この記事の結論
- 数字だけの目標が続かないのは意志の弱さではなく、自分の価値観や性質と「目標の型」がズレていることが多い。
- 感情や意識などの内側の状態を目標にすると、0か1ではなく今日から少しずつ選べる指針になり、エネルギーが湧きやすい。
- 特に価値観型の人ほど、状態ベースの目標を1行でも言語化しておくと、写真もビジネスもぶれにくい方向性が見えやすくなる。
岩崎です。
前回は、意志の力だけをあてにしても、だいたい元のパターンに戻るという話をしました。年始に書いた立派な目標が、2月にはどこかへ消えるあの現象ですね。今日はそこから一歩進んで、数字ではなく「どんな状態でいたいか」から目標を決める、という話をしてみます。

数字より先に「どんな状態でいたいか」を決める理由
売上や件数といった数字の目標は、ゴールとしては分かりやすいです。ただ、日々の自分を動かすエネルギーになるかというと、そこが微妙なところです。
一方で、「どんな状態で仕事をしていたいか」という内側の目標は、今この瞬間の選択と直結しています。例えば、ビジュアルマーケティングの現場だと、こんな状態の目標が考えられます。
- 撮影中、相手に申し訳なさではなく「撮ってもらえて良かった」と感じてもらえている状態。
- 納品データを送るときに、自分が胸を張って「これが今のベストです」と思えている状態。
- 撮影や編集のスケジュールに、常に少しだけ余白があって、追い込まれすぎない状態。
これらは、売上の数字とは違って、今日からでも少しずつ選べる項目です。無理にテンションを上げなくても、「この状態に近づくとしたら、今日は何をやめて、何を優先するか」と考えられるので、目標が自分ごととして機能しやすくなります。
0か1ではなく「今この瞬間から選べる目標」にする
数字の目標は、達成したかどうかが0か1で分かれます。達成できていない期間が長いほど、目標を見るたびに自分を責める材料が増えていきます。
状態ベースの目標は、考え方が少し違います。例えば、こんな一行を書いたとします。
撮影も編集も、できるだけ「余裕のある落ち着いた状態」でやる。
この一行があるだけで、今日のスケジュールを組むときに、少しだけ判断が変わります。「この日に撮影を詰め込み過ぎると、あの状態から離れるな」とか、「この時間にもう1件打ち合わせを入れると、編集が全部夜中になりそうだな」という感覚が働きます。
達成したかどうかではなく、「今日はどのくらい近づけたか」「どこで離れたか」を振り返る指標になるので、失敗というより調整の対象になります。これが、今この瞬間から選べる目標の良いところですね。
価値観型の人ほど、状態ベースの方がハマりやすい
数字を見ると燃えるタイプの人もいますが、私の周りのクリエイターやスモールビジネスの方を見ていると、「何をいくら売るか」よりも「どんな人と、どんな場所で、どんな空気で仕事したいか」の方が気になる、という人の方が多い印象です。
こういう価値観型の人が数字だけの目標を置くと、たいていこうなります。
- 数字を眺めているだけでは気持ちが動かず、行動に火がつかない。
- 動けていない自分を責めて、目標そのものを見るのが嫌になる。
- 結果、ノートを閉じて、目の前の仕事だけをこなすモードに戻る。
価値観型の人に必要なのは、「こうなったらいいな」と心が動く状態を先に言葉にしておくことです。そこがはっきりすると、数字はその状態を維持するための必要条件として、あとから逆算すれば良くなります。
写真で言えば、「この世界観の写真を増やしたい」「このタイプのクライアントと一緒に仕事をしていきたい」といった状態を先に描く。そのうえで、「その状態を無理なく続けるには、このくらいの単価と件数が必要だな」と数字を置く方が、私にはしっくりきます。
今日の一行ワーク「状態目標を具体化する」
とはいえ、いきなり立派な文章を書こうとすると手が止まるので、今日やることはシンプルにしておきます。
今年、仕事中の自分がどんな状態でいたいかを、1行だけ書いてみる。
例えば、こんな感じです。
- 撮影の現場では、相手の不安を減らして、楽しさを増やせている状態でいたい。
- 納期前に徹夜で慌てるのではなく、常に少しだけ余裕がある状態でいたい。
- お金のためだけの案件より、「この人の見せ方を一緒に考えたい」と思える仕事を増やしたい。
この一行は、完璧でなくて大丈夫です。むしろ、今日書いたものを、数か月後に見直して書き換えるくらいがちょうどいいと思います。大事なのは、数字より先に、状態ベースのコンパスを1本持っておくことですね。
明日は、この状態目標と、自分の価値観や特性をどうつなげていくかという話をしていきます。
ではまた。
P.S.
私は毎年、1月のノートには立派な言葉を書きがちなんですが、2月の現場写真フォルダを見ると、現実の私はだいたい防寒具に包まれて震えています。ノートの中の私は落ち着いてコーヒーを飲みながら戦略を考えているのに、実際は外で脚立を担いでいるわけです。このギャップを見てからは、最初から「寒くても機嫌よく撮る」という状態目標を書いておく方が、よほど役に立つなと思うようになりました。
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