「他人と話すより家族と話すほうが脳の前頭前野が発達する」ということが、今までの研究から明らかになっています。理由は、他人よりも安心して会話ができるため、脳がリラックスしてよく働くからと考えられています。
親子の会話は、脳にどのような良い効果をもたらすのでしょうか。
東北大学加齢医学研究所と仙台市教育委員会の2015年度「学習意欲の科学的研究に関するプロジェクト」の家族のコミュニケーションに関する研究調査を紹介します。

「家族とのコミュニケーションと自己肯定感の関係」の調査から、「家の人に話を聞いてもらっている」と思う子どもほど、自己肯定感が高いことがわかりました。家族とのコミュニケーションが増えた群は、1年でさらに自己肯定感が高くなる一方、家族とのコミュニケーションが減少した群は、自己肯定感が低下していました。家族に認められることで、子どもは自分に自信が持てるようになるからだと考えられます。
ただこのデータで注目したいのは、「家族とどのくらい話しているか」という会話の量ではなく、「家の人に話を聞いてもらっている」という会話の質です。
親は会話をしているつもりでも、子どもは「家の人に話を聞いてもらっていない」と感じていることがあるからです。「親は勉強のことばかりで、肝心なことを聞いてくれない」などと子ども自身が満足していなければ、会話の質が高いとは言えません。
会話の質を上げるためのポイントは、子どもが話を聞いてほしいと思っている時に親が話を聞くことです。
そのためにも日頃の子どもの表情や行動を見守って、「話したい」「話してもいいよ」というタイミングを見極め、会話する時間をつくることが大切です。
具体的な例としては、
- 子どもが学校で何か嬉しかったことがあったら、その話をじっくり聞いてあげましょう。
- 子どもが何か失敗してしまったら、責めるのではなく、励ましてあげましょう。
- 子どもが何か新しいことに挑戦したいと言ったら、応援してあげましょう。
親子の会話は、子どもの成長にとって欠かせないものです。毎日少しずつでもいいので、子どもと会話する時間を大切にしましょう。
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