一貫性はどこから生まれるのか?ブランドとストーリーのエネルギーの話

どうも岩崎です。

最近、Apple Watchのアクティビティリングを毎日完成させている人の話を聞きました。
最初のきっかけは健康のために運動しなきゃ、だったそうです。

でも続けていくうちに、だんだん
昨日まで続けた自分を崩したくない
この気持ちのほうが強くなっていったと言っていました。

これ、あるあるだと思うわけです。

  • ダイエットの記録
  • 連続ログイン
  • スタンプカード
  • 連勤記録
  • 日記の連続投稿

気づくと、中身そのものというより、
続けている自分像を守ることのほうにエネルギーを使っている。

テーマは

  • 一貫性はどこから生まれるのか
  • なぜそれがブランドとストーリーの力になるのか

行動経済学でも確かめられている一貫性の強さ

行動経済学の本で有名な影響力の武器には、
人を動かす大事なポイントが7つ挙げられています。

  • 返報性
  • 一貫性
  • 社会的証明
  • 好意
  • 権威
  • 希少性
  • 統一性

どれもマーケティングの現場で日常的に使われているものばかりです。
この中で、後の研究でとくに影響が大きいと分かった要素があると言われていて、
それが一貫性です。

つまり一貫性は、人の行動を動かすうえでかなり強いエンジンになっている、ということですね。

一貫性が人を動かす理由

なぜ一貫性がそんなに効くのか。

ざっくり言うと、
人は自分で決めたことや自分で名乗った立場を守りたくなるからです。

  • 私はこういう人間だ
  • 私はこうすると決めた
  • 私はこういう立場でいたい

一度ここに足を置くと、あとからその自分像を壊すのが、ものすごく気持ち悪い。
だから

  • 一度小さく参加した人は、その後も参加し続けやすい
  • 一度小さくイエスと言った人は、その後もイエスと答えやすい

オンライン講座でも、無料相談でも、コミュニティでも、
最初の小さな一歩を踏み出してもらう設計が大事と言われるのは、ここにつながっています。

Apple Watchのアクティビティリングも同じで、
健康のために運動するという理由で始めたはずなのに、

  • アクティビティリングの連続記録を途切れさせたくない
  • 毎日アクティビティリングを完成させている自分でいたい

という、一貫性を守る力が行動を引っ張り始めるわけです。

中心軸がない一貫性は、ただの頑固になる

ここで大事なのは、
一貫性そのものは良いものとも悪いものとも決まっていない、という点です。

中心軸がないままの一貫性は、ただの頑固さだったり、意地だったり、空回りになってしまいます。

  • 何となく続けている
  • やめどきが分からない
  • やめると言い出すのが怖い
  • ここまでやった自分を否定したくない

こういう感情も、全部一貫性の力です。

なので、前の回でも書きましたが、
ガチガチに固まるのは、ただの執着。柔軟性がなくなり、長期的には良くないと私は思っています。

一貫性は大きなエネルギーなので、
何に対して一貫でありたいのか。
ここを決めるために、中心軸が必要になるわけです。

中心軸が一貫性の方向を決める

中心軸があると、こんな方向性が見えてきます。

  • 私はこうありたい
  • この人たちを大事にしたい
  • こういう世界を作りたい

すると一貫性は、
ただ続けるために続ける力ではなく、
自分の中心と未来の自分を守るための力に変わっていきます。

  • やめること
  • 変えること
  • 引き返すこと

も、中心軸から見て自然なら、そのほうが一貫している、という判断ができる。
ここまで来ると、

  • 続けることそのものが目的になっている状態
  • 中心に沿って進化し続けている状態

を、切り分けられるようになります。

ブランドとメッセージは一貫した体現で伝わる

ブランドやメッセージは、単なる言葉ではありません。

  • ロゴ
  • サイトのデザイン
  • 写真
  • 動画
  • 話し方
  • 返信の仕方
  • 価格の付け方
  • オファーの組み方

言語と非言語、両方をひっくるめた全体のコンテキストとして、相手に伝わります。
なので、

言っていることは立派なのに、ふるまいがそれと一致していない。
という状態になると、一気に信頼が削られます。

逆に、

  • 言葉は質素でも
  • やっていることと筋が通っている

という人は、時間はかかっても、とても強いブランドになっていきます。
