どうも岩崎です。
先日、銀座を歩いていてふと足を止めた場所があります。
それが「マツモトキヨシ GINZA FLAG」。
でも、見た瞬間に違和感がありました。
どこを見ても、あの鮮やかな黄色がないんです。
マツキヨといえば、誰もが知る黄色い看板。
ドラッグストアの中でも元気で、安くて、明るい印象を持たせる象徴的な色です。
それをあえて封印した銀座店。
なぜ、そんな大胆な決断をしたのでしょうか。

「色を捨てる」勇気がブランドを強くする
この店舗のコンセプトは「Beauty Addiction」。
つまり、ビューティーに特化した新しいマツキヨの姿を見せるフラッグシップ。
銀座という立地柄、派手な黄色を掲げれば浮いてしまう。
だからマツキヨは、ブランドの象徴を削ることで、逆に上質な存在感を手に入れたのです。
色を封印しても、接客・空間・体験でマツキヨらしさを伝える。
これこそ、いまのブランディングが向かう「本質」です。
ブランドは「固定」ではなく「翻訳」するもの
昔は、どの店舗も同じ外観で統一されることが「ブランドの一貫性」でした。
でも今は違います。
相手(顧客・場所・文化)に合わせてらしさを翻訳する時代です。
銀座のマツキヨは、黄色を翻訳した結果、白とグレーの静かなトーンでブランドの信頼を表現しました。
その一方で、店内には光のデザインや商品のレイアウトに「マツキヨらしい合理性」がしっかり生きている。
つまり、見た目は変わっても魂は変えていない。
これが「翻訳型ブランディング」の本質です。
「どんな見た目か」より「どんな記憶が残るか」
ブランド体験とは、色でもロゴでもなく、
記憶をどう残すかに尽きます。
たとえば、銀座の店を訪れた人はこう感じるかもしれません。
「高級感があるのに、どこか親しみやすい」
「新しいけれど、ちゃんとマツキヨっぽい」
その“矛盾のような心地よさ”が、ブランドの深度を作るんです。
それは視覚ではなく、感覚として記憶されていく。
だからこそ、「色を使えない制約」は、マツキヨにとって新しい表現の余白になったわけです。
私たちが学べること
あなたのブランドやビジネスにも、きっと“象徴の色”や“フォーマット”があると思います。
でも、それを守ることが目的化していませんか?
「らしさ」は形ではなく、意図の共有。
相手が変われば、見せ方も変えていい。
むしろ、変えなければ伝わらない時代です。
マツキヨの銀座店は、固定されたブランドから翻訳されるブランドへのシフトを象徴している。
そしてこの変化こそ、これからの時代のらしさの証明だと思うわけです。
P.S.
昔、私が撮影で金魚を扱ったとき、照明を変えるだけで表情が一変しました。
光を強く当てると金魚は力強く泳ぎ、柔らかく当てると穏やかに漂うという面白さを思い出しました。
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