一貫性は影響力の中でも最強クラス「本物だな」と感じる裏側の話

この記事の結論

  • 行動経済学の世界でも、日常の実感でも、人を動かす要素の中で一貫性はかなり強い。
  • 一貫性は「がんばって演出するもの」ではなく、自分の中心軸から自然ににじみ出る結果だと思っている。
  • 中心軸 → コアブランド → 商品コンセプトがそろっているからこそ、言葉にエネルギーが乗って「本物っぽさ」が伝わる。

どうも岩崎です。

ここまで、ずっと中心軸の話をしてきました。人生で一番大切なものを一番大切にするという軸の話。コンセプトにはレイヤーがあって、上流と下流がつながっていないとズレるという話。自分のコア → コアブランド → 商品コンセプトという、上流から作る流れ。そして、ストーリーは盛る前に削るという、物語の整え方。

今日はそこに、一貫性というレンズを重ねる回です。

行動経済学の本を読んでいても、現場で人の行動を見ていても、「ああ、やっぱり一貫性ってかなり強いんだな」と感じることが多いので、そのあたりを私なりの言葉で整理してみたいと思うわけです。

影響力の武器に出てくる七つの要素

行動経済学の本でよく名前が挙がるのが『影響力の武器』です。

この本では、人がつい動いてしまうときに働いている要素として、代表的なものが七つ紹介されています。

  • 返報性 何かしてもらうと、お返ししたくなる。
  • 一貫性 自分で選んだこと、言ったことと行動をそろえたくなる。
  • 社会的証明 みんながやっていることを正しいと感じやすい。
  • 好意 好きな人、好感のある人の提案は受け入れやすい。
  • 権威 専門家や肩書きのある人の意見は信じやすい。
  • 希少性 数が少ないものほど価値を感じやすい。
  • 統一性 自分が所属しているグループや立場と合うものを選びやすい。

どれも、日常で「ああ、あるな」と感じるものばかりだと思います。この中でも、後の研究で特に強いと言われているのが、一貫性です。

なぜ一貫性はそんなに強いのか

ここでいう一貫性は、「自分で決めたこと」や「自分はこういう人間だ」というイメージと、行動をそろえようとする力のことです。例えば、人前で「今年はちゃんと運動します」と言ったあとにさぼると、妙に気まずい。

夜は家族との時間にしようと決めたのに、ついスマホを見てしまうと、どこか罪悪感が残る。「お客さんには正直でいたい」と思っているのに、売るためだけの言い方をするとモヤっとする。

誰かに怒られるわけではないのに、気持ち悪くなるのは、他人からどう見られているかよりも、「自分が自分をどう見ているか」とのズレが出ているからです。

一度「私はこういうタイプの人間だ」「私はこれを大事にしたい」と心のどこかで決めてしまうと、そのイメージに合わせようとする力が働きます。

これが、一貫性が最強クラスの影響力と言われる理由です。

一貫性を見せようとすると、だいたいズレる

ここで、よく起きる勘違いがあります。「一貫性が大事」と聞くと、「ぶれない自分を見せなきゃ」と考えてしまうパターンです。

例えば、本当は毎日はしんどいのに、「毎日投稿している人」に見せるために無理をする。今の暮らしとは合っていないキラキラした理想像を、一貫して演じ続けようとする。自分とはズレたテーマなのに、反応が良かったからとりあえず続けてしまう。

外側から見ると、一見一貫しているように見えます。

でも、中の人はだんだん疲れてきます。一貫性そのものをゴールにしてしまうと、「自分の中心軸に沿った状態を増やすこと」ではなく、「一貫しているように見える自分を演じること」が目的にすり替わってしまうからです。

中心軸がないと、一貫性は長く続かない

「人生で一番大切なものを一番大切にする」という話をしました。要するに「自分の中心軸を先に決める」ということです。

  • 自分のコア
  • コアブランド
  • 商品コンセプト

という流れで、上流からブランドを作る。

この流れがないまま一貫性を作ろうとすると、その時々の流行に合わせてキャラやメッセージがコロコロ変わったり、新しい施策のたびに言っていることが微妙に変わったりします。

気づいたら「結局、自分は何者なんだろう」と分からなくなっている、という状態になりがちです。

逆に、

  • 自分は何を大事にして生きているのか(自分のコア)
  • 誰にどんな価値を届けたいのか(コアブランド)
  • その価値をどんな形で約束するのか(商品コンセプト)

が先に決まっていれば、一貫性は「がんばって作るもの」ではなく、「選び方の結果」として出てきます。

因果関係で言うと、中心軸があるから、そこから外れない選択がしやすくなって、その積み重ねが「一貫している人」に見える。つまり、中心軸がないと、一貫性はそもそも作れないという話ですね。

「言葉にエネルギーが乗る」と感じるとき

私はこの業界に入って、もう十数年になりますが、「この人は本物だな」と感じたコピーライターや発信者は、正直なところ、ほんの数人です。

そういう人たちには、共通点があります。

  • 言っていることと、やっていることが大きくズレていない。
  • 昔の文章と今の文章を読んでも、芯の部分が変わっていない。
  • 裏側の働き方を聞いても、表のメッセージと矛盾していない。

そういう人の文章を読むと、「ああ、この言葉にはエネルギーが乗っているな」と感じる瞬間があります。

それは、テクニックや型だけでは出てこない部分です。

日々の選択、我慢したこと、大事にしてきたもの。そういうものが積み重なった結果として、言葉ににじみ出ているものだと思っています。

構成や型だけ見れば、AIでもかなりそれっぽく作れます。でも、中心軸から出てくる一貫した言葉だけは、なかなかコピーできません。

ではまた。

P.S.

ここまで一貫性の話をしておいて何ですが、私自身、生活の細かいところは全然一貫していません。早寝早起きをしようと決めた翌日に、深夜まで動画を見ていたり。毎日ストレッチすると決めた一週間後には、ストレッチマットの上に荷物が山積みになっていたり。ま、人間ですから。


いわさき写真教室をもっと見る

購読すると最新の投稿がメールで送信されます。

いわさきじゅん

1998年に広告制作会社で写真が始まり、アートイベント会社の広報として活動していました。まだあまりウェブマーケティングが普及していない2006年からSEO(検索エンジン対策)・リスティング広告(PPC広告)・LPO(ホームページ対策)・コピーライティングなど、サポートをしています。