慢性疲労症候群と呼ばれる、原因不明の疲労感や思考力・集中力低下、精神的な落ち込みに悩む方は少なくありません。睡眠や食事を改善しても症状が改善せず、周囲の理解も得られずに苦しんでいる方もいるでしょう。
しかし近年、こうした症状が脳の炎症によって引き起こされるケースがあることが明らかになってきました。

理化学研究所の研究では、原因不明の症状を持つ患者の脳を調べたところ、脳神経系の炎症が発生していることが判明しました。
炎症の場所と症状には相関関係があり、
- 扁桃体の炎症:認知機能障害
- 海馬の炎症:抑うつ症状
- 視床の炎症:頭痛や筋肉痛
さらに、微熱、リンパ節の腫れ、関節痛、睡眠障害などの症状が現れるケースもあります。
今後は血液検査で患者を診断し、専門病院を紹介できるようにすることを目指しています。また、脳の炎症を抑える薬剤の効果の研究も進められています。
もし、原因不明の疲労感に長らく悩んでいる場合は、脳の検査を受けることも検討しましょう。
脳の炎症は、症状の原因として見逃されやすいものです。
早めに適切な診断と治療を受けることで、症状の改善が期待できます。
参考資料
- 脳の炎症と認知機能障害: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5633921/
- 脳の炎症と精神疾患: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6043903/
この情報が、原因不明の症状に悩む方にとって少しでも役に立てれば幸いです。
以下、追加情報
- 慢性疲労症候群について
慢性疲労症候群は、原因不明の疲労感が6ヶ月以上続く病気です。疲労感に加えて、睡眠障害、集中力低下、頭痛、筋肉痛など様々な症状が現れます。
- 脳の炎症について
脳の炎症は、感染症、自己免疫疾患、ストレスなど様々な原因によって起こります。脳の炎症は、神経細胞や神経線維を損傷し、認知機能障害、抑うつ症状、頭痛などの症状を引き起こす可能性があります。
- 脳の検査について
脳の検査には、MRI、CT、PETなど様々な検査方法があります。脳の炎症を診断するためには、血液検査や髄液検査も行われることがあります。
- 治療について
脳の炎症の治療には、抗炎症薬、ステロイド、免疫抑制剤など様々な薬剤が使用されます。また、生活習慣の改善も重要です。
原因不明の症状にお悩みの方は、医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けることが大切です。
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