この記事の結論
- 人は意思よりも「今の状態」を守ろうとするので、大きな決断だけではなかなか変わらない。
- ホメオスタシスと潜在意識の働きに逆らうより、日々の状態と環境を少しずつ設計した方が現実的。
- 価値観や特性をエネルギー源にして、自然とそちらに向かうフォームを作る方が、長く続くしブレにくい。
どうも岩崎です。
今日は、「大きな決断が続かない理由」と、「日々の状態を変える」という考え方について、改めて整理しておきたいと思います。ビジュアルマーケティングの仕事でも、いきなり大きく変えようとするより、日々のフォームを変える方が効くんですよね。

「決意ベース」と「日々の状態ベース」の違い
| タイプ | 決意ベースの目標 | 日々の状態ベースの目標 |
|---|---|---|
| 主なイメージ | 年始に大きな目標を宣言して、一気に変えようとする | 今日の過ごし方やコンディションを少しずつ整えていく |
| フォーカスしているもの | 結果・数字・達成ライン | 感情・集中度・余白・エネルギー状態 |
| 続きやすさ | スタートダッシュは強いが、現実とのギャップで折れやすい | 変化は小さいが、習慣として積み上がっていきやすい |
| 変化の起こり方 | 「達成したかどうか」で評価が白黒になりがち | 「昨日より一歩良くなったか」でグラデーションで見られる |
| ビジュアルで例えると | 瞬間最大風速だけ強いフラッシュ | じわじわ効いてくる定常光のライティング |
意思の力だけで人はほとんど変われない
まず前提として、人は意思の力だけではほとんど変われません。よく言われる話ですが、意識している自分は全体の5%くらいで、残りの95%は無意識や習慣が握っています。
さらに、ホメオスタシスと呼ばれる働きで、体も心も「今の状態が一番安全だ」と判断してしまうので、変化そのものを危険とみなします。700万年くらい「変化すると死ぬかもしれない世界」で生き残ってきた生き物なので、これはもう仕様です。
だから、「よし、明日から毎日4時起きで勉強して、毎日1記事書いて、毎日ジムに行くぞ」と決めても、数日後には元のリズムに戻ろうとする力の方が勝ちます。意思が弱いというより、仕組みとしてそうなっているだけです。
大きな決断が続かない典型パターン
例えば、ビジュアル発信でよく聞くのがこれです。
- 今日から毎日、Instagramに写真をアップします。
- 今月から、毎日ブログを更新します。
- 毎朝、仕事前に作品撮りをします。
気持ちは分かりますし、私も何度も宣言してきました。ただ、日々の状態が何も変わっていないまま、いきなり行動量だけを増やそうとすると、だいたいどこかで破綻します。
夜遅くまで編集しているのに、翌朝も早く起きようとする。撮影と納品でパンパンのスケジュールの中に、さらに「毎日投稿」をねじ込もうとする。これは単純に、時間とエネルギーの計算が合っていない状態です。
その結果、投稿が止まるだけならまだ良い方で、「また続かなかったな」と自分への評価が下がっていきます。ここが一番もったいないところです。
決断より「日々の状態」を変える設計にする
なので、私が今いちばん大事にしているのは、大きな決断を増やすことではなく、日々の状態を変える設計にすることです。もう少し具体的に言うと、こんなステップで考えます。
- まず「どんな状態で仕事をしたいか」を書き出す。
- その状態を邪魔している習慣や環境を書き出す。
- いきなり全取り替えではなく、毎日のフォームを1つだけ変える。
例えば、写真やビジュアルの発信であれば、こんな感じです。
- 理想の状態: 撮影がある日は、夜までにその日のベストショットだけでも1枚選んでおきたい。
- 邪魔しているもの: 帰宅してからPCを立ち上げるのが面倒で、データ取り込みを後回しにしてしまう。
- 変えるフォーム: 帰宅したら、荷物を置く前にSDカードだけPCに挿す、という動きだけを固定する。
これだけでも、「データを取り込むところまでがワンセット」という状態ができてくるので、後の編集や投稿に入るハードルが下がります。決断ではなく、フォームを変えるイメージです。
価値観と特性をエネルギー源にしておく
もう1つ大事なのは、価値観と特性をエネルギー源にしておくことです。自分が大事にしている価値観に合っていない行動は、そもそも長続きしません。
例えば、私の場合だと、
- 目の前の人の表情が変わる瞬間が好き。
- 仕組みや構造を考えるのが好き。
- 自分が「良い」と思えるものを丁寧に届けたい。
この価値観に沿っていれば、多少しんどくても続けられますが、数字のためだけに「とにかく毎日投稿」と言われても、あまりエネルギーが湧きません。
なので、価値観と特性をエネルギーにする、という発想が大事です。ディマティーニはこれを真の天才性と呼び、ハミルトンはフローに乗ると表現していますが、言っていることはどちらも似ています。
自分がもともと好きなこと、得意なこと、大事にしていること。その方向に少しだけフォームを傾けておく。すると、意志の力ではなく、自然とそちらに流れていくようになります。
今日できる「1ミリだけ状態を変える」問い
最後に、今日から使える問いを1つだけ置いておきます。
今日の自分の状態を、1ミリだけ良くするなら、何を変えるか。
例えば、
- 撮影データの取り込みだけは、その日のうちに終わらせる。
- 寝る前に、翌日の撮影の「1ショットだけ」イメージをメモに描いておく。
- 仕事机の上を、レンズとノートだけにしてから寝る。
こんな小さなレベルで十分だと思っています。大きな決断は派手で気持ちいいですが、実際に自分の人生をじわじわ変えていくのは、こうした「日々の状態づくり」の方かなと感じています。
明日は、この状態設計と価値観マップを、もう少しマーケティングやブランドの話につなげていきます。
ではまた。
P.S.
昔、「朝活で人生が変わる」という本を読んで、張り切って深夜2時に目標ノートを書きながら、翌朝5時に起きる予定を立てたことがあります。結果どうなったかと言うと、そのままノートの横で寝落ちして、起きたら昼前でした。あのとき、まず変えるべきは起床時間ではなく、就寝時間と机の上の状態だったんだろうなと、今なら分かります。
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