CPMが半分になったのに売上が落ちた?数値の変化から原因を読むケーススタディ

この記事の結論

  • CPMが半分になっても、フロントエンドCPAが悪化しているなら「誰に届いているか」が変わっている可能性が高い。
  • クリック数やオプトインCPAなど単発の指標だけを見ると、ターゲットの質の変化を見落としやすい。
  • 数値を読むときは「いくらで取れているか」だけでなく、「どんな層が集まっているか」をセットで確認することが大事。

どうも岩崎です。

今日は「CPMが下がって効率が良くなったはずなのに、なぜか売上が落ちていく」という、ちょっとややこしいパターンをケーススタディとして整理してみます。

Meta広告の管理画面を見ていると、つい「数字が良くなったように見える変化」に目が行きます。CPMが下がった、クリック数が増えた、オプトインCPAが下がった。どれも一見うれしい変化です。

ところが、現場の感覚としては、個別相談の申し込みが減っていたり、フロント商品の売上が静かになっていたりする。今回は、そんな状況でよく出てくる典型パターンを例に、数値の読み方を一緒に解きほぐしていきます。

CPM1万円 → 5,000円になったのに、フロントエンドCPAが悪化するパターン

まず、よくあるケースをざっくり数字で書くと、こんな感じです。

  • 変更前:CPM 10,000円 / クリック率 1% / オプトインCPA 4,000円 / フロントエンドCPA 20,000円
  • 変更後:CPM 5,000円 / クリック率 1% / オプトインCPA 2,000円 / フロントエンドCPA 35,000円

管理画面だけパッと見ると、「CPMが半分になって、オプトインCPAも半分になっているから、かなり効率が良くなったのでは」と感じます。実際、インプレッションもクリックも増えているので、数字だけ見ると良い変化に見えます。

ただ、フロントエンドCPAを見ると、20,000円だったものが35,000円まで悪化している。つまり、見込み客は増えているのに、フロント商品の申し込みに至る人はむしろ減っている状態です。

私も昔はここで「あれ、おかしいな。たまたま今月は申し込みが少ないだけかな」と現実から目をそらしていましたが、冷静に見れば答えはシンプルです。

「クリック数が増えた=良いこと」とは限らない

なぜこうしたことが起きるのか。大きな原因は「誰がクリックしているかが変わってしまった」ことです。

例えば、クリエイティブを変更したり、ターゲット設定を広げたりした結果、次のようなことが起きている場合が多いです。

  • 以前は、ある程度課題感が強く、学びや投資にも前向きな層に届いていた。
  • 今は、「なんとなく興味がある」「とりあえず無料なら登録してみる」という層にも広く届いている。

前者の層は、数としては少なくても、フロント商品や個別相談まで進む確率が高い人たちです。後者の層は、登録まではしてくれるけれど、メールや動画をちゃんと見なかったり、フロントの商品まではなかなか進まない人たちです。

実店舗でたとえると、次のようなイメージに近いです。

  • 変更前:お店の前を通りかかって、商品をじっくり見てから入ってくるお客さんが多い。
  • 変更後:チラシの「無料」「割引」の文字だけを見て、とりあえず入ってくるお客さんが増えた。

後者のほうが来店数は増えますが、レジを通る人の割合は下がりがちです。オンラインの広告でも、クリックや登録が増えたからといって、同じ割合でフロント商品に進んでくれるとは限りません。

ターゲットが広がりすぎて「本当に来てほしい層」が薄くなる構図

では、このとき裏側で何が起きているのか。かなりシンプルに言うと、ターゲットが広がりすぎて、「本当に来てほしい層」が全体の中で薄まってしまっているケースが多いです。

Meta広告の配信はオークションなので、競合が多い層ほどCPMは高くなりやすいです。それは裏を返せば、「そこは多くの広告主が本気で取りに行っている層」ということでもあります。

そこで、CPMを下げようとして配信先を広げると、競合が少ないゾーンにも配信されるようになります。結果として、CPMは下がり、インプレッションは増えます。けれども、そのゾーンはそもそも他社があまり狙っていなかった場所なので、「課題感は薄い」「購買意欲もまだ低い」という人も多く混ざるようになります。

つまり、

  • 以前:少し高いCPMを払ってでも、濃い層にしっかり届いていた。
  • 今:安いCPMで、広く浅い層に薄く届いている。

この構図になっていることが多いです。表面的には「同じ広告費でたくさん見られている」のですが、その分「自分のビジネスに本当に合う人」が埋もれてしまっているとも言えます。

数値の変化を見るときにチェックしておきたいポイント

では、こういったズレを防ぐために、どこをチェックしておくと良いのか。私がよく見ているのは、次のようなポイントです。

  • クリエイティブを変えたタイミングと、CPM・オプトインCPA・フロントエンドCPAの変化。
  • ターゲット設定を変えたタイミングと、その前後の反応の変化。
  • 登録後の開封率やクリック率が、以前と比べてどう変わっているか。

例えば、

  • クリエイティブを変えた途端にCPMが下がり、オプトインCPAも下がった。
  • でも、フロント商品の申し込み率と、メールの開封率は明らかに落ちている。

こういう状態であれば、「今のクリエイティブは、前よりも広い層に刺さっているけれど、本当に話を聞いてほしい層にとっては、以前の方が良かったのかもしれない」という仮説が立てられます。

逆に、

  • CPMは少し上がったけれど、オプトイン後の開封率や申し込み率が上がっている。

こういう場合は、「単価は上がったけれど、本当に合う人に届く割合が上がっているので、むしろこちらを維持した方が良い」という判断になることもあります。

次回は、ここまでの話を踏まえて「自分の案件でまずどこから見直すか」というチェックリストのような形にして、優先順位を決めやすくしていきます。

ではまた。

P.S.

以前、CPMを下げたくて、やたらオシャレなクリエイティブを作り込んだことがあります。デザインだけ見れば、自分でもちょっとニヤニヤするくらいの出来でした。

結果として確かにCPMは下がったんですが、集まってくるのはデザインの参考にしたい人たちばかりで、個別相談の申し込みはむしろ減るというオチでした。広告というより、完全に作品集みたいになっていたんでしょうね。


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いわさきじゅん

1998年に広告制作会社で写真が始まり、アートイベント会社の広報として活動していました。まだあまりウェブマーケティングが普及していない2006年からSEO(検索エンジン対策)・リスティング広告(PPC広告)・LPO(ホームページ対策)・コピーライティングなど、サポートをしています。