オプトインCPAの落とし穴 安さだけ追うと「クーポン客」だらけになる理由

この記事の結論

  • オプトインCPAは、安ければ良いという単純な指標ではなく「どんな人が集まっているか」という質とセットで見る必要がある。
  • CPAだけを下げることは比較的簡単だが、その結果としてフロントエンドやバックエンドへの申し込みが減ることも多く、全体の収支が悪化しやすい。
  • 実店舗で考えると「クーポンだけもらって何も買わずに帰る人」を大量に集めている状態なので、登録後の行動データとセットで判断することが大事になる。

どうも岩崎です。

Meta広告の話をしていると、よく出てくるのがオプトインCPAの話です。メルマガ登録やLINE登録など、一件あたりいくらで見込み客が取れているかという数字ですね。

この数字は分かりやすいので、管理画面でもつい真っ先に見てしまいますし、一件いくらでしたと人に報告しやすい指標でもあります。その分だけ、オプトインCPAは安ければ安いほど良いものだと勘違いしやすいんですよね。

今日は、私自身も何度もハマったこの落とし穴について、実店舗の例えも交えながら整理してみます。

オプトインCPAだけを見ると、現場の感覚とズレる

まず前提として、オプトインCPAそのものは大事な指標です。広告費に対して、どれくらいの見込み客が増えているのかをざっくり把握できますし、明らかに高すぎる場合は広告やLPのどこかで問題が起きているサインにもなります。

問題は、オプトインCPAだけを見て判断してしまうことです。

例えば、次のような二つのケースをイメージしてみてください。

  • Aパターン:オプトインCPAが5,000円だけれど、個別相談やフロント商品の申し込みが安定して入っている。
  • Bパターン:オプトインCPAが2,000円まで下がったけれど、その後の申し込みがほとんど入らない。

数字だけを見ると、Bパターンの方が効率が良さそうに見えます。でも、現場の感覚で言えば、売上や成約につながっているAパターンの方がうれしいケースがほとんどだと思います。

ここで起きているのは、オプトインCPAという入り口の数字だけを見ていて、その後ろにある本当に知りたい部分、つまりこの人たちはちゃんと動いてくれているのかという情報が抜けている状態です。

実店舗だったらどう考えるか

この話は、実店舗に置き換えるとイメージしやすくなります。

例えば、自分のお店で「このチラシを持ってきたらドリンク一杯無料」というキャンペーンをやるとします。チラシを1万枚配って、100人がお店に来てくれたら、来店単価はざっくり100円です。

ここで、次のような二つのパターンがあったとします。

  • Aの店:無料ドリンクをきっかけに、ついでにフードも頼んでくれて、リピートで来てくれるお客さんも増えている。
  • Bの店:無料ドリンクだけ飲んで、何も買わずに帰る人がほとんどで、その後二度と来ない。

どちらの店も、チラシ1枚あたりにかかっている配布コストは同じです。ただ、Aの店は売上とリピートにつながっている一方で、Bの店は無料でドリンクを配っているだけの状態に近くなっています。

これをオンラインに置き換えると、オプトインCPAだけを見ている状態というのは「とにかく無料ドリンクを配るコストを下げることだけを目標にしている」状態に近いです。

来店数だけが増えていて、何も買わずに帰る人ばかりなら、店としてはかなり苦しいですよね。

本来知りたいのは「何人来たか」ではなく、「どれくらいの人が何かを買ってくれて、その後も来てくれるのか」です。オプトインCPAも同じで、安く集めることだけに意識が向くと、実店舗だったらすぐに気づくはずの違和感を見落としがちになります。

オプトインCPAは「誰が集まっているか」で意味が変わる

オプトインCPAを安くすること自体は、やり方さえ分かればそこまで難しくありません。例えば、次のようなことをすると、数字だけは簡単に下がります。

  • ターゲットを思い切って広げる。
  • 年齢や興味関心などの条件をゆるくする。
  • とにかくお得に見えるオファーに寄せていく。

すると、登録のハードルが下がるので、一件あたりの単価は下がっていきます。ただ、その代わりに起こりやすいのが、本当に来てほしい人ではない層が増えてくることです。

実店舗で言えば、近所の常連さんや、商品を気に入ってくれるお客さんではなく、「無料クーポンが配られていたからとりあえず来てみた」という人が増えていくイメージです。もちろんその中から常連になってくれる人が出ることもありますが、全体としては薄いつながりになりやすいです。

オンラインでも同じで、

  • とりあえず無料なら何でも登録する人。
  • テーマには興味があるけれど、実際に行動するイメージまでは持っていない人。
  • ターゲットから外れていて、そもそも商品と合わない人。

こういった人たちが増えると、登録後の開封率やクリック率、申し込み率がじわじわ落ちていきます。数としては集まっているのに、体感としては反応が薄いなという状態ですね。

量だけでなく「その後の動き」をセットで見る

では、オプトインCPAをどう扱えばいいのか。私がいつも意識しているのは、量と質をセットで見ることです。

具体的には、次のような数字を一緒に追いかけます。

  • 登録後のメールやLINEの開封率。
  • ステップ配信やオファーへのクリック率。
  • フロントエンドや個別相談への申し込み率。
  • そこから先の成約率や継続率。

実店舗であれば、チラシを持って来店した人のうち、どれくらいが商品を購入してくれたか、その後リピートしてくれているかを見るイメージです。来店数だけではなく、レジを通っている実人数と、戻ってきてくれる人の数を見る感じですね。

オプトインCPAが多少高くても、その後の数字が安定していれば、全体としては十分に合うことも多いです。一方で、オプトインCPAが劇的に安くなったのに、その後の数字が全体的に沈んでいる場合は、安く取れているけれど、集まっている人の質がズレているのかもしれないと考えられます。

自分が本当に呼びたいお客さんから逆算する

もう一つ大事だと思っているのが、自分がどんな人に来てほしいのかを先に決めておくことです。

例えば、

  • 自分で学びながら行動していきたい人なのか。
  • 短期の結果だけを求めている人なのか。
  • 価格だけで判断する人なのか、価値で判断する人なのか。

実店舗で言えば、ゆっくり選びながら長く付き合える常連さんを増やしたいのか、とにかく一度だけ大量に買ってくれる観光客を増やしたいのかで、打つべき施策も変わります。それによって、許容できるチラシ単価やキャンペーン原価も変わってきますよね。

オンラインでも同じで、どの層をターゲットにするかによって、オプトインCPAの適正ラインは変わります。短期的に安く数を集めたいのか、多少単価が高くても長く付き合える人を集めたいのか。ここをあらかじめ自分の中で言語化しておくと、数字との付き合い方がだいぶ楽になります。

次回は、実際にCPMやオプトインCPAが変化したときに、フロントエンドの数字がどう変わるのか。簡単なケーススタディの形で、一見良さそうなのに結果として逆になっているパターンについて整理してみます。

ではまた。

P.S.

一時期、オプトインCPAが半分くらいになったことがあって、「これはスライドで自慢できる数字だ」とひとりで満足していました。

後から開封率と申込数を見てみたら、静かに右肩下がり。実店舗で言えば、クーポンだけ配ってレジは暇、という状態でした。数字を眺めてニヤニヤする前に、誰を呼びたいのかを先に決めようと、あの時の自分に言いたいです。


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いわさきじゅん

1998年に広告制作会社で写真が始まり、アートイベント会社の広報として活動していました。まだあまりウェブマーケティングが普及していない2006年からSEO(検索エンジン対策)・リスティング広告(PPC広告)・LPO(ホームページ対策)・コピーライティングなど、サポートをしています。