「運動不足は万病のもと」と言われるように、運動は心身の健康維持に欠かせません。近年、脳科学の研究によって、運動が学習効果を高める効果も明らかになってきました。

1. 運動が脳機能に与える影響
1.1 脳血流の促進
運動は、心臓を活発に動かし、全身に血液を送り出すポンプの役割を果たします。その結果、脳への血流も増加し、脳細胞に必要な酸素や栄養素が効率的に供給されます。
1.2 脳細胞の活性化
脳血流の増加により、脳細胞は活性化し、神経伝達物質の分泌が促進されます。神経伝達物質は、脳内の情報伝達を担う物質であり、記憶力や集中力、思考力などの向上に役立ちます。
1.3 海馬の神経新生
運動は、脳の中でも記憶形成に関わる海馬と呼ばれる領域において、神経細胞の新生を促進することが研究で示されています。
1.4 BDNFの増加
運動は、脳の神経細胞の成長を促進するBDNFと呼ばれるタンパク質の分泌を増加させます。
2. 運動が学習効果に与える影響
2.1 集中力・記憶力の向上
脳血流の増加や神経伝達物質の分泌促進により、集中力や記憶力が向上します。
2.2 ストレス軽減
運動は、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌を抑制し、リラックス効果をもたらします。ストレスが軽減されると、脳は学習モードに入りやすくなり、情報処理能力が向上します。
2.3 長期記憶の強化
運動は、海馬における長期記憶の保存・強化に効果的であることが研究で示されています。
3. 運動と学習を組み合わせた効果
3.1 オランダのフローニンゲン大学の研究
オランダのフローニンゲン大学が6つの小学校の2年生と3年生を対象に行った研究では、定期的に体を動かす授業を取り入れた介入グループは、対照グループよりも数学と読書のテストの結果が有意に高くなりました。
3.2 運動と学習のゴールデンタイム
運動は、学習前に行うと集中力や記憶力を高め、学習後の記憶の定着を促進する効果があります。
4. 運動と学習を組み合わせる際のポイント
- 運動の種類や時間は、年齢や体力に合わせる。
- 無理のない範囲で、継続して行うことが重要。
- 学習前と学習後の両方に行うと効果的。
まとめ
運動は、脳機能を活性化し、学習効果を高める効果があります。机上の学習だけでなく、定期的に体を動かす習慣を取り入れることで、より効率的な学習が可能になります。
参考
- Journal of Sport and Health Science: https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/josh.12259
補足
時間帯
運動の効果を最大限に引き出すためには、以下の時間帯がおすすめです。
- 勉強前: 勉強前に10分程度のウォーキングやストレッチを行うことで、脳の血流を促進し、集中力を高めることができます。
- 学習中: 30分〜1時間おきに席を立ち、軽いストレッチや体操を行うことで、脳をリフレッシュし、集中力を維持することができます。
- 勉強後: 勉強後に運動を行うことで、学習内容を記憶に定着させる効果があります。
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