現代社会において、メールはもはや単なる連絡手段ではなく、仕事やプライベートを左右する重要なツールとなっています。
世界中で1日に送信されるメール数は2,000億通~3,000億通とも言われ、スマホの普及によっていつでもどこでもメールの送受信が可能になった一方で、私たちの脳やメンタルに深刻な悪影響を与えている事実が科学的に明らかになっています。
東北大学が行った研究では、1,152人の健康な成人を対象に、メール中毒傾向と非言語知能、うつ病の関係を検証したところ、驚くべき結果が判明しました。

1. 思考力・コミュニケーション力の低下
メール中毒傾向が高いほど、非言語知能が低いことが確認されました。
非言語知能とは、言葉以外の情報を理解し、処理する能力であり、コミュニケーション力や思考力と密接に関係しています。
つまり、メール中毒は、言葉だけに頼るコミュニケーションを増やし、非言語知能を低下させる可能性があるのです。
2. 気分の落ち込み・ネガティブ思考
メール中毒傾向が高いほど、うつ病の重症度が高くなることも発見されました。
常にメールをチェックしなければならないというプレッシャーや、返信に追われる****ストレスは、不安や焦りといったネガティブな感情を増幅させ、うつ病の発症や悪化のリスクを高めてしまうのです。
3. 集中力・記憶力・思考力の低下
メールの通知音や振動に常に意識が向いている状態は、脳の集中力を著しく低下させ、記憶力や思考力の低下にもつながります。
常に「次のメールはいつ来るか」と不安を抱えている状態では、脳がリラックスできず、本来の能力を発揮できなくなってしまうのです。
4. プライベートの時間まで奪われる
メールの受信や返信にかける時間は、あっという間に増えてしまいます。
仕事が終わってもプライベートの時間までメールに追いかけられることは、慢性的なストレスとなり、心身の健康に悪影響を与えます。
5. コミュニケーション不足による誤解
メールでのコミュニケーションは、対面でのコミュニケーションと比べて情報量が少なく、誤解も生まれやすいものです。
表情や声のトーンといった非言語情報がないため、ニュアンスが伝わりにくく、誤解や行き違いが生じてしまう可能性があります。
6. 脳の休息が妨げられ、心身に大きな負担をかけ
寝る直前までメールをチェックしたり、寝ている間にメールの通知音が鳴ったりすることで、脳は十分な休息を取ることができず、睡眠障害につながります。
睡眠不足は、集中力や思考力の低下、免疫力の低下、うつ病のリスク増加など、心身に様々な悪影響を与えます。
これらの深刻な影響を踏まえると、メールとの付き合い方を見直すことは、脳 やメンタルの健康を守るために必須と言えるでしょう。
メール中毒の症状に心当たりがある場合は、以下の対策を試してみることをおすすめします。

脳を守るための5つのステップ
メール中毒から脱却し、脳とメンタルの健康を守るためには、以下の5つのステップを実践することが重要です。
ステップ1:メールの使用時間を知る
まず、自分が実際にメールにどれくらいの時間を費やしているのかを把握することが重要です。
スマホやパソコンの設定画面などを活用して、1日のメール利用時間をチェックしてみましょう。
思っていたよりもずっと長い時間を費やしていることに気づくかもしれません。
ステップ2:メールのチェック時間を決める
メールをチェックする時間を決めておくことで、ダラダラとメールを見続けることを防ぐことができます。
例えば、1日に3回、30分ずつチェックするなど、自分にとって無理のない範囲で設定してみましょう。
仕事でどうしても必要な場合を除き、プライベートの時間にはメールをチェックしないように心掛けましょう。
ステップ3:通知をオフにする
メールの通知音や振動は、集中力を妨げ、ストレスの原因にもなります。
必要でない通知はオフにして、本当に必要なメールのみに対応するようにしましょう。
スマホやパソコンの設定画面から、アプリごとに通知設定を変更することができます。
ステップ4:受信拒否設定を活用する
不要なメールを受信しないようにすることで、メールに費やす時間を大幅に削減することができます。
迷惑メールはもちろん、購読していないメルマガやセールスメールなどは、受信拒否設定を活用してブロックしましょう。
ステップ5:代替手段を活用する
どうしてもメールでやり取りする必要がある場合は、なるべく簡潔に要件を伝え、長文のメールは避けるようにしましょう。
音声通話やビデオ通話を活用することで、より効率的かつスムーズなコミュニケーションが可能になります。
また、社内の連絡であれば、チャットツールなどを活用するのも有効です。
まとめ
今回はメールについての話でしたが、LINEも同じです。LINEは便利なツールですが、使い方を間違えると、脳やメンタルに悪影響を及ぼす可能性があります。
脳と心身の健康を守り、より充実した生活を送るためにも、メールとの賢い付き合い方を実践することが重要です。
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