ここで効いてくるのが、やっぱり一貫性です。

  • 昨日と言っていることが違う
  • 状況によって態度が変わる
  • 目先の数字に合わせてメッセージがブレる

こういう小さなズレが積み重なると、ブランドのエネルギーが少しずつ下がっていきます。

言葉にエネルギーは乗る

私はこの業界に入ってから17年以上、何百人ものコピーライターや発信者の文章を見てきました。
その中でこの人は本物だなと思えた人は、正直言うとほんの数人です。

何が違うのかというと、テクニックや語彙力だけでは説明しきれないエネルギーみたいなものが文章に乗っている。

読んだ瞬間に、

  • この人は本当にこのことを大事にしているんだな
  • 本当にそう思っているんだな

というのが伝わってくる。

それは、その人の中心軸と日常の一貫性が、じわじわ文章ににじみ出ているからだと感じています。
私の好きなコピーライターの一人は、言葉にエネルギーは乗ると言っていましたが、これは本当にそうだと思うわけです。

型は真似できる。でもエネルギーは真似できない

PASONAやAIDMA、QUEST、ストーリーフレーム、ヒーローズジャーニー、神話の法則。
こういう型はとても便利だし、私も普通に使います。

ただ、型そのものは誰でも真似できます。
今のAI時代なら、なおさらです。

  • 構成
  • 見出し
  • 起承転結
  • 感情の波

このあたりは、AIのほうが、むしろ整ったものを出してくるかもしれません。
でも、

  • その人しか持っていない中心軸
  • そこから来る感情と視点
  • そこから生まれる一貫した生き方

ここから生まれたストーリーに乗るエネルギーだけは、AIが代わりにやるのは難しい。

型だけをなぞったストーリーと、中心軸と一貫性から立ち上がったストーリー。
同じ構成でも、読んだときの感触が全然違います。

今の時代にブランドを作るなら、

  • 型を覚えること以上に
  • 何を一貫させたいのか
  • どこからエネルギーが湧いてくるのか

ここを言語化しておくことが、ますます大事になっていると感じています。

私がAIを使うときに気をつけていること

私もAIは日常的に使います。

  • リサーチ
  • 構成の叩き台
  • 言い回しの候補出し
  • 図解や整理

道具としては、かなり心強い存在です。

でも一方で、できるだけ

  • エネルギーを乗せたい部分は自分で決める
  • AIが主役にならないようにする

という感覚は大事にしています。
全部AIに任せてしまうと、自分の中心軸や体験から出てくるニュアンスが、どこかで薄まってしまうからです。

効率化は大事。
でも、効率化と引き換えにその人しか出せない一貫性とエネルギーまで手放してしまうと、本末転倒になる。

だから私は、

  • AIに任せる範囲
  • 自分で決めて書きたい範囲

を、毎回意識的に分けるようにしています。

中心軸、レイヤー、上流からの設計、そこに乗る一貫性とストーリー。
このあたりが見えてくると、ブランド作りは

特別な人だけができる作業ではなく、
自分の生き方と日常をちゃんと一本の線にしていく作業に変わっていきます。

P.S.

最初に書いたApple Watchのアクティビティリングの話。
毎日アクティビティリングを完成させること自体は健康のためかもしれませんが、そのうち

  • 連続記録を途切れさせたくない自分

を守るための行動にもなっていきます。

これってまさに、一貫性の力ですよね。
私たちの毎日の小さな行動にも、同じような力が働いています。

  • 発信スタイル
  • 値付け
  • 仕事の受け方
  • 断り方
  • スケジュールの組み方

そういう一つ一つの選択の中に、

  • 私はこうありたい
  • 私はこういう人たちを大事にしたい

という中心軸が、少しずつにじみ出ていく。
あとから振り返ったときに、

自分はこういう一貫性で生きてきたんだな

と思えたとしたら、それがそのままあなたのブランドになっているんだと思うわけです。


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いわさきじゅん

1998年に広告制作会社で写真が始まり、アートイベント会社の広報として活動していました。まだあまりウェブマーケティングが普及していない2006年からSEO(検索エンジン対策)・リスティング広告(PPC広告)・LPO(ホームページ対策)・コピーライティングなど、サポートをしています。