Yesと言わせ続ければ大きな要求も通る。イエスセット効果を使いこなす

どうも岩崎です。

先日、家に光回線の営業電話がかかってきました。

正直、ああいう電話はあまり好きではないので、いつもなら一瞬で切ります。

でもその日は、なぜか数分だけ話を聞いてしまったんですね。

思い返してみると、こんな流れでした。

「今もインターネットはお使いですよね」

「はい」

「お仕事でも使われますか」

「はい」

「通信が途切れたり遅くなると、ちょっと困りますよね」

「まあ、そうですね」

ここまで、すべてYESでしか答えられない質問です。

その後で本題の提案が出てきたわけですが、気づいたら、こちらも自然と話を聞くモードになっていました。

で、電話を切ったあとにふと考えたんです。

あれって、まさに典型的なイエスセットだなと。

イエスを積み重ねると、なぜ人は動きやすくなるのか

セールスの世界では昔から、イエスセットという考え方があります。

簡単に言うと、相手がYESとしか答えられない質問をいくつか重ねてから、本題のお願いをする話し方です。

たとえば、こんな感じです。

  • 今日は寒いですね はい
  • 通勤も大変でしたよね そうですね
  • 体調を崩さないように気を付けたい時期ですよね はい

ここまでYESが続くと、相手の頭の中では

この人と自分は同じ感覚を持っている

という感覚が少しだけ積み上がっていきます。

その状態で

「そんな時期だからこそ、体調管理のためにこんなサービスがあります」

と本題に入ると、いきなり売り込むよりも、話を受け入れてもらいやすくなる。

これが、イエスセットが効きやすい理由の一つです。

YESは信頼の貯金

イエスセットを少し引いて見てみると、YESというのは信頼の貯金のようなものです。

YESがひとつ増えるたびに、相手の心の中に

この人は自分のことを分かってくれているかもしれない

という残高が、ほんの少しだけ貯まっていきます。

逆に、売り込みばかりが強くて、相手の状況を確かめる質問が少ないと、その残高は一瞬でゼロになります。

人は、理屈で動いているように見えて、最初に動いているのは感情です。

感情のYESが先にあって、あとから頭の中で

まあ、この判断はそんなに悪くないはず

と自分で納得する材料を集め始めます。

だからこそ、いきなり商品説明をするよりも、先にYESを積み重ねる方が、自然な流れになります。

小さなYESから、大きなYESへ

ここで一つ、ビジネスの話に寄せてみます。

サービスを売ろうとすると、多くの人は、どうやって一発で契約してもらうかに頭を使います。

でも、現実にはいきなり大きなYESをもらうより、小さなYESを積み重ねた結果として、大きなYESが出ることの方が多いです。

たとえば、次のような流れです。

  • メルマガやブログで、考え方に共感してもらう YES
  • 無料の動画やセミナーで、話し方やスタンスを知ってもらう YES
  • 少額の商品で、実際の価値を体験してもらう YES
  • そのうえで、本命のサービスの提案をする YES

この流れを作れている人は、セールスの時点で

初対面でいきなり売り込む

という状態ではありません。

すでに何回もYESを積み重ねているので、最後のYESも出やすくなる。

これは対面の営業でも、LPでも、広告でも同じです。

やってはいけないYESの使い方

とはいえ、このイエスセットには危ない使い方もあります。

一番やってはいけないのは、相手のためではなく、自分の都合だけで使うパターンです。

たとえば

  • 相手の状況をまったく聞かない
  • 途中で不安そうな表情をしているのに気にしない
  • 断りづらい雰囲気を作って、とにかく契約させる

こういう使い方は、短期的には売上になるかもしれませんが、長期的には信頼を失います。

信頼の貯金ではなく、信頼の前借りをしている状態です。

ビジネスで使うのであれば、YESを増やす目的は

相手にとっても、自分にとっても、納得感のある選択をしてもらうこと

ここからズレないようにしたいところです。

会話の流れを意識するだけで、伝わり方は変わる

イエスセットというと、何か特別なテクニックのように感じるかもしれませんが、やっていることはシンプルです。

  • いきなり自分の話を始めない
  • まずは相手の現状や感覚を確かめる
  • 共通している部分を言葉にしていく
  • その延長線上で、本題の提案をする

これは、売るための話し方というより

相手と同じ景色を見ながら話すための会話の流れ

と言った方がしっくりきます。

テクニックとして覚えるのではなく、自分の言葉で使えるようにする。

そのうえで、ビジネスの場面でも、日常のコミュニケーションでも、少しずつ試していく。

それくらいの距離感で付き合うのがちょうど良いと思います。

ではまた。

P.S.

冒頭の光回線の営業電話ですが、結局その場では契約しませんでした。

ただ、あの営業さんの話し方は正直うまいなと感じましたし、ガチャ切りしなかった自分に少し驚きました。


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いわさきじゅん

1998年に広告制作会社で写真が始まり、アートイベント会社の広報として活動していました。まだあまりウェブマーケティングが普及していない2006年からSEO(検索エンジン対策)・リスティング広告(PPC広告)・LPO(ホームページ対策)・コピーライティングなど、サポートをしています。