LTVを分解すると 広告費にどこまでかけていいかが見えてくる

この記事の結論

  • LTVは「客単価 × 購入回数 × 継続期間」でざっくり分解できて、どこを伸ばすかで出せる広告費の上限も変わる。
  • フロントエンド単体の利益だけで広告費を決めると、LTVのポテンシャルを自分で潰してしまいがちになる。
  • 自分のビジネスのLTVをざっくり計算して、「1人あたりいくらまでならMeta広告にかけられるか」の目安を持っておくと、CPAの数字に振り回されにくくなる。

どうも岩崎です。

昨日は「Meta広告を広告単体で黒字にするかどうか」という前提の話をしました。今日はそこから一歩進んで、「そもそも自分のビジネスで1人のお客さんがどれくらいの売上・利益を生むのか」、いわゆるLTVの話をざっくり整理してみます。

CPAが高いか安いかは、LTVとセットで見ないと判断ができません。LTVをすごく伸ばせるビジネスなのに、入口のCPAだけ見て「高いから無理」と決めてしまうのは、かなりもったいない状態です。逆に、LTVがあまり大きくないのに無理して高いCPAを受け入れると、今度はキャッシュフロー的に苦しくなります。

LTVをざっくり分解すると、見る場所が分かりやすくなる

LTVは難しく考え始めると一気に数学っぽくなりますが、ここではあくまで実務で使えるレベルに絞ります。私はいつも、次の三つに分けて考えています。

  • 客単価(1回あたり、いくらぐらい使ってくれるか)。
  • 購入回数(どれくらいの頻度でリピートしてくれるか)。
  • 継続期間(どれくらいの期間、関係が続くか)。

例えば、単価1万円の商品を、半年に1回、3年間買い続けてくれるとしたら、ざっくりのLTVはこうなります。

1万円 × 6回 × 3年分ではなく、半年に1回 × 3年なので計6回、つまり「1万円 × 6回 = 6万円」。かなりラフな計算ですが、このくらいのイメージがあるだけでも、許容できるCPAはだいぶ変わってきます。

逆に、単価1万円の単発商品で、その後ほとんどリピートもバックエンドもない場合は、LTVはほぼ1万円です。このビジネスでフロントエンドCPAが8,000円だと、正直ちょっと怖いですよね。

フロントエンド単体で見ると、LTVの伸びしろを潰しやすい

ここで問題になるのが、LTVの全体像を見ずに、フロントエンド単体だけで広告費を決めてしまうことです。よくあるのが、「フロントエンドの粗利が1万円だから、CPAは5,000円までしか出せない」と決めつけてしまうパターンです。

もしその後に、バックエンドや継続課金で2万円、3万円と積み上がるビジネスであれば、本来はもっとCPAを出しても成立します。でも、フロントエンドだけを基準にしてしまうと、その余地に気づけません。結果として、ライバルよりも低いCPAで戦おうとして、ターゲットを狭めすぎたり、訴求を強くしすぎたりして、むしろ事業全体としての可能性を削ってしまいます。

逆に、LTVがそこまで大きくないのに「将来LTVが上がるはず」という期待だけでCPAを上げてしまうのも危険です。ここは感覚ではなく、過去の実績ベースでざっくり計算しておく方が安全です。

自分のビジネスのざっくりLTVを一度計算してみる

と言っても、いきなり完璧なLTVを出そうとすると、ここで挫折します。なので、最初は次のステップだけで十分です。

  • 過去1〜2年の売上データから、「1人のお客さんが平均いくらぐらい使ってくれたか」をざっくり出す。
  • 単発商品が中心なら、リピートまで含めた平均金額を出してみる(例:最初の3か月、半年、1年など)。
  • その数字に対して、「最大どれくらい広告費をかけられそうか」を感覚で良いので決めてみる。

例えば、1人のお客さんが1年で平均3万円使ってくれていると分かったとします。この時に「広告費として出しても良いのは、そのうちのどれくらいまでか」。利益率やキャッシュフローを考えながら、2割なのか3割なのか、ビジネスごとに許容ラインは変わります。

もし「うちのビジネスなら、1人あたり1万円までは広告費として出してもOK」と決められれば、Meta広告のCPAを見たときに、基準がはっきりします。CPA5,000円ならかなり余裕があるし、8,000円ならギリギリ。1万2,000円になったら構造を見直そう、というように、判断がしやすくなります。

LTVを伸ばすほど、広告の自由度も上がっていく

もう一つ大事なのは、「LTVを伸ばすほど、出せる広告費の上限も上がっていく」という点です。LTVが高いビジネスほど、入り口で多少高いCPAを受け入れても回収できるので、その分だけ攻めた広告運用ができます。

例えば、LTVが3万円のビジネスよりも、LTVが10万円のビジネスの方が、出せるCPAの上限は当然高くなります。結果として、競争の激しい場所にも広告を出せるし、テストに使える予算も増やせる。これはMeta広告に限らず、すべての集客チャネルに共通する話です。

なので、本当は「CPAを下げる」ことと同じくらい、「LTVを伸ばす」という発想もセットで持っておきたいところです。後者が強くなればなるほど、前者に対するプレッシャーも下がっていきます。

DAY2のまとめ 「CPAが高いか安いか」はLTVとセットで見る

今日の内容を一度整理すると、ポイントはこんな感じです。

  • LTVは「客単価 × 購入回数 × 継続期間」でざっくり分解できる。この三つのどこを伸ばすかで出せる広告費の上限も変わる。
  • フロントエンド単体の利益だけで広告費を決めると、LTVのポテンシャルを自分で削ってしまうことがある。
  • 過去のデータから「1人あたり平均いくら使ってくれているか」をざっくり出し、自分のビジネスで許容できる広告費の割合を決めておくと、CPAを評価しやすくなる。
  • LTVを伸ばすほど、広告で攻められる幅も広がる。CPAだけでなく、LTV側の設計にも目を向けておくと、長期的に楽になる。

明日は、今日のLTVの話を踏まえて、「フロントエンドの設計をどう考えるか」「売りやすさとバックエンドにつながりやすさは別物だよね」というテーマで掘っていきます。

ではまた。

P.S.

LTVの話を書きながら、ふと本棚の積読を思い出しました。買った瞬間だけモチベーションが高くて、「この本から元を取ろう」と思うのに、読み終わっている本は全体の何割なんだろう、というやつです。

しかも、読み終わった本よりも、読みかけの本の方が多いという中途半端さ。ビジネスで言えば、LTVを伸ばす前に入口だけ増やして満足している状態に近いのかもしれません。本当は、ちゃんと読み切った一冊の方が、人生のLTVは高いんだろうなと思いつつ、新刊コーナーをつい眺めてしまうわけです。


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いわさきじゅん

1998年に広告制作会社で写真が始まり、アートイベント会社の広報として活動していました。まだあまりウェブマーケティングが普及していない2006年からSEO(検索エンジン対策)・リスティング広告(PPC広告)・LPO(ホームページ対策)・コピーライティングなど、サポートをしています。