしていた人が2倍以上高いということも明らかになりました。
これらの結果から、運動は午後に行うほうが、血糖値を改善する効果が高い可能性があると考えられます。
午後に運動をするメリットは、以下の3つが挙げられます。
- 午後は体温が高く、血糖値が上がりやすい時間帯であるため、運動の効果が期待できる
- 午後に運動をすると、夜にしっかり眠りやすくなる
- 午後に運動をすると、仕事や家事の合間に気軽に取り組める
もちろん、運動は毎日継続することが大切です。午後だけでなく、朝や夕方にも運動を取り入れ、血糖値をコントロールしましょう。
血糖値を下げるための運動の例
- ウォーキング
- ジョギング
- 水泳
- サイクリング
- ストレッチ
ご自身の体力や体調に合わせて、無理のない範囲で運動をしましょう。