インプレッションより先に見るもの Meta広告で本当にチェックすべき数字とは

この記事の結論

  • Meta広告のインプレッションは「どれだけ画面に出たか」を示す数字で、スモールビジネスやDRMにおいてはメインKPIにはなりにくい。
  • まず見るべきなのは「この広告費に対して、申し込みや売上がどれくらい返ってきているか」という費用対効果であり、そこから逆算して他の指標を見る方が現実的。
  • インプレッションや大きく見える数字だけを追いかけると、自分の承認欲求は満たされても、銀行口座の残高とはズレた判断をしやすくなる。

どうも岩崎です。

Meta広告の相談をいただくとき、最初の一報が「いまインプレッションが〇〇くらい出ていて…」という入り方になることがよくあります。画面を一緒に見ても、管理画面の一番目立つところにインプレッションがドーンと出ているので、意識がそこに向かうのは自然な流れなんですよね。

ただ、私自身の運用やクライアントワークの感覚で言うと、インプレッションは「見ておくけど、そこをメインには置かない数字」です。もちろん、純粋な認知拡大キャンペーンで、テレビCMと組み合わせて市場全体の空気を温めたい、みたいなケースなら話は別です。

でも、私と同じように中小規模のビジネスをやっている方の多くは、「広告費をかけたら、できるだけ早いタイミングで何らかの形で回収したい」という前提があると思います。そうなると、インプレッションより先に見るべき数字があるわけです。

インプレッションは「とりあえず出た回数」にすぎない

インプレッションというのは、単純に広告が表示された回数です。タイムライン上に一瞬でも表示されればカウントされるので、「ちゃんと読まれたかどうか」「興味を持たれたかどうか」とは別物です。

もちろん、インプレッションがゼロなら何も始まりません。ただ、インプレッションが十倍になったからといって、売上も十倍になるかと言えば、そんな単純な話ではないですよね。配信先を広げて、競合が少ない場所に出せば、インプレッション自体はいくらでも増やせます。

ここでややこしいのが、インプレッションが増えると「何かうまくいっている気分」になりやすいところです。管理画面を開いて、大きな数字がポンと出ていると、それだけで仕事をしたような感覚になる。これは人間側の問題であって、インプレッション自体が悪いわけではないんですが、数字に振り回されやすい指標だなとは感じています。

大きい会社と小さい会社では、広告の役割からして違う

インプレッションが意味を持ちやすいケースも、もちろんあります。例えば、誰もが知っているレベルの大企業が、新製品の告知やブランドキャンペーンをする場合。「どれだけの人に存在を思い出してもらえたか」「自社のイメージをどれだけ刷り込めたか」という観点では、インプレッションは重要な手がかりになります。

一方で、スモールビジネスや個人事業の広告は、もっと生活に近いところを見ています。来月のキャッシュフローに影響する売上だったり、数か月後の売上につながる見込み顧客だったり。大きな会社が数年単位で見るようなブランド指標と、今月の支払いを気にしている私たちの目線は、そもそも土俵が違うわけです。

にもかかわらず、大企業向けの広告ノウハウ本や、代理店のレポートフォーマットだけを真似すると、どうしても「とりあえずインプレッション」という話になりがちです。ここを一度切り分けて考えるだけでも、判断ミスはかなり減ると思っています。

まず決めるのは「この広告で何を返してもらうのか」

では、インプレッション以外に何を見ればいいのか。私は、広告を設計するとき、最初に決めるのは次の一点です。

この広告費を払う代わりに、何を返してもらいたいのか。

例えば、こんなパターンがあります。

  • メルマガやLINEの登録者を増やしたい。
  • 体験会や個別相談の申し込みを集めたい。
  • その場で商品を購入してもらいたい。
  • 無料の資料請求やチェックリストのダウンロードにつなげたい。

どれを目的にするかによって、見るべき数字は変わりますが、共通しているのは「一件あたりいくらかかっているか」です。つまり、CPAや売上ベースの指標です。

その上で、「なぜこのCPAになっているのか」を分解していくために、クリック率やLPの成約率、滞在時間などの数字を見にいきます。インプレッションやリーチも、その文脈で「原因を探るための数字」としては役に立ちます。ただ、最初からそこをゴールにしてしまうと、本来の目的がぼやけてしまうということですね。

インプレッションをKPIにすると、どこがズレやすいのか

インプレッションをKPIにすると何が起きるかというと、「数字は増えているのに、現場の感覚としては何も変わっていない」という状態になりやすくなります。広告代理店からのレポートに「インプレッション〇〇万回、前月比〇パーセント増」と書かれていると、どうしても悪くはない気がしてしまうんですよね。

でも、冷静に通帳を見てみると、売上はそこまで変わっていない。むしろ広告費分だけじわじわ削られている。そんな相談を受けることも少なくありません。ここで必要なのは、代理店批判ではなく「自分側の物差し」を持つことだと思っています。

インプレッションは「どれだけ出したか」を教えてくれるだけです。本当に知りたいのは「それによって、誰が、どんな行動をしてくれて、どれくらいの価値を返してくれたのか」です。だからこそ、まずは費用対効果を見て、そこから逆算して他の数字を読む方が、地に足の着いた運用がしやすくなります。

ではまた。

P.S.

正直に言うと、今でもたまにインプレッションの数字に釣られそうになる瞬間があります。新しいクリエイティブを出して、翌日に管理画面を開いたときに、インプレッションの欄だけが元気に伸びていると、「お、なんか手応えありそうだぞ」と一瞬だけ勘違いするわけです。

そこで調子に乗って画面を閉じると、数日後に冷静な売上の数字に現実を突きつけられます。なので最近は、自分への戒めも込めて、管理画面を開いたときはあえてインプレッションの行を最後に見るようにしています。見てはいけないものを見ないようにしているわけではなくて、単に順番の問題ですね。


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いわさきじゅん

1998年に広告制作会社で写真が始まり、アートイベント会社の広報として活動していました。まだあまりウェブマーケティングが普及していない2006年からSEO(検索エンジン対策)・リスティング広告(PPC広告)・LPO(ホームページ対策)・コピーライティングなど、サポートをしています。